◆ご町内のみなさん
日本共産党、町会議員の二見伸吾でございます。
緑が丘中学校3年生が昨年12月に自殺した問題で第三者委員会の報告書が昨日(3日)、町教育委員会に提出されました。
報告書は、「進路指導を検証すると、推薦基準を機械的・形式的に運用した問題点が見いだせる。生徒一人一人の状況を踏まえ総合的に判断するという教育的視点を欠いている」「生徒と教員の間に日常的な信頼関係が構築されていなかった」と指摘しました。
報告書をまとめた第三者委員会の委員長、古賀一博・広島大学教授は「各教員が自分の問題として捉えて欲しい」と述べたそうです。
◆みなさん
学校側の対応に問題があったことはもちろんですが、なぜ、生徒と先生のあいだに日常的な信頼関係が築けなかったのか、個別の問題ではなく、その背景を検討し対策をたてることが大切だと考えます。
その最大の背景は教職員の多忙化です。
昨年の8月、9月に、北海道教育大学や大阪教育大学など4つの大学が共同調査し、全国の公立小中高の教員、約1万人を対象に実施し、5千人以上が回答しました。
そのなかで「授業の準備をする時間が足りない」と答えた先生が小学校95%、中学校84%、高校78%。「仕事に追われて生活のゆとりがない」も小学校77%、中学校75%、高校68%です。中学校では部活動・クラブ活動の指導が負担だと回答した人が7割にものぼります。
とにかく先生方が忙しい。生徒一人ひとりに目が届かなくなっているのです。
◆みなさん
こういう状況をなくすために何が必要なのか。これが肝心な問題なのです。
それは、先生方を増やし、35人学級にして、先生一人ひとりの負担を減らすことです。
しかし、財務省は今月(11月)2日、来年度予算案の編成に向けて、公立の小中学校の教職員の定員について子どもの数が減るからといって、今後10年間でおよそ4万9千人を削減する案をまとめたと報道されました。
学校現場の実態などおかまいなし、数字とお金だけで考えている。これが今の財務省です。
◆みなさん
広島県の問題もあります。
一つは正規採用を減らして、臨時採用を増やしてきたことです。
県内の小中高の教職員は校長先生など管理職を含めて約2万人いますが、2016年の定数内臨時採用は963人。事務職員や養護教諭を含めると1100人を超えます。臨時では先生方が安心して教育に打ち込むことはできません。
もう一つは、全国の都道府県が文科省の基準より多く先生方を増やしていますが、全国平均は10%、1割以上基準より増やしているのに、広島県は5.9%にすぎません。
毎年、900人も新規採用しているけれども、どんどん辞めていく。いま、経験のある中堅の先生方が少ない。これも学校にあるさまざまな問題を解決することを難しくさせています。
3つめは、県教委は35人学級に後ろ向きなことです。全国では小学校の1,2年生だけでなく3年生以上も35人学級にしている県があります。中国地方では、鳥取県・島根県・山口県が中学校まで35人学級、岡山県も小学校4年生まで35人学級になっています。
さらに、鳥取県と島根県は小学校1,2年生が30人学級で、鳥取県は中学校1年生が33人学級です。
山口県は小学校1年生が30人学級。
まったく努力していないのは広島県だけです。
◆みなさん
このように立ち後れた状況を変え、一人ひとりに目の届く状況、先生方が、生徒との信頼関係を築けるように条件整備をすることこそが、事件の再発防止のために必要なことではないでしょうか。
まずもって県教育委員会の姿勢を改めさせることが必要です。
私たち日本共産党は、先生方を増やして、35人学級をすすめ、多忙化を解消し、先生方がゆとりをもって子どもたちと接し、このような不幸な事件が二度と起こらないようにすることが大切だと考えます。