府中町における密集市街地整備 2018/06/21 定例朝宣伝 148回
(府中町鹿籠に住んでいる大平喜信・前衆議院議員とともに)
◆ご町内のみなさん
日本共産党、府中町議の二見伸吾でございます。あす、22日から府中町議会が始まります。
私は一般質問で「府中町における密集市街地整備と《街づくり》」について質問いたします。
◆みなさん
今週月曜日、6月18日に高槻市など大阪北部を震度6の地震が襲いました。小学校のブロック塀が倒壊し、4年生の児童が亡くなりました。20日現在での被害は、死者5人、負傷者が7府県で409人。住宅の一部損壊は2府2県で562棟です。
震度5弱以上の地震は4月に鳥取、5月に長野北部で2回、6月17日に群馬、そして18日の大阪北部と続いています。日本列島は1995年の阪神淡路大震災以後、地震の活動期に入ったと言われています。2011年には東日本大震災、2016年には熊本大地震が起きました。「大地動乱の時代」です。
阪神淡路大震災のときの教訓の一つは、日本列島のどこで大地震が起きてもおかしくない、大地震の起きない地域はないということです。
そのことは東日本大震災と熊本地震で裏書きされ、今回の大阪北部地震へと続いているわけです。中国地方、広島県、そして府中町もそう遅くない時期に大地震が発生する可能性、危険性があります。
◆みなさん
先日、土木学会が南海トラフ大地震が起きた場合、その経済被害は長期的に1410兆円となるであろうというショッキングな推計を発表しました(6月7日)。経済的な被害がある以前に、人的な被害、建物の倒壊、そして火災など直接的な被害もまた甚大です。
土木学会は「道路や港湾、堤防、建物の耐震化などをすることで、地震や津波による長期的な被害を3~4割減らすことができる」とも述べており、災害に強い街づくりは喫緊の課題となっています。
阪神淡路大震災では、地震直後に命を落とした約5500人のうち、8割以上が建物や家具の倒壊による圧死・窒息死でした(兵庫県監察医「神戸市内における検死統計〔1995〕」)。災害、とりわけ大震災が起きたときに、町民のみなさんの命と安全が守れるかどうかは、災害に強い街づくりができるかどうかにかかっています。
◆みなさん
私たちの暮らす府中町は、面積 約10k㎡であり、そのうち山林が4.5k㎡、住宅用地が2.4k㎡です(他は道路用地など)。そこに5万2千人が暮らし、人口集中地域(面積5.6k㎡)の人口密度は1平方キロあたり9千人です。県平均は1平方キロあたり約6千人ですので、府中町は県平均の1.5倍の人口密度です。
生活道路は、幅員4m未満の狭隘道路が三分の一を占め、住宅を含む建築物は、築25年以上の建築物が多く、特に町北東部において老朽化が進んでいます。
道路が狭い、古い耐震基準の木造家屋が多いといった現状では、大地震でブロック塀が倒れ逃げ道を防ぐ、隣の火事が燃え移り、火の海になるといった危険性が多く、被害が広がります。
当町にとって密集市街地整備は、町民の生命と財産を守る「災害に強い街づくり」のため、府中町の発展のために欠くことのできない課題だといえます。
(瀬戸ハイムから町内を望む。海側は広島市南区です)
◆みなさん
今回の一般質問で私は3つの提言をいたします。
一つは住宅の耐震リフォーム助成の拡充です。府中町は2017年度から住宅リフォーム・耐震診断・耐震改修に対する補助を始めました。診断に基づく改修に関して工事費の23%を助成するというものです。
しかし、残念ながらその予算は耐震診断5件10万円、耐震改修1件40万円。4月からの約3か月で、交付実績ゼロです。昨年度の相談件数は、耐震診断7件、耐震改修7件、交付実績は耐震診断1件、耐震改修ゼロ。
これでは、耐震化を促進することにならない。もっと使いやすくする必要があります。
県内でみますと、工事費用の2分の1を補助する自治体が4つ(竹原市、大竹市、府中市、江田島市)、3分の1を補助する自治体が6つ、23%が当町を含め7つ、補助なしが6つとなっています。23%という国基準(国と市町村で折半)の補助率に独自に積み増ししている市町が県内でもあります。
耐震改修助成制度の拡充を町に対して求めます。
2つめは、ブロック塀をなくしていくことへの助成です。
18日の大阪北部の地震で、高槻市の小学校のプールのブロック塀が約40メートルに渡って倒れ、小学校4年生がその下敷きになって亡くなりました。まことに痛ましいことです。あのブロック塀は建築基準法に反したものだったようですが、そうでなくても大地震の際にはブロック塀による被害が起きています。1978年の宮城県沖地震では18人の方が亡くなりました。1995年の阪神淡路大震災のときも倒壊が相次ぎました。
府中町の密集市街地において、狭い道路の両側がブロック塀というところも少なくありません。大震災が起き、ブロック塀が倒壊すれば逃げ道を失います。ただでさえ消防車や救急車が入りにくいのに、ブロック塀によって道を塞がれては、なすすべもありません。
ブロック塀をなくしたり、生け垣にすることに対して助成している自治体があります。密集市街地が少なくない府中町で、危険なブロック塀をなくして、オープンな外構あるいは生け垣に変えていくことはきわめて有効な街の安全対策です。
ブロック塀の除去に対して助成制度をつくることを提言します。
3つめに公営住宅を増やすことを提言します。
密集市街地整備の困難のひとつとして「低家賃の借家を必要とする高齢者などに対して、公営住宅の提供などの居住の安定を確保することが難しい」ということが一般的には言われています。古い木造賃貸住宅に住んでいる人の家賃はだいたい安いのです。建て替えると家賃が上がり、払えなくなる。だからその受け皿としての公営住宅が必要なのです。
昨年(2017年)9月の第4回定例会において、私は町営住宅について一般質問いたしました。町営住宅は現在6住宅ありますが、そのうちの4つは老朽化によって募集停止。入居可能なのは青崎東住宅と本町住宅の2つ、56戸にすぎません。府中町2万1千世帯のわずか0.3%。県内市町の平均は4%ですので圧倒的に少ない。他市町並みなら1000戸はないといけない。しかし、町の計画はあと44戸つくって100戸にするというものです。
一般的に言っても町民のみなさんから町営住宅に入りたいという要望は多い。そして、密集市街地を整備していくうえで老朽化した木造賃貸住宅に住んでいる方々の移転先として公営住宅の果たす役割は大きいと思います。
町の計画である100戸にみあう住宅建設を急ぐとともに、町営住宅建設の計画を見直すことを求めます。
以上3つの提言を府中町議会でいたします。
◆みなさん
今週金曜日22日から府中町議会が始まります。
私は「府中町における密集市街地整備と街づくり」について質問いたします。町内には道路が狭く家が建て込んでいる密集市街地があります。
これをどうやって整備していくのかを問います。私の質問は26日です。ぜひ傍聴にお越し下さい。
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