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2017-03-10

平成29年度予算に反対しました

一般会計予算と国保会計予算に反対いたしました。以下は反対討論です。

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第4号議案「平成29年度府中町一般会計予算」に反対の立場から討論をおこないます。

平成29年度予算の特徴

平成29年度の一般会計予算は182億4000万円で、28年度214億4000万より、マイナス32億円です。歳入の43%を占める町民税が78億1000万円で、昨年度73億6500万円よりプラス4億4500万円で、そのうち法人町民税が10億7500万円で、28年度より2億6600万円増えております。

一方、歳出は、教育費が13億7600万円で、28年度36億2200万円より、マイナス22億4600万円。小中学校の耐震化、エアコン設置工事が完了したことにより、平成25,26年度水準に戻ったということでしょう。総事業費9億円の府中北交流センター・町営本町住宅の工事が完了したことも歳出減の要因の一つだと思います。

税収が増えているなか、大型の支出がなく、次年度の交付税減を見越して町債の発行を抑え(前年比マイナス29億円)、財政調整基金を積み増すという、いわば「堅実型」予算ということができます。

 

景気は回復どころか後退

いま、町民の暮らしは--日本全体がそうですが--、終戦直後を除き戦後かつてない厳しい状況におかれています。町長は施政方針において、「雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調が続いてい」るとの認識をしめされましたが、現実には、雇用は増えたが非正規ばかり。

アベノミクスが始まった2012年から15年のあいだに非正規労働者は1810万人から1980万人へと170万人増えています。この10年間では、非正規は300万人増え、正社員は100万人減っています。非正規が全体の4割近くを占めています。どこが雇用の改善なのでしょうか。

貯蓄ゼロ世帯は1400万世帯から1800万世帯へ400万も増えています。年間給与200万以下で働く人々、いわゆるワーキングプアは1090万人から1140万人と50万近く増えました。連合と連合総研が非正規雇用で働く人たちを対象に行った調査では、生活が苦しいためにせざるを得なかったこと(複数回答)を尋ねたところ、「食事の回数を減らした」が21%、「医者にかかれなかった」「税金や社会保険料を支払えなかった」が、それぞれ13%となっています。

NHKの日曜討論の司会をしている島田敏男氏が「アベノミクスは、うまくいっているわけではない。可処分所得も増えていないし、景気がよくないことは日本中で聞かれる」と先日行われた町議会議員研修会で述べていたとおりです。雇用も所得も改善どころから後退しているというのが実態です。

 

町民の暮らしを守る防波堤

国の税制の改悪による負担、それに伴う国保や介護の負担、医療改悪による負担、障害者自立支援法による負担など、次々と負担が増えており、世代を超えて生活が大変になっています。町は町民の暮らしを守る防波堤としての役割を今こそ果たすべきときです。

そういう観点から評価すべき施策があります。生活困窮者への住宅手当の支給や子どもの学習援助、ひとり親家庭への入学祝い金支給、支援が必要な家庭への訪問援助、子どもの貧困実態調査、母子健康診査の助成拡大などです。学校図書館司書の配置や木製の机も子どもたちの健やかな成長につながるでしょう。

 

子どもの医療費助成

しかしながら、今回の予算に2つの点で反対いたします。

一つは、国保についてですが、これは国保会計予算のところで発言いたします。

もう一つは、子どもの医療費の助成です。今年度より新たな制度が始まり、一部負担金があるものの、小学生の入通院、中学生の入院の窓口負担に対して助成がされます。加えて非課税世帯の子ども約500人が窓口負担なしになりました。子育て世代の負担を軽減するこの措置に1億6000万円、前年に比べて約4000万円を増やしたことは大いに評価したいと思います。

同時に、就学前まで一部負担金なしの完全無料であったものを、対象年齢の引き上げという今回の制度改定によって、一部負担金を導入したことは賛成できません。すでに平成28年度第7回定例会(12月議会)にて発言いたしましたので繰り返しませんが、乳幼児期は、まだ免疫ができていず、風邪やインフルエンザにかかったり重篤化する時期であり、一部負担金を課すことなく、医療機関にかかれるようにすることが必要だと考えるからです。

 

 

不安抱える向洋区画整理事業

 

向洋駅周辺土地区画整理事業については、事業そのもに反対ではありませんが、危惧を表明しておきたいと思います。

この事業はご存じのように広島県と広島市によるJR高架事業(広島市東部地区連続立体交差事業)と一体のものです。

高架事業は1999年に決定されましたが、2013年、2015年と2度見直し案が出され、高架にならない安芸区船越地域住民から反対の声があがっています。町長報告にありましたように、船越地区を高架にしないことは変らないということですので、船越地区住民の理解と合意をえることは難しいように思われます。

今後、①船越地域住民の了解を取り付ける、②どのような物か分かりませんが、設計を一部変更する、③新たな認可を国に申請し認可をえる、といった手続きを踏むことになります。

この手続きは順調にいっても3年から5年がかかります。仮に最短の3年だとしても工事開始は2021年となり、順調にいって10年かかるわけですから完成は2030年前後になります。向洋駅周辺事業の完成予定は2023年となっていますが、JRの高架化工事は始まっていないか、たとえ始まっていても緒についたばかり。

区画整理事業は面積ベースで全体の約50%(3.91ha/7.82ha)が済んでいますが、肝心なのは、高架をくぐる道路、高架に沿った道路と駅前広場です。これらは高架工事のある程度の進捗がないかぎり進めることができません。区画整理は、高架化と一体の事業であり、高架化が進展しなければ区画整理も大幅に遅れることになります。

すでに100億円近くを使い、平成29年度は18億円、4次総の5か年(平成28~32年)で60億円が投ぜられる計画です。総事業費は192億円ということになっていますが、高架事業の遅延によりその範囲内に収まらない可能性が高い。高架化にかかわる工事の遅延は府中町の責任ではありませんが、平成29年度予算に限っても関連事業を含めて21億円、一般会計予算の1割を使う一大プロジェクトです。

高架事業の見通しがたたないなかで、にぎわい再生と安全・安心なまちづくりをどうするのか。莫大な事業費にふさわしい効果を生みだすことができるのか。きわめて不透明な状況です。早期の事業完了に向けて有効な手だてをとることを望みます。

(何にもない向洋北口)

 

最後に、町民の暮らしに心をよせ、さらに町民の暮らし守るための予算にすべきであることを訴え、反対討論といたします。

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第6号議案「平成29年度府中町国民健康保険特別会計予算」に反対いたします。その理由は、国保の軽減措置がとられなかったことです。詳細は一般質問に提出しておりますが、町民の2割が国保であり、その高すぎる保険税に悩まされています。軽減を望む声を多数聞きますが、その声に応えていないと思われるので、議案に対して反対の意思を表明したいと思います。

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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