町長の決断を評価 2026年度府中町一般会計予算に賛成
もくじ

第6号議案「2026年度府中町一般会計予算」について賛成の立場から討論します。
2026年度一般会計予算は、対前年度比27億円、率にして12.0%増で250億円です。2025年度は、204億円から20億円増の224億円でした。25年度も過去最高だったわけですが、さらにそれを上回る過去最高となりました。24年度との比較では204億円から250億円と46億円22.5%という驚異的な伸びをしめしています。
1.歳入
歳入ですが、国の地方財政計画によって、これまで以上の財政措置があります。地方交付金が5億6千万円の増、国庫支出金が5億2千万円の増、県を経由してやってくる県支出金が5億6千万円。地方消費税交付金が2億円です。
これに町税5億円増と財政調整基金からの繰入れ2億1千万円を加えて、だいたい27億円になるわけです。
2.歳出
つぎに歳出ですが、評価する事業として6点指摘します。
府中町にゆかりのある人と平和
まず第1に、平和行政推進事業です。昨年の被爆80年事業を引き継いで、26年度は平和関連映画の上映するとのことです。
答弁では、楮山ヒロ子さんの映画ということでしたので、NHKアナウンサーの出山知樹(でやまともき)さんが自主制作された映画「ヒロ子の日記」だと思うのですが、ぜひ成功させてほしいと思います。
また、府中町にゆかりのある方で、今後紹介してほしい人が2人います。1人は桃山にお住まいだった神田三亀男さんで、『原爆に夫を奪われて 広島の農婦たちの証言』(岩波新書)という著書があります。川内村(安佐南区)から建物疎開に動員された男たちが帰らぬ人となり、残された女性たちの困苦にみちた生活史が綴られています。
もう1人は、下岡田官衙遺跡の第1回目の発掘調査に携わった小倉豊文さんです。亡くなった妻に宛てた手紙のかたちをとった『絶後の記録 広島原子爆弾の手記』(中公文庫、平和文庫)は十数もの言語に訳され、世界初の原爆のルポルタージュと言われています。
「わが町府中町」と平和を結びつけてゆき、町民とりわけ児童生徒が戦争と平和について考えるきっかけとなる取り組みを継続してほしいと思います。
公共施設へのフリーwifi設置
第2に、役場ロビーをはじめ、町内の公共施設6カ所*1)にフリーWi-Fiを設置することです。
2023年12月議会で役場庁舎について一般質問したさい、「誰もが利用しやすい庁舎にするためには、①トイレなどのバリアフリー化・ユニバーサルデザインの採用、②プライバシーが守られる窓口、③無料公衆無線LAN(Wi-fi)が必要だと提言しましたが、そのうちの一つが実現してよかったと思います。
*1)役場ロビー、府中公民館、府中南公民館、福寿館、くすのきプラザ、南交流センター。
治療に伴う交通費負担軽減
第3に、治療に伴う交通費の負担軽減です。
昨年3月議会で狩野(雄二)議員が一般質問で取り上げた人工透析者へのタクシー助成ですが、1枚570円×48枚から倍の96枚になりました。
同じく昨年3月議会で金澤(映理子)議員が一般質問で取り上げた、小児慢性特定疾病の治療に必要な県外通院の交通費助成も新たに決まりました。
いずれも治療に伴う交通費の負担を軽減する措置として、大いに評価したいと思います。
付け加えておきたいのは、広島県には子ども専門病院がないということです。20政令市のある15道府県のうち、子ども専門病院がないのは京都、新潟、岡山、熊本と広島のわずか5県*2)。
県内に子ども専門病院があれば、県外への通院する人は少なくて済みます。
1990年代に医療関係者と保護者が子ども専門病院の建設を求めて運動したけれども、広島県も広島市も動きませんでした。
これから少子化がさらに進んでいくので県も広島市もおそらく子ども専門病院をつくるつもりはないでしょう。
今年2月、「広島県からの転出者が転入者を上回る転出超過が5年連続で全国最多となった」と報じられました。このことには様々な原因があると思いますが、このあと述べます、子どもの医療費助成など、安心して子育てできる環境が他県よりも劣っていることも要因の一つと考えます。
*2)北海道立子ども総合医療・療育センター、宮城県立こども病院、埼玉県立小児医療センター、千葉県こども病院、国立成育医療研究センター(東京)、東京都立小児総合医療センター、神奈川県立こども医療センター、静岡県立こども病院、あいち小児保健医療総合センター、大阪母子医療センター、大阪市立総合医療センター・小児医療センター、兵庫県立こども病院、福岡市立病院機構 福岡市立こども病院
子どもの医療費助成
第4に子どもの医療費助成の前進です。
昨年の一般会計予算についての討論で、「所得制限が4月から撤廃され、24年1月から通院の助成が《中学校卒業まで》に広がったことを評価しつつ、「18歳までの医療費助成を速やかに進めていただきたい」と要望しましたが、26年度から実現することになりました。
次の課題は、窓口の負担金をなくし、完全無償化にすることです。広島県は23市町中、神石高原町を除く22市町で窓口負担があります。
しかしお隣の岡山県は27市町村で窓口負担があるのは岡山市だけのです。こういう違いがなぜ生まれるのかというと、岡山県は市町村の補助の半分を県が負担しているからなのです。
この間、府中町を含め県内市町は子どもの医療費助成の充実に力を入れてきたと思います。この努力に広島県が応え、岡山県と同じ助成をすべきだと思います。
消防庁舎 仮眠室の個室化
第5に消防庁舎仮眠室の個室化です。
昨年の12月議会で消防庁舎の建替えを提案するさい、新庁舎建設待ちにせず仮眠室の個室化を早期に実施すべきだと主張しました。26年度で設計予算がつき、27年度に完了予定とのことです。
すでに検討が進んでいたのかもしれませんが、早期に実現の運びとなり、大変嬉しく思います。
小中学校施設改修
第6に、小中学校の施設改修です。
・エレベーター改修工事… 府中北小学校 エレベーター及びスロープ設置 府中緑ヶ中学校
・運動場トイレ改修… 府中小学校、府中中央小学校、府中中学校・府中緑ヶ丘。
・全ての小中学校の教室に仕切りを設置すること
・全ての小中学校学校の特別教室への空調設置工事(設計)
いずれも必要な改修と考えますが、とりわけ特別教室への空調設置は要望が多く、そして強いものでした。議会でもこれまで様々な議員が取り上げてきましたが、実現することになってよかったと思います。
放課後児童クラブの有料化と民間委託
つぎに問題があると思われる事業として1点指摘したい。
それは放課後児童クラブの有料化と民間委託であります。
私は、昨年の12月議会で提案された「府中町放課後児童クラブ条例の制定」について、①放課後児童クラブを利用する保護者の負担を増やすこと、②有料化によって保護者の願いは実現しないこと、③ひとたび有料化すれば、保護者の負担が際限なく増えていく道を開くこと、などを挙げて反対しました。
残念ながら賛成多数で可決され、6月から月3,000円(8月4,000円)の徴収が始まり、保護者は年間3万6,000円の負担増となります。「受益者負担の公平性」という名の下に負担増が進められていくことに大きな危惧を覚えるものです。
民間委託についてですが、これまでずっと町営でやってきたわけです。その一角が崩れることになりました。答弁によるとこの事業に手を上げたのは町内の保育園1園で、預かる児童は25人ということでした。
私は民間、とりわけ今回応募があったように社会福祉法人であれば、それほど大きな問題はないと考えております。現在の、町直営の放課後児童クラブをそのまま維持した上で補足的に社会福祉法人に委ねるというのならば、それもよしとしたい。
しかし、いま全国で起きているのは、すべて民間企業に委ねてしまうという民営化、丸投げです。
ネットで検索すると次々記事が出てきます。
群馬県高崎市、岡山県矢掛町、岡山県総社市、京都府久御山町(くみやまちょう)、広島県三次市、兵庫県加古川市、佐賀県佐賀市……。
これぐらいにしておきますが、全国各地で放課後児童クラブは民営化されています。
その主流は丸ごと民間企業に委託するやり方です。そういうなかで、職員が大量に辞めるような事態も起きています。労働条件の切り下げが起きているからです。今でさえ、指導員の処遇は良くないのにさらに下げる。人員体制が整わないので子どもを預かることが不安。これはもうやってられないと辞めていくわけです。
日経新聞に出ていた記事ですが、カラオケで有名なシダックスという企業が学童保育(放課後児童クラブ)に進出している。お隣の海田町などもシダックスへの委託です。
記事にはこうあります。
「なぜ学童保育なのか。取り組む背景にはカラオケ事業の苦戦がある。……成長を見込める分野への事業シフトは急務だった」。
学童保育――放課後児童クラブに参入するのは、これまで主要な事業だったカラオケが儲からない。学童保育ならば成長が見込める――儲かりそうだから、というのです。
ここにあるのは企業の論理であって、「すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる」という児童憲章の考え方、「子どもの最善の利益をめざす」という子どもの権利条約の考え方はみじんもありません。
府中町は民営化先進自治体で、これまで、ゴミの収集と学校給食は民間企業に委託し、町内にただ1つの町立保育園は廃止してしまいました。
そういう歴史を持つ府中町ですから、放課後児童クラブがいずれ丸ごと民間企業に委託されるのではないかと危惧しています。
「現在の町立の放課後児童クラブは民間委託することはない。足りない部分を民間で補う」という答弁でした。今後、長きにわたってこの答弁を守っていただきたいと思います。
物価高騰対策臨時交付金 補助事業
最後に、2025年度まであった、物価高騰対策臨時交付金を財源とする補助事業――高齢者福祉施設と障害者福祉施設に対する支援金、保育園、小学校、中学校の給食費への補助――が26年度は廃止になりました。
私は予算特別委員会の質疑で、この補助事業の継続を求めましたが、それに対して町長は「2025年度決算の状況を見ながら、6月議会の補正予算で激変緩和できるような措置、何らかの対応を考えたい」と答弁されました。その決断を大いに評価します。
保育園などの給食費の補助ですが、乳児の場合は、給食費は公定価格に含まれているので、保護者から徴収することができないという事情があります。食材費の物価高騰分を保育園が負担せざるをえなくなり、経営を圧迫することになります。
本来は政府・厚労省が公定価格を引き上げて対処することが必要ですが、さしあたり乳児に対する町からの補助で手当することが必要だと考えます。特段の配慮をお願いします。
以上、問題点や要望も含め、予算についての意見を述べ、賛成討論といたします。












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