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2021-10-30

「選挙に行こう!」 第3章 社会保障改悪 3つのデマを斬る

3-3. 自己責任論(自助・共助・公助論)

資本主義社会は自己責任社会

菅義偉前総理が昨年9月の自民党総裁選で「自助、共助、公助」を掲げて、不評でしたが、このスローガンは菅さんのオリジナルではありません。

今から10年前、2012年に成立した社会保障制度改革推進法の第2条に書かれています。

第2条 社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
 1 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

まず自分で何とかしなさい、それでもダメなら家族や周囲の仲間に助けてもらいなさい。国は社会保障から手を引きます。そういう意味です。

私たちが生きている資本主義社会は、もともと自助社会です。19世紀の資本主義は自助一本槍でした。するとどうなったのか。貧困が広がり、犯罪も増え、公衆衛生もないので疫病も広がる。

怠惰だから貧乏になるのではない。石川啄木が「働けど働けどなおわが暮らし楽にならざり」と歌ったとおりです。労働者は立ち上がりストライキやデモが広がりました。ロシアでは革命が起きます。

資本家は対応を迫られ、「自助」一本槍をやめて「自助」と「公助」(所得の再分配による社会保障)の二本立てでいくことにしたのです。イギリスのベヴァリッジ報告――「ゆりかごから墓場まで」というスローガンが有名ですが、赤ちゃんからお年寄りまで国が責任をもって「公助」するしくみがつくられ、世界に広がりました。

しかし、日本では「2.社会保障改悪の40年」でお話ししたように、臨調行革とともに社会保障は後退を始め、消費税の導入と増税によって加速度をつけて後退し続けています。

「富める者はますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである」(『新約聖書』のマタイ伝のことば)。これが日本の現状です。

しかし、この現実は変えられる。

政治によって歪められたものは、政治によって正すことができます。その大切な手段が選挙なのです。

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ふたみ伸吾 ほっとらいん

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