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2026-02-17

大学移転と「政策」  不破哲三さんと私 その2

法政大学の町田移転

私は1982年に法政大学経済学部に入学。経済学部と社会学部は、1984年に町田移転*1)を控えていました。

当時、法政大学には「中核派」や「黒ヘル」という暴力集団が巣くい、「移転したら筑波大学のように学生の自由が奪われる」などと主張して「移転阻止」のスローガンのもとに授業妨害や試験破壊などの盲動を繰り返していました。

この事態に対して私たちの先輩は「法政大学の町田移転にあたっての我々の主張――移転問題の本質と大学当局の責任をつく!」(日本共産党法政大学 Ⅰ部学生委員会/Ⅱ部学生委員会)を作成。移転問題についての基本的な考え方、移転にあたっての学生の要求などを明らかにしました。

*1)現在は「多摩キャンパス」と呼ばれているが、当時は「町田」「多摩」の両方が使われていた。所在地は東京都町田市相原。法政大学だけでなく多くの大学が手狭になった都心のキャンパスから多摩地域(八王子市が多かったと思う)に移転した。今、大学は都心回帰の時代となり、法政大学経済学部も2030年に市ヶ谷キャンパスに戻ることになっている。

政策活動の前進のために

私たちは、この移転政策をビラやパンフレットとして配布しましたし、党学生委員会主催で党内学習会も開かれました。

講師は日本共産党東京都委員会から法政大学にオルグとして派遣されている横山幸次さんでした。横山さんは不破哲三さんの秘書などを経て1995年から荒川区議(8期目)をされています。

横山さんの講義は、法政大学の移転政策にとどまらず、「日本共産党にとって政策とは何か」という根本からの説き起こしていました。

その元になっているのは『人民的議会主義』に収録されている「政策活動の前進のために」(以下「前進のために」)です。

この論考と岡正芳氏の「『地域開発』反対政策の位置づけについて」(以下「位置づけについて」)をよく学ぶようにというのが横山さんのアドバイスでした。

岡さんの論考は『共産党の理念と政策』などに収録されているのですが、当時なかなか手に入らず、コピーのコピーをコピーして読みました(この本はだいぶ経って、広島に来てから入手)。

学んだことはいつどこで役に立つか分かりません。法政大学を卒業して30年経ち、私は府中町議になりました。町議として務まっているのは「政策活動の前進のために」のおかげです。

私が何を学び、議員活動に生かしているのか。

政策とは何か

まず、政策とは何かについて、不破さんは岡さんの「位置づけについて」を引きながら、次のように言います。

 「われわれの政策活動の出発点は、なによりもまず、大衆の切実な要求、さまざまなかたちであらわれてくる切実な要求にあります。ここから出発してこの大衆の要求をどう解決するかという道筋をしめす。それによって条件に応して実際に大衆の要求も解決するとともに、大衆を党がめざしている革命の目標、さらに当面的にいえば、民主連合政府、あるいは民主的な地方政治、そういう方向へ大衆を自覚的にたかめていく役割をする。そういう意昧で、大衆の要求にこたえて党が解決策をしめすのが政策の基本的、中心的な内容だということが、〔「位置づけについて」で〕あきらかにされました」*2)

政策は切実な要求から出発する。政策は「天」から降ってくるものではなく、「地」にあるのです。直接、住民から要望や苦情といった形で議員に届けられることもありますし、自分自身でこれはどうなのかと気づくこともあります。職員との会話のなかにヒントが隠れていることも。要求の発見・発掘が大切です。

また、全国に1700以上の市区町村がありますが、一つとして同じ自治体はありません。もちろん全国的に共通する問題もありますが、やはり自治体ごとに固有の問題と要求がある。ですから、それぞれの自治体について独自の研究が必要なのです。

*2)『人民的議会主義』141頁。『政策活動入門』新日本出版社、84頁。

 

暴露と反対だけでは力にならない

いかに自民党政治(保守政治)が酷いのかということは書かれているが「解決の道筋を示す」点が弱い政策文書ではダメだと不破さんは言います。

「敵の政策の暴露と反対を中心にした政策活動では、自民党の暴露はかりにできたとしても、日本共産党は大衆の要求にたいしてなにを答え、なにを解決するのかということは大衆にしめされないわけです。端的にいえば自民党支持の基盤をほりくずす力にはなっても、日本共産党への支持を拡大する力にはならないということになります」*3)

*3)『人民的議会主義』144-5頁。『政策活動入門』87-8頁。

対案を示すことが大切

ですから、「共産党がどうやって問題を打開しようとしているのか」を政策文書の主役にしなければなりません。そのために必要なのは「具体的な問題の具体的な研究」です。

私の一般質問は全て政策的な提起を含んでいます。どのような提起をするのか。そのために徹底的に調べます。

問題の所在を明らかにするとともに人口5万2千人、面積10平方キロメートル、一般会計予算、約200億円の自治体(府中町)で実現可能なことは何か。

事前に職員の意見も聞きますし、国の施策や関連する法律についても調べます。

調べ、考え、書き、調べるの繰り返しです。

法律に推進、維持・向上などの文言があれば、それを根拠に実施を迫ることもあります。

一般質問のときに「やります」という答弁はほとんどないのですが、現在、策定中の「第5次総合計画 前期実施計画(2026-2030)」に私の提案は6つ採用されていました*4)

事実に基づく道理ある提案・政策は、採用される(もちろん全てではない)のです。2016年の初当選以来25年12月まで34回一般質問に立ちましたが、一つひとつが私の府中町政策でもあります

この公式WEBサイトで読むことが出来ます)。

*4)①子どもの医療費助成の充実、②消防通信指令システムの整備、③消防庁舎・職員の仮眠室の改善(個室化)、④防災井戸の整備、⑤庁舎など公共施設へのフリーwifi設置、⑥議会会議録検索システムの導入。


「タイピストの席は窓際に移せ」

他にも党活動や議員活動などに役立つ内容が沢山ありますが、ぜひ不破さんの「前進のために」や『政策活動入門』を読んでください。最後にこの論考で一番好きな箇所を紹介します。
 

「ある経営の党支部で、職場政策をつくるとき、支部の同志がタイピストの要求をきいたところ、もっと明るいところで仕事をしたいという要求があることがわかった……支部はこうした大衆の声をもとにして政策をつくり、発表する前にもう一度要求を聞いた人たちに見せて、これでどうだろうかといって意見をきいたそうです。そのなかに『タイピストの席は窓ぎわに移せ』という要求もふくまれていたわけですが、その職場の人たちは「共産党はこんなことまで考えてくれるのか」といって、涙をうかべるほどよろこんで、わたしがこの話を直接きいたときには、まだこの政策は鉛筆で書いた原稿の段階で、印刷も配布もされていなかったのですが、政策をビラで流すまえから職場中の大きな話題になっているといっていました。これらの例は、大衆の要求を十分調査し、これに密着した政策をだすことが、どんなに重要かということを、いきいきとしめしていると思います」*5)

*5)『人民的議会主義』163頁。『政策活動入門』105-6頁

 

不破哲三さんと私 1

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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