大地震に備え、防災井戸の整備を ―― ふたみ伸吾 重点政策
「災害に強いまち」にするためにやらなければならないことはさまざまありますが、わたしは防災井戸を増やすことを提案したい。
8月8日、宮崎県沖で震度6弱の地震が起き、「南海トラフ地震臨時情報」が出されました。前回の南海トラフ大地震が起きてから80年近い月日が経っていますので、次の大地震が近づいていると言われています。
今年(2024年)の元日には能登半島地震が起きました。水道の設備が壊され、長いあいだ水が出ない。
これまであった震度7クラスの地震の場合、3か月から半年ものあいだ断水が続いています。
ですから大地震が来て、水道が長いあいだ使えなくなったときの手立てを考えなければなりません。
能登半島地震でも活躍し、いま注目されているのは井戸です。
災害があったときにご家庭や事業所の井戸水を、近所の方々に生活用水として提供していただく井戸のことを「防災井戸」と呼んでいますが、これを増やそうという取り組みが全国で始まっています。
府中町も、この「防災井戸」の登録を進めていますが、現在17カ所しかありません。
府中町には井戸が少なく、あらたに掘らないと5万2千人が必要とする生活用水を賄うことできません。
では、どうしたらいいのか。
まず、町が地下の地質調査をし、井戸を掘るのに適している地域を見つけます。
その地域に公園や公共施設があれば、そこに井戸を掘る。
しかし、それだけでは足りないでしょうから、井戸を掘るのに適した地域にお住まいのみなさんに呼びかけ、井戸を掘ってもらい、工事費用や維持管理にかかる費用の一部を町が助成するようにします。
そうやって、防災井戸を増やしていく取り組みが必要です。
実際にやっている自治体の例を紹介しますと、呉市や神奈川県藤沢市は、井戸や井戸ポンプの修理、手押し式ポンプの設置などに対して経費の2分の1以内(上限50,000円)を補助しています。
東京都武蔵野市は井戸の維持管理のために1件あたり毎年9,000円の補助を出しています。
大地震への備えにはさまざまなものがありますが、生活に必要な水を確保することは能登半島地震の教訓のひとつではないでしょうか。
大地震が来る前に、防災井戸を増やしいくことは、災害に強いまちにする大切な課題だと考えます。
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