核兵器に対してどのような訓練をするのか

報告第10号「府中町国民保護計画の変更について」の質問

2020/05/12

府中町国民保護計画の変更ですが、今回、新たにNBC攻撃等により発生する武力攻撃災害への対応訓練というものが入っています。

この計画は「国民保護法」ならびに「国民の保護に関する基本指針」のうえに策定されたものです。「国民保護法」という名前がついてはいますが、その内容は国民を保護するものではありません。

今回、訓練すべき内容として新たに付け加わったNBC攻撃とは、Nは核兵器(Nuclear weapons)、Bは生物兵器(Biological weapons)、Cは化学兵器(Chemical weapons)を意味しています。訓練内容としては今回付け加わりましたが、もともと国民保護法が2004年に出来たときから想定のなかにありました。

核兵器が落とされた場合どうするのか?基本指針では次のように書かれています。

「避難に当たっては、風下を避け、手袋、帽子、雨ガッパ等によって放射性下降物による外部被ばくを抑制するほか、口及び鼻を汚染されていないタオル等で保護することや汚染された疑いのある水や食物の摂取を避けるとともに、安定ヨウ素剤の服用等により内部被ばくの低減に努める必要がある」。

こんなことで被爆による被害から逃れられるわけがないことはヒロシマに生きている人間にとって――原爆雲を見た町、たくさんの人が市内から逃げてきた府中町の人にとって――明らかではないでしょうか。

生物兵器はどうか。人に知られることなく散布可能。潜伏期間があり、散布が判明したときには、「既に被害が拡大」。 
要するになすすべなし、ということです。

化学兵器は……。においのあるものもあるが、無臭のものもある。安全な風上の高台に誘導。
風向きが変わったらどうするんでしょうか?

どれをとっても、逃げる術はない。避難のしようもありませんし、ましてや訓練などできないと思います。

新たに加えられた「NBC攻撃等により発生する武力攻撃災害への対応訓練、広域にわたる避難訓練、地下への避難訓練等武力攻撃事態等に特有な訓練等について、人口密集地を含む様々な場所や想定で行うとともに、実際に資機材や様々な情報伝達手段を用いるなどの実践的なものとするよう努める」という条文ですが、具体的にはどのような内容を考えているのでしょうか?


※国民保護法そのものの問題点についてはここをクリック

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