喉元過ぎれば…広島県の砂防予算

グラフをご覧下さい。広島県の砂防予算の推移です。

基本的に右肩下がりの傾向です。

1999年6月29日、広島市佐伯区や呉市などで豪雨土砂災害が起き、土石流等災害が139箇所,がけ崩れ災害が186箇所。死者31名,行方不明者1名,家屋全壊154戸という被害がありました。

翌2000年度と2001年度は砂防予算が増え、2001年度が180億円です。

しかし、2002年度から再び下がりはじめ、広島市豪雨土砂災害のあった2014年度には2001年の3分の1である59億円まで落ち込みました。

2015年度から増えましたが、2017年度が105億円。今年度は97億円とまた下がったのです。

災害が起きると数年は予算が増えるが、喉元過ぎれば予算を削る。これが広島県政の姿です。

県内の土砂災害危険か所(砂防、急傾斜、地すべりの合計)は全国最多の31987で、その内対策が必要なのは11372か所。

その7割が未整備です。昨年は14カ所しか整備できず、1年の進捗率は0.1%です。

5月11日の広島県議会・社会基盤整備対策特別委員会で、日本共産党の辻つねお議員が「このペースだと整備完了に何年かかるか」と問うと、「約200年」と山本砂防課長は答弁しました。

辻県議は、2014年8月20日の豪雨土砂災害の前日にも「土砂災害危険個所」の整備を求め、同じ質問をしていましたが、そのときは333年という答え。

200年、300年といった気の遠くなるような整備予算では、人命がどれほど失われることになるでしょう。

予算削減は藤田県政時代からですが、2009年に知事に就任した湯崎知事はそれを継承しました。

湯崎知事の罪は重い。

砂防予算の抜本的な引き上げを求めます。

 

喉元過ぎれば…広島県の砂防予算” に対して4件のコメントがあります。

  1. 佐藤一乗 より:

    8・20以前の山口県と広島県の対策予算の違いは気に成っていました。一方で特別警戒区域の指定に因る地価の下落を嫌う住民の反対で進まぬ一面も在ったと聞きます。その後の住民の防災意識の向上は余りないと思います。自助に拠る責任転嫁の一面も存在すると思います。お手数をおかけしますが具体的数字をお送り願えればと思います

  2. ふたみ 伸吾 より:

    佐藤一乗さま

    コメントありがとうございます。

    メールでエクセルデータをお送りしました。ご検討下さい。

  3. 佐藤一乗 より:

    すみません。山口県の資料が調べられますか?今回の広島県の犠牲者の多さが納得できない。こう高知県の降雨量と比較して疑問もあるし
    宜しくお願いします

  4. ふたみ 伸吾 より:

    佐藤さま。少し時間をください。調べてみます。

    高知県の被害が少なかったことについては次のような情報があります。

    https://dot.asahi.com/dot/2018071300080.html?page=1

    高知県は過去の豪雨災害の教訓から、長い時間をかけて治水工事を進めてきた。その結果、高知市は一部の地域を除いて1時間あたり77ミリの豪雨に襲われても対応できる排水能力がある。ちなみに、東京都の排水能力は1時間あたり50ミリ、岡山や広島は40~50ミリ程度。高知市の排水能力は1.5~2倍以上高い。大雨時のダムの放流についても「研修の実施や職員同士による知識の共有で、技術を高めている」(高知県土木部河川課・川村俊二利水担当チーフ)という。

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