人の優しさを罪にする共謀罪(5) 私たちには道理がある

 

最初にも述べましたが、共謀罪は「戦争のできる国」に必要不可欠な法律です。戦争は必ず反戦運動を呼び起こします。戦争こそ、もっとも非人間的な行為であり、人間が人間である限りそれに反対せざるをえない。だから戦争遂行のためには、なんとしても戦争反対の声、反戦運動を抑え込まなければならない。共謀罪はそのための武器です。

権力にとって知られたくないことは秘密保護法で隠す。マイナンバーなどで国民の情報を把握し、好ましからざる人物は277の犯罪のどれかに共謀したことにして、逮捕監禁する。

政府はなんとしてもこの共謀罪がほしい。だから必死になって国会通過をねらっています。向こうには国会では多数です。数の力がある。しかし、私たちには道理がある。先ほどもいくつか紹介したように、国会での答弁はボロボロです。野党は力をあわせて追及している。森友疑惑もあります。相次ぐ大臣の暴言、虚偽答弁、政務官の不倫……。安倍内閣はモラル崩壊状態といっていい。

数の力を道理の力でひっくり返せるか、私たちの力量が問われています。分かりにくくても、いや分かりにくいからこそ、よく学習して対話していく。共謀罪とはなにかを一人ひとりが語っていくことが大切です。「正論が世論となり世論が世の中を変える」のです。秘密保護法も安保法制=戦争法も、よく分からない、分かりにくいというところから出発しましたが、いずれも大きな反対運動へと発展しました。沖縄のたたかいが示しているように「勝つ方法はあきらめないこと」です。あきらめずにたたかいましょう。

人の優しさを罪にする共謀罪(1)

人の優しさを罪にする共謀罪(2)

人の優しさを罪にする共謀罪(3)

人の優しさを罪にする共謀罪(4)

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資料

●治安維持法(抜粋)

第一条 国体を変革する目的で結社を組織した者または結社の役員その他指導者の任務に就いた者は死刑または無期もしくは七年以上の懲役に処し、その事情を知っていて結社に加わった者または結社の目的遂行のための行為をした者は三年以上の有期懲役に処する。

第二条 前条の結社を支援する目的で結社を組織した者または結社の役員その他指導者の任務に就いている者は死刑または無期もしくは五年以上の懲役に処し、事情を知っていて結社に加入した者または結社の目的遂行のための行為をした者は二年以上の有期懲役を処する。

第三条 第一条の結社の組織を準備することを目的として結社を組織した者または結社の役員その他の指導者の任務に就いた者は死刑または無期もしくは五年以上の懲役に処し、事情を知っていて結社に加入した者または結社の目的遂行のための行為をした者は二年以上の有期懲役に処する。

第四条 前三条の目的をもって集団を結成した者または集団を指導した者は無期または三年以上の懲役に処し、前三条の目的をもって集団に参加した者または集団による前三条の目的遂行のための行為をした者は一年以上の有期懲役に処する。

第五条 第一条および第三条の目的をもってその目的にある事項の実行について協議もしくは煽動し、またはその目的にある事項を宣伝しその他その目的遂行のためにする行為をした者は一年以上十年以下の懲役に処する。

第六条 第一条および第三条の目的をもって騒乱、暴行その他生命、身体または財産に害を加える犯罪を煽動した者は二年以上の有期懲役に処する。

第七条 国体を否定しまたは神宮もしくは皇室の尊厳を冒涜する内容を流布することを目的として、結社を組織した者または結社の役員その他指導者の任務に就いた者は無期または二年以上の懲役に処し、事情を知っていて結社に加入した者または結社の目的遂行のための行為をした者は一年以上の牢有期懲役に処する。

第八条 前条の目的をもって集団を結成した者または集団を指導した者は無期または三年以上の懲役に処し、前条の目的をもって集団に参加した者または集団に関して前条の目的遂行のためにする行為をした者は一年以上の有期懲役に処する。

第九条 前八条の罪を犯させることを目的として金品その他の財産上の利益を供与しまたはその申込みもしくは約束をした者は十年以下の懲役に処する。事情を知っていて供与を受けまたはその要求もしくは約束をした者もまた同じ。

第十条 私有財産制度を否認することを目的として結社を組織した者または事情を知っていて結社に加入した者もしくは結社の目的遂行のための行為をした者は十年以下の懲役または禁固に処する。

第十一条 前条の目的をもってその目的にある事項の実行に関して協議をしまたはその目的にある事項の実行を煽動した者は七年以下の懲役または禁固に処する。

第十二条 第十条の目的をもって騒乱、暴行その他生命、身体または財産に害を加える犯罪を煽動した者は十年以下の懲役または禁固に処する。

第十三条 前三条の罪を犯させることを目的とし、金品その他の財産上の利益を供与しまたはその申込みもしくは約束をした者は五年以下の懲役または禁固に処する。事情を知っていて供与を受けまたはその要求もしくは約束をした者もまた同じ。

第十四条 第一条および第四条、第七条、第八条および第十条の未遂罪はこれを罰する。

第十五条 本章の罪を犯した者が自首した時はその刑を軽減または免除する。

(以下略)

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