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2024-05-20

新日本婦人の会 安芸府中支部アンケートへの回答

(1)府中町は、広島県内86市町村が23市町になった「平成の合併」時に広島市との合併は行われず府中町の自治を守ったすばらしい町と認識しております。これまでも町の歴史を大切に踏まえながらの町政が行われてきたと思われます。町政の歴史のよき点と今後の町づくりについてのお考えを聞かせてください。

 府中町は、「自分たちのことは自分たちで決める」という地方自治の理念を現実のものとして町の発展を築いてきました。今後のまちづくりにおいて最も継承すべき点であると考えます。

(2)現在の町政の3つのテーマである「広島都市圈で一番子育てしやすいまち」「志を育む教育のまち」「バランスの取れた行政施策」についてそれぞれの到達状況と課題についてお聞かせください。

①「広島都市圈で一番子育てしやすいまち」

 「就学援助」「子どもの医療費」などいくつかの指標において県内自治体から遅れており、せめて他市町並みにすることが求められています。
 それとともに、ネウボラなど「子育てしやすいまち」にするために努力していることは評価したい。
 私は「教育と子育てを応援するまち」を政策の柱に掲げていますが、順位を他市町と競うつもりはありません。

②「志を育む教育のまち」

教育行政は、「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」(旧教育基本法第10条)というのが私の基本的立場です。子どもたちが元気に学校に行き、学ぶために「必要な諸条件」をできる限りよくしていきたい。

③「バランスの取れた行政施策」

バランスの取れた行政施策として2021年度主要事業に掲げられているのは、創業・ベンチャー支援等促進事業/都市計画調査事業/下岡田官衙遺跡保存・整備事業/高齢者いきいき活動ポイント事業の4つであり、2022年度は、重層的支援体制準備事業と下岡田官衙遺跡保存・整備事業です。

これをみても分かるとおり、これらの事業によって何と何のバランスを取るのかが明らかでなく、論評できかねます。

(3)府中町は、1984年「日本非核宣言(核兵器廃絶や非核三原則の遵守等を求める内容自治体宣言や議会決議)自治体協議会」の設立より早い、1982年3月25日に非核町宣言を行いました。戦争の惨状や平和の尊さを伝える事業の実施、1985年8月6日に被爆40周年事業で「原爆の碑」が建立されました。住民として誇りの思います。長い年月をかけ、2021年1月に「核兵器禁止条約」が発効されました。しかし、日本は署名していません。非核宣言町の首長としてのお考えをお聞かせください。

批准は当然すべきだと考えます。なお、2018年3月に府中町議会は政府に対し、核兵器禁止条約に調印し、批准するよう求める意見書を全会一致で採択しています。

(4)行政施策の各分野において私どもが望む事項について、○(できる)×(できない)△(わからない)表記してください。

1.子育て

1-1 子どもの医療費助成制度について
 1-1-1 所得制限の撤廃と自己負担額を無料にしてください
 1-1-2 対象年齢と範囲を拡大してください

まず所得制限をなくし、つぎに対象年齢を18歳まで引き上げ、さらに次の段階で窓口負担をなくします。

1-2 学校給食について

1-2-1 教育の一環である小中学校の給食費用を無料にしてください。

 府中町は児童生徒数が多く、給食の食材費は2024年度で約3億円です。一般会計予算が170~180億円程度の府中町の財政では、とても全額を負担することはできません。
 現時点で考えているのは食材費の一部助成です。

1-2-2 安心安全な給食を提供してください。食材は国産(できれば有機)「給食パンは国産小麦使用」をしてください

一般質問でこの問題を取り上げたときの教育委員会の答弁を紹介します。少ない食材費で苦労されていることが分かります。給食食材の充実や保護者の負担軽減(無償化を含む)には、町だけの努力では限度があり、国や県の財政支援が必要です。

2024年度から東京都内の区市町村が無償化・軽減した場合、その2分の1を都が補助するようになり、無償化が進んでいます。

学校教育課長 地産地消の対応として、食材の調達は、広島県産、中国地方産、国産の順に価格とのバランスを考えながら調達しております。
 輸入食品については、えびやサバなど国産の流通が少ない食材や国産の価格が輸入食品に比べてとても高い食材は輸入食品を選定しております。
 野菜については、生鮮野菜を主に調達し冷凍食品を極力使わないようにしております。しかしながら、給食は彩りも大切なため、収穫時期によって、調達できない場合に使用したり、調理の扱い易さからコーンやえだまめなどを使用したりしております。
 ただし、使用する際は、可能な限り国産の物を調達しております。
 また、学校により異なりますが、ハム、ベーコン、ちくわなども冷凍加工食品を使用しております。

 

1-3 乳幼児からの発達保障の支援について

1-3-1 子どもの成長・発達のための子育て支援のしくみづくりをさらに強化してください

 努力します。もう少し具体的な要望をお聞かせ願えればと思います。

1-3-2 ゼロ歳から専門家(医療・療育・保育・福祉)とつながる場を増やしてください
 1-3-1と同じです。

2.教育

2-1 学校教育について

2-1-1 小・中学校の不登校支援を強化してください

 強化したいと考えますが、現時点での不登校支援で不十分な点、もっとこういうことをしてほしいという要望をお聞かせいただければと思います。

2-1-2 「GIGAスクール構想」による「1人1台端末」配布と「利活用」が子どもたちへの主体性を育むものにしてください。

 私は「GIGAスクール構想」そのものについて懐疑的で、端末操作や利活用によって主体性を育むことは不可能だと考えています。
ICT教育は子どもの発達段階に即したものでなければならず、それ以前に言語(対話)能力をきちんと積んでおくことが不可欠です。
 早期からのICT教育ではなく、協力しあうこと、そのための言語能力を培うことが最も大切だと考えます。

2-1-3 放課後児童クラブの費用負担を増やさないでください

 広島市は、一人1カ月5千円、年間6万円の利用料を今年4月から取るようになりました。府中町はこれまで通り無料を続けます。

2-1-4 放課後児童クラブの利用希望者は全員利用させてください

 希望者全員を受け入れられるよう施設の増設や指導員の確保に努めたいと思います。

3.介護

3-1 介護保険制度について

3-1-1 介護保険制度の改定に伴う介護保険料の引き上げはしないでください。

介護保険の財源は、税金から50%、介護保険料から50%でまかなわれています。介護保険料の金額は、介護が必要な高齢者が多いか少ないか、住民がどれくらい多くの介護サービスを利用しているかなどの要因で変動し、町は、国が示した基準を参考に見込まれる介護費用から保険料の額を決定します。

介護保険制度には、国保と違い、一般会計予算から繰り入れて、保険料を抑えるしくみがありません。健康づくりや健診による早期発見によって介護保険の利用を減らすことが保険料の値上げを避ける唯一の道で、この方向で努力したいと考えます。
 
3-1-2 総合事業の自治体への移行が拡大されるなか、サービス利用対象者を置き去りにしない施策をお願いします

 置き去りにしないために何が必要なのかを考え、実施します。

3-1-3 「自宅で介護を受けたい」願いを支える、「看護小規模多機能型居宅介護サービス」の施設を作ってください

町としてすでに整備する方針です。2023年に設置運営事業者を公募しましたが応募がありませんでした。今年度も引き続き公募しています。

 

4.福祉

4-1 「生理の貧困」で生理用品の配布から4年目を迎えますが、「みんなの生理」に切り替え、小中学校のトイレに設置をお願いします

 まず中学校を先行して設置します。

4-2 補聴器の購入には多額の費用がかかります。助成制度の検討をお願いします。

 助成制度をつくります。

5.災害対策他

5-1 災害時や救急搬送時等、対応の遅れを解消するためにも密集市街地の整備を急いでください。

狭い道を減らし、ポケットパークを整備して、火事が燃え広がらないようにします。

5-2 自転車の利用時のヘルメット着用を推進するために、他の市町のサービス同様、購入の助成をしてください

昨年4月からすべての自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用の努力義務が課されました。1年以上が経ち、すでに購入されている人たちとの公平性をどう保つのかが問題で、現時点で助成するかどうかの判断がつきかねます。

 

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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