GIGAスクール構想と府中町の児童生徒の学習保障 2020年6月議会 一般質問
2.1人1台端末を急ぐ必要があるのか
■タブレット一気買いに走る文科省
コロナによる休校措置を機に、文科省はタブレット端末の一斉導入へ前のめりになりました。5月11日に「学校の情報環境整備に関する説明会」が全国の教育委員会開催され、GIGAスクール構想の事実上の責任者である高谷浩樹・文科省初等中等教育局情報教育・外国語教育課長が次のように発言しています。
「今は前代未聞の非常時です。緊急時です。これまで多分、もちろん、忌まわしい東日本大震災とか色々ございましたが、日本全体で、これだけ、いつ何が起こるかわからない、まさにあれに匹敵するような、そして、西日本の方にとってはむしろ前代未聞なのかもしれません。非常時緊急時。なのに、危機感がない方、危機感のない自治体が多いです」
「世の中が、ところが、変わりました。ギガスクール構想、それから新型コロナウイルスへの感染症対策で世の中変わりました。ICTを使おうとしない自治体さんにこれからは説明責任が生じてきます。全国の地元の自治体のお子さん方に、なぜ使わないのかと言う説明責任が生じるんだと言うことをですね、ぜひご理解をいただいて進めていただくという必要があります」
「ICT環境、なんでこんなコロナの時にこんなにやらなかったのって。 ハッキリ言って、今の一般社会から見たら、教育のICT環境って物凄い遅れてます。皆さんもぜひおかしいんだ、今が間違ってんだ、と言うことをご理解頂いて、対応して下さい。やろうとしないということが一番子供に対して罪だと、私は思います」
この説明会はYoutubeにアップされており、私も観ましたが、「危機感のない自治体が多い」と決めつけ、「この非常時にさえICTを使わないのはなぜ?」と脅し、購入を煽る、ちょっと観ていて異常な感じがしました。
広島県の平川教育長も「できない理由を並び立てず『できるとしたら』と質問を変える」と前のめりになっています。
端末整備についての予算措置は「次年度以降は想定していない」と文科省は質問に答えています。タブレット購入費用の3分の2の補助は今年度買わなければ、もうない。となれば今年度、とにかく買っておこうということにならざるをえない。市町村負担の3分の1は、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を使っていいということにもなった。
財政措置という点からも今年度の購入を迫られた。そして府中町も今回の補正予算で、一般財源から1億1285万円を支出して購入を決めたわけです。
■タブレット端末は「学びの保障」となるか
文科省は「今買え、それ買え」と煽っているわけですが、タブレット端末を小学校1年生から中学校3年生まで全員分を一度に揃えることが本当に必要なのか、浮き足立たず冷静に考えることが必要ではないでしょうか。
今まで説明しましたように、タブレット端末を小中学生全員分を一気に買うという措置は「コロナ対策」「休校措置」対策として進められており、文科省の作った資料には次のように書かれています。
「1人1台端末」の早期実現や、家庭でも繋がる通信環境の整備など、「GIGAスクール構想」におけるハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速することで、災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時においても、ICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現。
しかし、本当に「1人1台端末」「ICTの活用」によって子供たちの学びが保障できるのでしょうか。
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