「パワハラ」「不当要求」をごまかす7つの手口 その1「改革派」を装う

 

田中議員は、自らを「モノ言う新人議員」、「改革派議員」であるかのように装うことで自らのハラスメントや不当要求をごまかそうとしています。

田中議員はご自身でホームページなどに「改革を嫌がる議員と事務局V.Sモノ言う新人田中の構図」「町長選を前にした田中つぶし」と見る向きもあって、『田中は嫌がらせを受けるほど大物なのか』とも言われます」「田中は新人ながら改革提言を次々出し、これを止めようとする多数派や事務局長らの横暴な議事運営・発言封じに抗議しています」などとお書きになっています。

では、田中議員のいう「改革」とは、どういうものなのでしょうか。彼がこれまで提案した「改革案」の特徴について簡単に紹介します。

怪しい提案理由 所信表明会

まず、正副議長選挙の所信表明会の開催についてですが、田中議員は、調査申出書に次のように書いています。

「今回はAさんを選ぶから2年後はBさんに」といったポストの取り引き、多数派工作が横行している。住民代表である議長選びが住民には『不透明な談合』『ブラックボックス』とも映っている」(審査会資料3、35頁)。

私は議会運営委員会で、この点についてつぎのように問い質しました。

「田中委員は申出書において、『ポストの取り引き、多数派工作が横行』『不透明な談合』『ブラックボックス』と、正副議長選挙においてあたかも不正があったかのように述べている。これの根拠はどこにあるのか」

田中議員はなんと答えたでしょうか。

「二見議員が、最初に自分が書いた理由について、あたかも不正が行われているかのような表現であり問題だと言われたが、重ねて言うが、不正とは全く書いていない。マイナスイメージの言葉は多いが、不正とは書いていない」

不正があるかのように臭わせておいて、問い質されると否定する。さらに私が「読む者にそういう印象を与える文章ではないか」と言うと、田中議員は「どういう印象です?不正って印象を与える?ちょっとそんな意地悪な読み方をしないでほしい」と述べ、自らの提案理由に根拠がないことを認めたわけです。

13万円のパソコンがフルスペック?

つぎに議会のインターネット中継についてです。

現在、府中町議会の本会議はネット中継されていますが、その導入にあたる論議で、事務局の提案するシステムがフルスペック――田中議員は高性能という意味で使っているようですが――そこまでの性能はいらないと次のように発言しました。

「今の事務局長の説明だと、かなり冗長な、あるいはフルスペックに近い発注のように思われるんですが、せめて、まあここまではいらんよ」

「僕もちょっと専門家にいくつかこれ図面見てもらって、ズバリ言えば各市の議会の中継を知っているSE(システムエンジニア)の詳しい方にも見てもらったが、悪く言えば業者の言いなりでぼられるよと。注意しないといけないよと」

事務局の提案したパソコンは13万2千円です。とてもフルスペック(ハイスペック)と呼べるようなものではありません。ごく普通のパソコンです。

私は田中議員に「先ほどからフルスペックと言われるが、どの程度のパソコンなら妥当とお考えですか」と尋ねました。すると次のような答えが返ってきたのです。

「二見さんからパソコンの値段のこと聞かれましたが、僕は分かりません。何十万がどの性能なのか分かりません」

どういう性能を備えたものがネット中継に必要なのかも分からずに「フルスペックはいらない」と熱弁を振るう。その無責任さに呆れてしまいました。

スペースがないのに不親切?

 3つめですが、田中議員の提出した申出書に「別室傍聴など不親切対応の是正」があります。「委員会を住民が傍聴する際、入室を拒否し、別室でスピーカー傍聴させている慣行を改めるための調査研究」だといいます。委員会室に住民が入ることを府中町議会が「拒否」し、不親切だと言いたいようです。

たしかに地方自治法115条に「普通地方公共団体の議会の会議は、これを公開する」とあり、会議は公開することが原則です。ただし、ここでいう会議とは本会議のことを指します。そのため、無条件で常任委員会を傍聴できる議会は全国で53.2%しかありません(早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2015」)。

田中議員は「『別室傍聴』は他市町議会ではほとんどみられない異例の措置」と申出書に書いていますが、半分を「ほとんどみられない」とするのはあまりにも大げさな表現だといえるでしょう。

地方自治法上、公開の対象は本会議となっていますので、府中町議会の委員会室は傍聴者が入るスペースがありません。議員と職員で満杯になり、物理的に入れない。広ければ入っていただいてもいいのですが、入れないから別室での傍聴をお願いしているわけです。

このことを田中議員は知らないはずはないと思うのですが、「不親切」「入室を拒否」などといって、町議会が悪意を持って町民のみなさんを排除しているかのような書き方をするわけです。

事実は詭弁に勝る

このぐらいにしておきますが、田中議員が「新人ながら次々出した改革提言」とは、この程度のことなんです。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言いますが、田中議員の「改革の正体見たり枯れ尾花」といったところでしょうか。

田中議員は、自らを改革派であるかのように演出し、自らがやったパワハラや不当要求を、それとは違ったものに見えるように粉飾しています。パワハラ・不当要求を「ない」ように見せかけているのです。

 「事実は雄弁に勝る」と言います。

「詭弁」ならなおさらです。

どのような手口を使い、御託を並べてもパワハラ・不当要求の事実は消すことも薄めることもできません。

田中議員は小細工を止め、潔く自らの非を認めるべきです。


「ごまかす手口 その2  《暴言》はとりあえず否定する」へ続く

出典について
1月17日提出「田中説明」(文書①と略記)
1月23日第2回審査会会議録(会議録と略記)
2月8日提出「田中説明」その2(文書②と略記)

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