「パワハラ」「不当要求」をごまかす7つの手口 その6 申し合わせ以前の言動を審査対象外にする

第6は、申し合わせ以前の17項目をパワハラ・不当要求から外すことです。

田中議員は「政治倫理条例の禁止事項にハラスメントを加える申し合わせ」が可決された「全員協議会(令和3年2月19日)以前は、『不当要求』『ハラスメント』は政倫審条例の適用外である」と主張します。

「この35件のうち31件が、3年前と4年前なんてすね、令和3年と令和2年。しかもその先はどの指摘でいうと、令和3年の2月以前の17件は、申し合わせ以前ですから、本来、審査の対象にはならない、条例の対象じゃないわけですよね。この35件のうち半分の17件は、対象じゃないし、残りのうちの、もうほとんどもう3年前のものなわけですよね」(会議録11頁)。

「今、35項目ほど、こうやってあげていただいたわけですけど、これは先ほど言ったようにこのうちの17項目は、申し合わせ以前だから、倫理委員会の対象じゃない」(会議録44頁)。 

田中議員は「罪刑法定主義」や「遡及処罰の禁止」といった刑法の考えを倫理審査に持ち込んで、17項目のハラスメント・不当要求を帳消しにしようとするわけです。

そもそも、倫理審査会は刑罰を与えるものではありません。倫理審査結果に基づく措置は「警告」「勧告」です。

処罰がないのに、「遡(さかのぼ)って処罰する」などと言って何の意味があるのでしょう。

また、刑法を持ち出したところでハラスメント・不当要求の事実は消せません。

「ハラスメントや不当要求に当たるものは一つもない」というのなら、なぜ「17項目は、申し合わせ以前だから、倫理委員会の対象じゃない」などと言う必要があるのでしょう。

この点について「倫理審査に刑法をなぜ持ち込むのか?」を書いていますので、参照していただけると幸いです。


ごまかす手口 その1  「改革派」を装う

ごまかす手口 その2  《暴言》はとりあえず否定する

ごまかす手口 その3 「きつい言葉づかい」をパワハラから切り離す

ごまかす手口 その4  パワハラ三要件を悪用

ごまかす手口 その5  町の相談窓口に「行ってない」からパワハラではない

出典について

1月17日提出「田中説明」(文書①と略記)
1月23日第2回審査会会議録(会議録と略記)
2月8日提出「田中説明」その2(文書②と略記)

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