有効票? 無効票? ――立会人のしごと
今年(2024年)は、町長選(5月)、町議選(9月)、衆議院選挙(10月)と一年間に3回も選挙がありました。
選挙といえば投票です。
町長選の時には投票用紙に候補者の名前が書いてあって、○(マル)のスタンプを押しました。
このやり方を「記号式投票」といい、公職選挙法第46条の2に定められています。
書き間違いがなく、開票もしやすい。
一方、町議選と衆議院選挙は、候補者の名前を書く「自書式投票」でした。
今回の衆議院選挙で、私は比例代表の開票立会人をしました。立会人の一番大切な仕事は票の確認です。
私たち立会人のところに、政党ごとに200枚ずつの束がやってきます。それぞれの政党の名前がちゃんとかかれているか、他の政党の票が紛れていないかをチェック。
まず、「完全有効票」が来ます。これは誰がどうみても「@@党」だと分かるものです。
次に「判定有効票」が来ますが、これは字が間違っていたり、汚い字だったりするけれども、有効だと判定されたものです。
開票に当たってはできるだけ投票者の意思を尊重しますので、その政党であることが分かれば、誤字、脱字もかなり緩やかに認められます。
今回あったものを紹介しますと「国民主党」「口民主党」「社会主党」「立」「共」「公」、いずれも有効とされました。ひらがな書きでも大丈夫です。
そして「按分(あんぶん)票」。立憲民主党と国民民主党はともに略称を「民主党」にしています。民主党とだけ書かれた票はどちらに入れたのか、投票者の意思が分かりません。
そこで「民主党」と書かれた票は、それぞれの得票割合に応じて割り振ります。
例えば有効票が、立憲3,000票、国民2,000票で、「民主党」と書かれた票が100票ならば、60票と40票に分けるのです。
これを按分票と呼びますが、どのように按分するかは開票が済み、有効票の数が決まらないと分かりません。
私たち立会人の役割は、「按分票」として回ってきたものが、立憲民主党でも国民民主党でもなく「民主党」とだけ書かれていることを確認することです。
最後に来るのが「無効票」です。今回、「共参党」「公民党」というのがありましたが、名前を混ぜるのは按分票にはならず、無効です。
「民主党」と書かれた票は略称として届けられているので按分されますが、「民主」は無効です。自由民主党、立憲民主党、国民民主党、社会民主党と「民主」が名前につく政党は4つもあり、どの政党に入れようとしたのか分からないからです。
あと、他事記載といって余計なことを書くと無効になります。例えば「@@党ガンバレ!」というのは無効です。
無効票で一番多かったのは白票です。一部で白票に意味があるかのような言説が流されているようですが、落書きした票と同じ「無効」な票に過ぎません。
開票所では白票の数も確認しますが、白票が全国でいくつあったのか集計されることもありません。白票が増えたら「話題になり政策に影響を与えることもできる」なんていうのは全くのデタラメ。
有効票を投じるからこそ、その票は力をもちます。今回の選挙結果もそのことを証明しました。
コメントを残す