toggle
2021-10-30

「選挙に行こう!」第4章 政治を変えれば社会保障はよくなる

もくじ
1.選挙とは何か 
2. 社会保障改悪の40年
3.社会保障改悪 3つのデマを斬る
4.政治を変えれば社会保障はよくなる

第4章. 政治を変えれば社会保障はよくなる

政権選択は政策選択

今回の総選挙は「政権選択選挙」と言われています。これまでの自公政権を選ぶのか、野党共闘による新しい政権を選ぶのかが問われている。それは、これまでどおりの大企業・大金持ち本位の政治を続けるのか、弱者に優しい政治を選択するのかという選択です。

2009年の総選挙を除き、小選挙区制という民意を歪める選挙制度によって自民党と公明党は「勝利」を手にし続けてきました。社会保障削減と消費税の税率アップは、①高齢化社会危機論、②財政危機論、③自己責任論によって合理化され、怒りではなくあきらめに転化。低投票率を誘いました。

しかし、すでに述べたように、

①高齢者が増えるのは事実だが,支えられないわけではない。
②財政赤字は深刻だが、最大の問題は大企業や大金持ちへの減税による税収不 足にある。
③社会保障とは「公助」であり、20世紀の成果である。「自助」一本槍は19世紀の資本主義であり、社会保障からの撤退にほかならない。

のです。

社会保障の削減と消費増税の道は、自公政権の選択であって、別の選択もあるのです。

4野党+市民連合 共通政策

「政権選択」とは①政策と②その担い手を選択することです。9月8日  野党四党(立憲民主・共産・社民・れいわ)の党首が「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」(市民連合)に署名しました。

提言は次の5つの柱からできています。

1 憲法に基づく政治の回復/2 科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化/3  格差と貧困を是正する/4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行/5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現/6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する

 今回のテーマ、社会保障にかかわる部分は「3 格差と貧困を是正する」ですのでその部分の具体的な政策を紹介します。

・最低賃金の引き上げや非正規雇用・フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。
・誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。
・所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。

野党四党が今回の選挙で勝利し、野党政権ができれば、この政策が現実になります。

 

選挙に行けば政権が変わる 2017年の選挙結果から


前回、2017年の総選挙で自民党は284議席、公明党は29議席、あわせて313議席を獲得しました。議席占有率は67%です。

一方、得票率は自公あわせて47.5%。過半数ありません。小選挙区制という与党膨らまし粉のせいです。

      市民連合衆議院選挙2001ガイドブックより

有権者全体で見ますと、自民・公明両党に入れた人は25.8%、主な野党に入れた人が22.2%です。

一番多いのは選挙に行かなかった人で有権者の半分近くです。小選挙区制は各選挙区で他の候補者より1票でも多い人が1人だけ当選するしくみだという話は第1章でしました。

野党はバラバラだと勝てない。

しかし今回、野党共通政策が結ばれ、候補者もかなりのところで一本化されています。自公政治から抜け出す条件ができた。

選挙区によっていろいろですが、全体として自公と主な野党の票の差は4%。

「どうせ政治は変わらない」とあきらめ、選挙に行かない人の1割が選挙に行くだけで逆転可能です。

 

広島3区は?

上のグラフは私が作りました。ここ広島3区でも河井克行と書いた人は有権者の23%にすぎません。

立憲民主党から立候補した塩村文夏さんは17%。その差6%です。棄権をした人は50%。

ですから広島3区でも棄権した人の1割ちょっとが投票所に行き塩村さんの名前を書いていたならば、河井あんりの事件も起きなかったかもしれない。

野党共闘はできた。

あとは棄権してきた人たちが投票所にいくかどうかが、政権交代と政策転換のカギを握っています。

今年4月の参議院広島選挙区再選挙で野党候補、宮口治子氏が自民党候補(西田英範氏)に勝ちました。河井買収事件にうんざりした自民党の支持者が選挙に行かなかった。一方、これまで野党を支持してきた人たちの9割近くが選挙に行った。2017年の選挙結果との比較から分かります。

 

2019年の野党2人の合計が51,569票で、宮口さんは57,359票で、前回の88%。

一方自民党の2人の合計は83,018票でしたが、西田さんは53,627票で、前回の65%しか取れなかったのです。

自民党支持者の公明党候補への目は厳しいようです。西日本新聞が「『政治とカネ』激震地、自公に漂う不穏な空気」というルポを載せています(10月29日)。

公明党は自民党支持者の票がないと当選できない。しかし「政治とカネ」問題によって自民党支持者の気持ちは依然として冷えているわけです。野党候補が勝つ条件は十分にあります。

不断の努力 日本国憲法第97条&第12条

日本国憲法で始めましたので最後も日本国憲法で締めくくりたいと思います。

第97条この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果(fruits of the age-old struggle of man to be free)であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて(by the constant endeavor of the people)これを保持しなければならない。

第97条と第12条は草案では一つのものでした。こうして並べてみると呼応していることが分かります。

基本的人権は、これまで世界の人々が自由を手にしようと努力(struggle)してきた成果。だから、それを失わないためには、人々はたえず努力(endeavor)しなければならない。そういう努力の一つが「選挙に行く」ことなのです。

「選挙に行こう!」

(以上)

ふたみ伸吾 ほっとらいん

ふたみ伸吾にメッセージを送る

生活相談、町政への要望、ふたみ伸吾への激励など、メッセージをこころよりお待ちしています。

     

    関連記事

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    PAGE TOP