「パワハラ」「不当要求」をごまかす7つの手口 その2  《暴言》はとりあえず否定する

ハラスメント、不当要求の事実は否定しがたい

「パワハラ」「不当要求」にあたるか否かの評価は分かれるものの、私たちが指摘している具体的な言動について、田中議員自身も次のように認めています。

 「言葉遣いできつい点があった」(文書①)、「激しいやりとりや言葉づかいはあるが……」(文書①)、「『怒って大声を出す』『あんたは異常じゃと何度も発言』などが列挙されていますが、実際には事務局長や多選議員との厳しいやりとりから出たものが大半です」(田中議員のFacebook投稿2023/12/25)、「ねちねちとやっているけどいわゆるハラスメントなのって改めて思いました」(2024/02/06、テレビ新広島インタビュー)、「確かに田中はネチネチと話していますが、パワハラ暴言には程遠い」(2024/2/9、田中議員のフェイスブック)

にもかかわらず、「ハラスメントや不当要求に当たるものは一つもない」と全面否定。

田中議員は、さまざまな手口を駆使して、自らの言行があたかも「パワハラ」「不当要求」に該当しないかのように言い募(つの)っています。

暴言はとりあえず否定

 田中議員は、「日本語の分かる議員がいない」「法律なんか少々破ってもいい」「あんたの頭脳構造を疑う」などの暴言について、次のように否定しました。

日本語の分かる議員がいない(令和2年10月5日)

・「こんな発言はしない」「仮にこんな発言をしたら田中の方が日本語が分かっていないバカである」(文書①3頁)

・「議会に日本語がわかる議員がいるとは思えん。日本語が分かる議員が議会におらん。僕がこんなこと言いますか。日本語がわかる議員がおらんかったらどうするんですか。英語でしゃべるんですか、何するんですか。こんなこと言う田中の方がよっぽど大馬鹿もんだと、日本語がわかってない、ということになるんじゃないでしょうかね」(会議録17頁)。

法律なんか少々破ってもいい(令和2年10月13日)

・「脱法行為を堂々と主張するはずがない」(文書①4頁)

・「法律なんか少々破ってもええなどと主張、これ僕が法律なんか少々を破ってもええなどと主張してたと。こんなことを言うわけないと思いますね」(会議録20頁)。

あんたの頭脳構造を疑う(令和4年1月5日)

・「『頭脳構造うんぬん』は、かたくなな意見のぶつかりあいで『侮辱か』『そっちこそ』などの応酬の中の発言と思われる。人格否定ではなく、思考回路、考え方の道筋の指摘だった」(文書①9頁)。

・「あんたの頭脳構造を疑うと。こういう言い方は。頭脳構造いうのは、ちょっと私もわからんのですけども、考え方の問題とかですね、思考回路の方法だとかね、そういうもので今の規定の論理的なやりとりの中で、そういう思考方法が疑われるよとかそういう意味のことは多分言ったんだろうと思いますね。人格否定をするため、あんたの頭は狂っとんじゃないん、そういう意味では、決して言っとることはないと思いますね。私は割と理屈屋ですから、理屈で結構いろいろ、それでかみさんに嫌われるんじゃけども、理屈でのやりとりで、思考過程のこととか何とか、そういうのは、やりとりしたんだろうと思います」(会議録41頁)。

録音が再生されると一転して認める

このように暴言を否定したわけですけれども、「頭脳構造を疑う」については、第2回審査会で録音を再生したところ、一転して発言があったことを認めました。以下は、そのときの田中議員と私のやりとりです。

○二見委員 今、録音、皆さん、私も聞きましたけれども、あんたの頭脳構造を疑うということは明白に言われたと、確認しています。そして、先ほどの田中議員の、この資料に基づく説明では、そんなことは言っていないと。思考過程と、確かに資料でも思考回路と。人格否定ではなく、思考回路とその考え方の道筋の指摘だったとお書きになってるわけですけども、今ね、あんたの頭脳構造を疑うということは、録音で確認しましたけども、この先ほど、そのようなことは言っていないということは撤回されますか。

○力山委員長 はい。田中議員。

○田中議員 はい。表現としてはその通りです。ただ、今の表現でいうと、これを規定とするんなら、あなたの頭脳構造を疑うというような言い方でしたよね。だから論理的に。

○二見委員 言ったか言わないかを端的に答えてください。

○田中議員 切り取って言えばそういうことです。  

(会議録129頁)

結局、「言った」と認めたわけです。

また、「事務局員失格じゃ」についても次のように認めています。

「議員質問への介入に対して注意した」(資料①7頁)
「事務局員失格じゃというのは、言い方はちょっとあれですけども、議会人として、議会の事務局員としてあるいは議員としてですね、執行部を問いたたずようなときに、それにブレーキかけるようなね、そういうことをするのはそれは事務局、議会人失格であり事務局員失格ですと、もちろん議員資格にもなるわけですけど。そういうことはちゃんと注意したと思うわけであります」(会議録35頁)。

よほど悔しかったのでしょう。

田中議員が提出した「説明②」で「二見議員は隠し録り音声をテレビ局に流し、……人権を軽視した非礼行為は議会の品位にもとる」と不満をぶちまけています。
 

「隠し撮り音声」などと言って問題があるかのように主張していますが、パワハラへの対抗手段として録音は広く認められていることで、何も問題はありません。

人に聞かれて困るようなことを発言する方がよほど問題でしょう。


ごまかす手口 その1  「改革派」を装う

ごまかす手口 その3  「きつい言葉づかい」をパワハラから切り離す

出典について

1月17日提出「田中説明」(文書①と略記)
1月23日第2回審査会会議録(会議録と略記)
2月8日提出「田中説明」その2(文書②と略記)

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