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2026-03-18

際限のない引き上げの道を進む国民健康保険

第8号議案「2026年度府中町国民健康保険特別会計予算」に反対の立場から討論いたします。

引き上げ幅は少ないが

2025年度に引き続き、国保税が上がります。

昨年と同じモデルケースでは次のようになっています。

ケース① 夫(70歳)、妻(69歳)の2人世帯
世帯の所得は43万円。国保税は7割軽減され、25年度の保険税は年間38,800円ですが26年度は39,300円で、引き上げ額は500円、引き上げ率は1.29%。このケースに該当する世帯の割合は約42.3%です。

ケース② 夫(42歳)、妻(40歳)の2人世帯
営業所得は150万円。25年度の保険税は年間274,200円ですが26年度は279,300円で、引き上げ額は5,100円、引き上げ率は1.86%。このケースに該当するのが約28.9%です。

ケース③ 夫(42歳)、妻(40歳)。子どもが10歳と8歳の4人世帯
自営業で営業所得が400万円。25年度の保険税は年間748,100円ですが26年度は759,700円で、引き上げ額は11,600円、引き上げ率は1.55%。このケースに該当するのが13.0%です。

資産割がなくなった2024年度と26年度を比べますと、所得割が11.92%から13.92%に、均等割額が49,400円から62,678円に、平等割額が32,938円から37,607円に上がっています。

国保の被保険者は65歳から後期高齢者医療制度に移行する前、74歳までの人が46%を占め、病気になりやすい高齢者が半数近くを占めているという構造的な問題があり、国保加入者の相互の支え合いだけでは支えられないというのが現状です。

子ども子育て支援金制度

そこに「子ども子育て支援金制度」なるものがやってきます。

こども家庭庁のホームページには次のように説明しています。

少子化は、我が国が直面する、最大の危機であり、若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが、こうした状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点となっています。

このため政府は、2023年12月にこども未来戦略「加速化プラン」を策定し、総額36兆円のこども・子育て支援の拡充を実施することを決めました。
この財源については、若者などの所得を減らすことがないよう、既存の予算を精査し、使い残し等の最大限の活用等を行うほか、医療・介護制度の改革等による国や地方自治体の費用負担の節約や子ども・子育て支援金制度により確保することとしています。

子ども子育て支援金制度により確保するというのですが、その財源は医療保険です。

こども家庭庁のホームページは続いて次のように言います。

子ども・子育て支援金は加入する医療保険制度(国民健康保険、後期高齢者医療、被用者保険)ごとに保険料が決められ、令和8年4月分から医療保険料とあわせて拠出いただきます。

令和8年度の支援金額(平均月額)は、被用者保険は被保険者一人当たり約550円、国民健康保険は一世帯当たり約300円、後期高齢者医療制度は被保険者一人当たり約200円と試算しています。

子ども・子育て支援金の原資は医療保険の保険料に上乗せによって確保するということです。

ご丁寧に「なお、徴収した支援金の使途はすべて法律で子育て支援関係に限定されているため、流用はありません」と書かれていましたが、子ども・子育て支援金制度そのものが医療保険の目的外使用、すなわち流用にほかなりません。

保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を、加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた、助け合いの制度だと説明されています。

医療保険の場合は、病気やけがのための相互扶助です。 こういう保険制度のあり方から外れているわけです。

また、保険ならば、支出が減ったときには保険料を引き下げるか給付を充実させるのが筋です。

本来、税金による所得の再分配として実施すべき施策の財源を保険に求めるのは全くの筋違いなのです。

負担増にならない?

子ども・子育て支援金制度が医療保険に組み込まれる26年度は、当町もそうですが保険税(料)の上げ幅が少ない。それには訳があります。
 
こども家庭庁のホームページには次のように書かれています。

支援金については、社会保障の歳出改革などによる社会保険負担軽減の範囲内で導入することが法定されています。

つまり、支援金が新たに付加されますが、その裏側で社会保障の歳出改革を行い、社会保険料の負担を軽減させるため、支援金による負担は相殺される仕組みになっています。
実際、令和5年度から令和8年度までの歳出改革等による社会保険負担軽減の効果を計算すると、0.6兆円程度となるため、令和8年度の支援金総額はその範囲内の0.6兆円としています。

医療費や介護費が高齢化等の影響で毎年増加(いわゆる自然増)していく中で、社会保険料には上昇圧力がかかりますが、少なくとも、子育て支援施策に係る支援金の負担は、社会保障の歳出改革等で相殺されます。このため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じません。

「子育て支援施策に係る支援金の負担は、社会保障の歳出改革等で相殺され」るなどというのも根拠のない話です。子育て支援に必要な金額にあわせて社会保障の支出が減るなどということはありえません。

子ども・子育て支援金制度が医療保険に組み込む初年度にあたって、反対の声が大きくなることを恐れて、子ども・子育て支援金として必要な額と「歳出改革」によって捻出する額のバランスをとって、負担が増えないかのように誤魔化したにすぎないのです。

医療は遠のき、際限のない負担増へ

また、社会保障の歳出改革というのは、 高額療養費やOTC類似薬(処方薬)などの患者負担増によって社会保険料を「軽減」することです。

社会保障の歳出改革を進めれば進めるほど、医療は遠くなっていきます。

国保としての支え合いも危機的な状況にあるのに、そこに目的外の「子育て支援」を突っ込んでくる。

このままゆけば、国保そのものの構造による保険税の引き上げと、子ども子育て支援金制度による引き上げによってこれまで以上の負担増になっていきます。

以上、述べた理由により、2026年度府中町国民健康保険特別会計予算に反対いたします。

なお、第17号議案「府中町国民健康保険税条例の一部改正について」も同様の理由で反対であることを申し添えます。

 補論 子育て支援のさいふを2つに

 

 

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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