加計学園問題、共謀罪を語る
共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)は19日午後、衆院法務委員会で自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。
以下は、本日午前中、私が府中町内8か所で行った演説の概要です。
▼ご町内のみなさん
日本共産党、府中町議の二見伸吾でございます。今朝は安倍総理の加計学園疑惑と共謀罪についてお話させていただきます。
▼みなさん
森友学園問題に続き、加計学園で安倍首相による不当な関与があきらかになりました。
学校法人加計学園が国家戦略特区制度を使って、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、文部科学省が、内閣府から「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたとする記録が存在することを明らかになったのです。
これまで、獣医さんは足りているので、獣医学部はこれ以上つくらないというのが文科省や農水省の方針でした。それを戦略特区制度をつかい、政府は1校特例で今年1月に獣医学部を新設する大学を公募いたしましたが、募集期間はわずか8日間。応募したのは加計学園だけ。あまりに不自然です。
事業計画はすぐに認められて、今治市は市の土地37億円をタダにし、施設整備費として96億円を助成することを決めました。あわせて133億円です。
安倍首相と加計考太郎理事長は数十年来の腹心の友とされ、年に数回は食事やゴルフを重ねる間柄だといいます。
今回あきらかになった文書の一部には、日付や「加計学園」と具体名が記されたものがあります。官邸幹部、内閣府、文科省、農水省などが連絡・調整をとりあったとみられる内容が、一部実名入りで箇条書きされていいます。
「平成30年4月開学を前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」
「これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっともっと激しいことを言っている)」
「《できない》という選択肢はなく、事務的に早くやらないと責任をとることになる。早く政治トップの判断に持って行く必要あり」と描かれています。
官邸の最高レベル、政治トップといえば安倍首相以外にはないでしょう。
菅官房長官は17日の記者会見で「作成日時や作成部局が明確になっていない」「誰が書いたかわからない意味不明のもの」と「怪文書」扱いしました。
しかし、この文書に実名がでてくる、元自民党衆議院議員の北村直人氏は「文書に書かれていることは事実」と認めています。
首相夫人、安倍昭恵さんは、森友学園ばかりでなく、加計学園が運営する「御影インターナショナルこども園」の名誉園長を務めています。
森友疑惑に続く、安倍首相による国政の私物化が問われる重大疑惑です。安倍首相自身が国会で国民に対する説明をし、真相を語るべきです。
▼みなさん
つぎに共謀罪についてお話いたします。
国民の思想や良心の自由の重大な侵害につながる「共謀罪」法案について、自民、公明の与党、日本維新の会が衆院通過へ向けた動きを強めています。「共謀罪」法案は4月半ばに審議入りしましたが、野党の追及で、政府の持ち出す「テロ対策」の口実が成り立たず、国民監視を強める危険な本質が次々と明らかになっています。
金田法務大臣の答弁も迷走を繰り返し、法案の矛盾やほころびもあらわになっています。こんな法案を数の力で押し通そうとする安倍政権と与党、その補完勢力の暴走をストップさせるため世論と運動を広げることが急がれます。
▼みなさん
「共謀罪」法案を審議する衆院法務委員会で16日、参考人質疑が行われ、警察が国民の日常生活を監視し、「心の中」を処罰対象とする法案の、憲法に反する危険性が指摘されました。
与党は審議を打ち切り、17日に委員会採決をする予定でしたが、4野党で、金田法務大臣の不信任決議案を衆院に提出、同日の衆院法務委員会は開かれませんでした。
しかし今日19日に委員会で強行採決する予定だと報じられております。
マスコミの世論調査では、「今の国会で成立させる必要はない64%」(「朝日」)、「成立させるべきと思わない45%」(「読売」)といずれも「成立させるべき」より多くなっています。
法案を「よくわからない」という声も多数です。また、自分が監視や捜査の対象などにされることに「不安を感じる56・4%」(「産経」)、「法案についての政府の説明は十分でない78%」(「朝日」)などとの回答になっています。
このような国民世論のもとで、強行採決することなどもってのほかです。
政府・与党が盛んに繰り返す「一般人は対象にならない」という論拠は崩れています。
いまでも警察は、普通に暮らしている市民への尾行やビデオでの盗撮を行っています。しかもこれらの行為を政府は「通常の業務」と居直っています。
こんな状態で「共謀罪」法案が通れば、人権侵害の違法な捜査が広がり、国民監視社会への道を進むことになります。
▼みなさん
心のなかを処罰対象にする法案の本質はごまかしようがありません。
「準備行為」がないと処罰しないといっても、その行為は普通の暮らしで普段に行われるものです。
花見か犯行の下見かの違いについて、金田法相は問われると、ビールと弁当を持っていれば花見で、双眼鏡と地図を持っていれば、犯行の下見だと苦し紛れの答弁をしました。
バードウォッチングなら双眼鏡と地図が必要でしょう。
心のなかにあることを取り締まる危険を隠そうとすればするほどこのようなデタラメな答弁となるのです。
「共謀罪」法案は徹底審議をして廃案にすべきです。
「共謀罪」法案は国民の力で過去3回廃案に追い込みました。
2度あることは3度あると言いますが、3度あったっことを4回にしましょう。
共謀罪法案を廃案にするため、日本共産党は、市民、町民の皆さん、他の野党とも力を合わせてがんばります。
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