揚倉山健康運動公園 再整備計画に賛成
もくじ
〔2025年〕11月7日、臨時議会が開かれ、揚倉山健康運動公園の再整備について審議し賛成多数で可決しました。
本事業には不確実、不確定な要素があり、賛否の判断に困りましたが、利用率の低い運動公園下段をこのままにしておくことは望ましくなく整備が必要であること、また、再整備によって一般の方が利用できる時間枠が広がること、整備された多目的広場(サッカー場)を女子プロサッカーチーム、レジーナが練習場として使うことは有意義だと判断し、この議案に賛成しました。

再整備が決まった揚倉山健康運動公園、下段の多目的広場
第51号議案「府中町都市公園条例の一部改正について」賛成討論いたします。
本議案は、揚倉山健康運動公園の再整備を、公募設置管理制度――Park-PFIと呼ばれていますが、この手法で進めるために提案されたものです。
PFIは、「民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法」(内閣府ホームページ)だと説明され、Park-PFIは、その公園版であり、「都市公園における民間資金を活用した新たな整備・管理手法」だと言われています。
事業の採算はとれるのか
Park-PFIの枠組みを使うと整備費の45%を国から交付金として受け取ることができ、町の負担は45%で済みます。他の事業手法よりも大変有利だといえるでしょう。しかし、この枠組みを使うためには整備費の10%を民間事業者に負担してもらわなければなりません。
民間事業者は、主として「公募対象公園施設」の収益によって、この負担分を捻出することになります。
Park-PFIで整備したひろしまスタジアムパークの場合、整備費用は、カフェ、サンドイッチ、ベーカリーなど16店舗の利益によってまかなわれています。
本整備事業の民間事業者負担分は、駐車場、ジム、多目的広場(サッカー場)など公園施設の使用料から生じる収益から支払われます。現在の計画では、整備費総額20億円で、民間負担分は2億円、20年契約ですから、単純に割っても単年度で1千万円になります。
本整備事業にかかわる必要経費と通常の利益に加えて毎年1千万円が必要ということです。
Park-PFIで想定されているのは、スタジアムパークがそうであるように、カフェ、レストラン、屋内子どもの遊び場などです。これらと比べると、駐車場、ジムや施設の使用料で毎年1千万円の収益が確保できるのか心配です。
事業者は契約直前まで分からない
Park-PFIは、複数の企業がJV(ジョイントベンチャー・複合企業体)をつくって「公募設置等予定者となります。スタジアムパークでは、「エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社」が代表となり、エディオン、広島電鉄、RCC文化センター、中国新聞社が加わってACTIVE COMMUNITY PARKというJVをつくりました。
事業の実施法人としては、NTTアーバンバリューサポート(ビル・マンション管理など)、NTTファシリティーズ(施設全般に関わるコンサルティング、企画、設計、維持管理など)、大成建設(ゼネコン)、日本工営都市空間(総合建設コンサルタント)、UID一級建築士事務所、が担当しています。
当町の揚倉山健康運動公園の場合でも、設計、建設、維持管理などに携わる企業がJVとして再整備事業を担うわけです。
全員協議会で配布された資料によると、このJVを、来月12月から来年2月にかけて公募し、4月に有識者・専門家による選定委員会が開かれて事業者が決定します。指定管理者の指定など議会の関与は来年5月ということになっています。
私たちにとっても、職員のみなさんにとっても、どのような事業体が選ばれるのかは、選定委員会で決まったあとにしか分からない。JVというパッケージで選ばれますので、個々の業者・事業体についても同様です。
ですから、選ばれるJVが再整備についてどのようなプランを考えているかを事前に知ることはできません。
このように、本事業には不確実、不確定な要素があります。
再整備は必要
しかしながら、利用率の低い運動公園下段をこのままにしておくことは望ましくなく整備が必要であること、また、整備された多目的広場(サッカー場)をレジーナが使うことについても――再整備によって一般の方が利用できる時間枠が広がることが前提ですが――賛成です。
下水道料金や国保税など値上げが相次ぎ、この臨時会のあとには、放課後児童クラブの有料化も提案されています。
なんとか値上げは避けられないのかと思いますが、近隣の人工芝のサッカー場が本議案の提案と同じ1時間3,000円であることや18歳(高校生)までの使用料を半額にしたことを鑑み、やむを得ないものと判断しました。
以上の点から、いくつかの懸念があるものの本議案に賛成することにしました。
私の懸念が杞憂だったとなるように、職員のみなさんのより一層の奮起をお願いして、賛成討論といたします。

2021年に天然芝から人工芝としてリニューアルした揚倉山健康運動公園上段グラウンド
《資料》
2025年3月 WACTORYパーク揚倉山(揚倉山健康運動公園) 再整備・利活用に関する基本構想
2025年9月29日 全員協議会資料「揚倉山健康運動公園の再整備について」












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