なるほど! そうだったのか。町議会議員研修

 

町民に届く広報を

2月17日、広島県町議会議員研修会が広島市内でありました。

午前中は芳野政明さんによる「議会広報クリニック」です。県内9町のうち7町の議会報、一つひとつにコメントされました。

「ゆったりとした紙面に」「(住民向けには)予算の単位は千円は不要。四捨五入して万円に揃える」「中身が分かる見出しを」「見出しは10文字以内」など各町の紙面を見ながらの指摘に、なるほどと思うことが多かったです。

また、各町議会の作った広報のいい点を学び合えばさらによい紙面をつくることができます。

芳野さんは最後に「議会報発行の意義」について5点をあげました。

①議会の審議内容やしくみを知らせることによって議会と住民の架け橋にすること。

②議会は、町政を監視し、政策をつくり、議案を審議する機能がある。議事報告こそが議会報の柱であり、住民に対する情報公開。

③議事内容を知らせることで、住民は自治体に関する情報、判断材料を知る。決まったことがどのように実現されるのかという関心を高め、地方自治への参画意識を掘り起こし、まちづくりへの参加を促す。

④議会報の活性化は、議員の活動を励まし、議員活動にも反映する。住民もその変化に気づき、住民の議会への信頼関係、期待感が醸成される。

⑤行政と議会は「機関対立(競争)主義」をとる。決定「後」の執行段階の「行政広報」に対して、決定「前」の審議状況を報道する「議会広報」の双方が機能しあってこそ、地方自治が実現される。行政広報主導の偏った状態を放置すべきではない。議会提供の情報=議会報があってこそ、住民の知る権利、批判の自由が確保される。

いずれも重要な指摘であり、議会報づくりの指針とすべきものです。

安倍政権の支持率の高さはなぜ? 

午後は、NHK解説副委員長で日曜討論の司会を務める島田敏男さんが「揺れる世界と日本政治の明日(あした)」と題して講演しました。

NHKの世論調査を読み解きながら進められましたが、安倍政権の現状に対するキーワードは「相対的安定感」です。日米首脳会談後(2/11-12)の支持率は55%から58%に上昇。「アベノミクスがうまくいっているわけではない。可処分所得も増えていないし、景気はよくないということは日本じゅうで聞かれる」。なんだ、島田さんもアベノミクスはダメだって思っているんだと驚く。

「ではなぜ支持率は上がったのか?それは首脳外交による一定の成功ではないか」。プーチン会談もこれといった成果をあげたわけではないのだが、ハワイでのオバマ会談、真珠湾訪問などをし、《靖国》色は表に出さないなかで、《相対的な安定感》、よその国に比べて安定しているという評価、《空気》がある。いま、《空気》といったが、まさに空気の入った風船のようで、なにかあれば穴が開く可能性は大きい。例えば、《共謀罪》について乱暴な国会運営をするような場合だ」。

安倍政権をけっこうシビアにみている。

どうみる?日米首脳会談

「日米首脳会談について68%が評価すると世論調査に回答している。トランプがオバマと同じことを言っているだけで評価されている感がある。尖閣に対する日米安保適用も同様」。

日米経済関係について、「問題は先送りされただけ。今後、中身(トランプの対日要求)がはっきりしてくるなかで、国民から大きな批判を受けることがありうる」と島田さん。

そうでしょうね、きっと。

政党支持率をどうみるのか

「《支持政党なし》が自民党を抜いた。民進党は支持率を下げ、共産党は増やしている。共産党は党大会に初めて4野党を招いた。それまでの独自路線から連携、柔軟路線へと転換。先の参議院選挙で32の統一候補を立て11選挙区で勝利し、そういう変化への評価だと思う。一方、民進党の方は共産党との共闘が裏目に出ている」

共産党への評価はあたっていると思うが、民主党については果たしてそうだろうか。むしろ、野党共闘に舵を切りきれない民進党への歯がゆさが、支持率を落としている原因ではないかと私には思える。

政局はいつ動く?

「解散総選挙は秋だと言われていますが、来年になる可能性もある」と島田さん。

今年の2月になかったのは総裁任期が延びることが決まり、「あわててバタバタしなくてもいい」という判断がある。

次の衆議院選挙は自民党が議席を減らすことになる。

「《水増し当選組》が30人はいる」とある自民党幹部が言っているが、2回当選組のなかに実力がない人たちが相当いて、この人たちが落選する」。

ふむふむ。

「もう一つは、野党の連携を自民党は恐れている。野党共闘ができあがれば、与党の議席減は10や20では済まない。次の選挙で、野党共闘ができるかは今のところ不透明だが、《最後は一瞬でケリがつく》だろう。菅(官房長官)さんは勝つときの嗅覚が鋭く、二階(自民党幹事長)さんは負けるときの嗅覚が鋭く、現時点では二階さんの判断が支持を受けている」

やはり自民党は野党共闘を恐れているんですね。

安全保障と「防衛予算」

 


「安全保障法はわかりにくいと言われていますが、武力行使、後方支援、武器使用という三つの内容が含まれています。日本の安全と平和のためにはそのいずれも使うことができますが、他国のために《武力行使》はできず、それをすれば憲法違反になります。後方支援や武器使用も安保理の決議が必要で、国連嫌いのトランプ大統領が、上手く日本を巻き込むことができるのか。難しいオペレーション(作戦・任務)だと思います。乱暴にやれば、安倍政権の《相対的安定》は崩れる。要注意です」。

この問題でも、島田さんはけっこうシビアに「安保法=戦争法」の行方を見ていると思いました。

「トランプ政権になって、アメリカから《防衛装備》をもっと買えという圧力がくる可能性があります。しかし、国民は安全保障より社会保障を選び、社会保障を削って安全保障にお金を使うというのは、理解がえられないのではないか。冷戦の時代は張り子の寅のような国防が長く続いた。しかし、北朝鮮の脅威がある今、いざというときに備えることが必要。安倍さんの靖国(路線)には違和感を抱いているが、きちんとした備えがいると思う」

島田さんはそう講演を締めくくりました。

質疑では、「尖閣と竹島がなぜ日本の固有の領土なのか。その論拠が国民につたわっていないのではないか」という質問がだされ、簡単に経緯を説明したうえで、「尖閣と竹島が日本の固有の領土であることは共産党の志位さんも認めている。自民党も共産党も同じだ」と述べました。

島田さんの口から、共産党について評価する発言が1時間ほどのあいだに2度もあったのでちょっとビックリ。

テレビの画面とはちょっと違った島田さんの一面をみて、大変興味深かかったです。

※島田さんの発言はメモによるもので、文責は二見にあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください