「餌は買いなさい、育てた牛は売れなくします」ふざけた日米貿易交渉

8月26日 当選後245回目の定例朝宣伝の原稿です。


(写真は「どっこいしょニッポン」からお借りしました。福永畜産の畜舎です)

みなさん

安倍総理とトランプ大統領は25日、主要7カ国首脳会議にあわせてフランスのビアリッツで2度会談し、日米貿易交渉で基本合意しました。

ライトハイザー米通商代表部代表は70億ドル・7300億円以上の市場開放につながるとの考えを示したといいます。

安倍総理は首脳会談で、貿易協定とは別に、米産の飼料用のトウモロコシを購入する考えをトランプ氏に伝えました。政府が買うわけではありません。農家に買わせるんです。

そして、日本が米国産牛肉にかけている38.5%の関税は段階的に引き下げ、2033年4月に9%にする。

アメリカから飼料も牛肉も買う。

餌は買いなさい、あなたたちの育てた牛は売れなくします。こんなばかな話はありません。日本の畜産業は壊滅的な影響を受けます。

 

みなさん

農林水産省は、2018年度の食料自給率が17年度より1ポイント低下し37%(カロリーベース)になったと公表しました。大冷害に見舞われた1993年度を下回っており、過去最低の水準です。

安倍政権は2015年、食料自給率を25年度に45%へ引き上げる目標を決めていますが、その達成どころか、逆に目標から遠ざかっており、政府の食料政策や農政のあり方が根本から問われています。

世界の食料需給が「中長期的にはひっ迫」と政府自身も予測しています。そのもとで食料の6割以上を外国に依存していること自体、大問題です。その低い自給率をさらに下げていることは、国民の生存条件を揺るがすものです。

国産が大半を占めるコメの消費減少に加え、農業の生産基盤の弱体化が、いよいよあらわになってきています。

とりわけ深刻なのは、農業生産の担い手の高齢化と急速な減少です。最近10年間に農業経営体は32%減少し、そのテンポは早まっています。

農業を中心的に担う基幹的農業従事者は10年の205万人から19年の140万人へと減少し、その42%は70歳以上です。

近い将来、大量リタイアによる農業者の激減は避けられません。耕作放棄地も年々増え、いまや全耕地面積の約1割に達しています。

歴代自民党政権がアメリカや財界の言いなりに食料を外国にゆだね、農産物の輸入自由化、農業切り捨ての政治を続けてきた結果です。国内農業は、外国産と競合しない作物や分野に狭められ、多くの農業経営が成り立たなくされ、若者が安心して農業に就ける条件が著しく損なわれてきたのです。

みなさん

安倍政権の6年半は、TPP、環太平洋連携協定を強行し、日欧の経済連携協定と合わせて畜産物などの輸入拡大に道を開いてきました。

「攻めの農政」と称する大規模化、競争力一辺倒の農政も、中小農家の離農を加速させ、中山間地の農地を荒廃させるなど生産基盤の弱体化に拍車をかけています。

日本が食料自給率の回復・向上に踏み出すことは、国際社会に対する責務でもあります。

 みなさん

輸入自由化路線をやめ、国内農業の増産を可能にする貿易ルール=食料主権を回復することが必要です。

国土条件をフルに生かした農林漁業の多面的な発展、価格保障や所得補償による農業経営条件の抜本的な改善、若者が安心して就農できる条件を整備し、大小多様な家族経営が成り立ち、農業の多様な担い手を大幅に増やすことが急がれます。

 

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