日産 ゴーン会長逮捕 大企業の役員報酬を考える。
19日、日産会長のカルロス・ゴーン会長が有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いで逮捕されました。
役員報酬を約50億円(2010年から14年)、過少に申告したのです。
(中国新聞11月20日)
毎年約20億円もらっていたのに、10億円ぐらい申告していた。10億円でもびっくりぽん!なのに…。
下は、日産の有価証券報告書(第119期 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)の記載です。
ゴーン会長は7億3500万円、西川廣人社長は4億9900万円となっています。
会長・社長の報酬を引いた残りは4億2000万円。残りの取締役は6人ですので1人あたり7000万円となります。
監査は2人で1億円ですから一人5000万円なんでしょう。
ゴーン会長は今年6月、「西川社長の報酬が高すぎるのではないか」と株主総会で批判されたことに対して「「日産CEOの報酬は非常に低い」と反論しました。
6月26日、横浜市で開かれた日産自動車の定時株主総会。ある男性株主が最終盤に質問に立ち、日産で昨年発覚した完成車の無資格検査問題に触れ、「あれだけのことを起こして誰がどう責任を取ったのか」と怒りをあらわにする場面があった。
怒りの矛先は、日産の社長兼最高経営責任者(CEO)である西川廣人氏の報酬額に向けられた。西川氏の2017年度の報酬は前年度比26%増の5億円。度重なる不正発覚で株価を毀損したにもかかわらず、経営者が高額報酬を安穏と受け取っていたとすれば、個人株主に「誰も責任を取っていない」と批判されても仕方あるまい。
だが、日産会長のカルロス・ゴーン氏の回答は明快だった。
「日産CEOの報酬は非常に低い。会社の規模や優秀なリーダーを持つ重要性を考えると、決して不当な水準とは思えない」
◆庶民の所得とあまりにかけ離れている
下のグラフは、厚労省「国民生活基礎調査の概況」(2017年調査)からのものです。
ゴーン会長のような人も含めた平均が560万円。平均金額(560万円)以下の人が6割。
ちょうど真ん中を示す中央値では442万円、いちばん多いのは300万円以上400万円未満です。300万円未満が3割もいます。
森永卓郎さんが「年収300万円時代がやってくる」と予言したのが2003年でしたが、15年経って本当にそうなってしまいました。
◆役員報酬1億円以上
2010年から、1億円以上の役員報酬を支払っている人について有価証券報告書に個別開示することが義務付けられました。
毎年増え続け、2018年で240社の538人が役員報酬1億円以上。
上位はソニー、セブン&アイ(セブンイレブンとイトーヨーカドー)、ソフトバンク。10億円以上が10人もいます。そのうち7人は外国人ですね。
ナンバー1のソニー、取締役の平井一夫氏の役員報酬は27億円です。
(出典:「役員報酬が高い」上場企業経営者トップ500、東洋経済オンライン)
年収300万円の人は40年働いて1億2000万円、500万円なら2億、800万円で3億2000万円。
労働者の生涯賃金の何倍も一年で手にする。平井さんは年収500万円の労働者の540倍も仕事ができるということなんでしょうか。
不正ももちろん問題ですが、そもそも多すぎやしませんか。
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