2024年3月議会 一般質問「府中町第2次環境基本計画(改定版)について」から
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次に広島県内で育った木、県産材を使う意義です。
広島県の県土面積85万haの約7割が森林(61万ha)で、国有林を除く民有林面積56万haに占める人工林は17.5万ha (31%)、天然林は37.6万ha (67%)です。
スギ・ヒノキの人工林14.5万haの多くは1955年以降に植林されたもので、現在伐採適期に達しつつあり、51年生(11齢級)以上のスギ・ヒノキ人工林が全体の約半分を占めています。広島県内にも十分、森林資源があるわけです。
「家を建てるなら、裏山で採れた木を使うと家が長持ちする」という昔からの言い伝えがあります。ある住宅メーカーのホームページに、「現存する『築100年以上の木造住宅』のほとんどは地元の木材で建てられている、とありました。
長く住み、長く使い続けられる家や建物ができることは、地元の木を使う最大のメリットではないでしょうか。
第2に、輸送に伴うCO2排出量(ウッドマイレージ)やコストが極めて少なくなるという利点があります。
第3に、県内の森が元気になる、災害に強くなることもあげられます。
建築に向いたスギ・ヒノキは町内にはほとんどありませんので、町内にこだわらず、町の周辺、そして県内産の木材を大い使って家や建物をつくることが府中町の環境を守ることにも繋がります。
2018年に「広島県県産木材利用促進条例」が制定されました。県産材の利用拡大を通じて「循環型社会の形成」「地球環境の保全」「県経済の活性化」を図ろうとするものです。
条例は、「県及び市町は、それぞれが実施する県産木材の利用の促進に関する施策が円滑かつ効果的に推進されるよう、相互に連携を図りながら協働するものとする」と規定しています(第5条)。
この条例に基づく「県産木材の利用促進に関する実施状況(令和4年度)」についてのとりまとめ文書は、「今後の対応」の一つとして「市町が関わる建築物については、引き続き、木造化・木質化の促進に向けて、コスト削減や木材調達をテーマとしたワークショップ等を開催し、木造建築に対する市町職員の知識の習得と意識改革を図る」と述べています。
町の基本計画にも、「公共施設における木材利用を促進するとともに、県産材の利用拡大を図ります」(55頁)と掲げられています。
町内では古い家が壊され、新しい住宅が次々建っています。建て主に対しては「『ひろしまの森に木づかう家』融資制度」、建築業者に対しては「県産材消費拡大支援事業」という県の制度があり、これらの制度や事業を周知しながら県産材の利用をもっとアピールする必要があるのではないでしょうか。