5月12日に開かれた2020年第2回府中町議会臨時会で、以下の意見書が全議員の提案・賛成のもと採択されました。
中華人民共和国湖北省武漢市で発生し、爆発的な拡大を続けている新型コロナウイルスに関連した肺炎(COVID-19)は、日本国内でも多くの感染者が確認され、わが国でも「緊急事態宣言」が発令されるなど、国民の生命や財産を脅かす存在となっている。
当町がある広島県でも4月23日現在の陽性者数は143名であり、3月31日現在の陽性者数6名から大幅に増加している。また、当町でも2名の陽性者が報告され、身近に発生したことで、いわゆる「3密」とならないよう徹底することが大切だと感じている。
国においては、令和2年4月に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関係経費」として、25兆円を超す補正予算を組み、深刻な事態へ対応しているが、終息は依然見通しが立たず、国民は不安が募る中で日々生活を続けざるを得ない状況である。
よって、国においては、既に実行されている施策のほか、国民の安心・安全を確保するとともに、不安の解消、感染の拡大防止に向け、地方自治体と連携・協力を進めるとともに、一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息し、発生以前の生活に戻れるよう、より一層の施策の拡充として次の対応に取り組むよう求める。
1 感染拡大防止のためには、感染者の早期発見が重要であることから、検査体制の強化を図るとともに、検査により判明した感染者は、病院や借り上げた民間の宿泊施設など、医療従事者を伴った隔離を早期に行えるよう地方自治体に必要な財源措置をすること。
2 「公立・公的病院等の再編・統合に向けた再検証」は、感染比々が医療崩壊を招くと懸念される中、地域の医療提供体制の不安をあおることとなるため、感染拡大が収束するまで全国一律で中断すること。
また、検証の再開にあたっては、今回の新型コロナウイルス感染症に関する一連の地域医療的課題についても新たに検証の対象とすること。
3 現在、国では医療従事者の安全と健康のため、消毒剤、マスク、防護服等について、マスク等生産設備導入支援事業に係る補助事業者を公募しているが、条件の緩和並びに補助率及び補助上限額の緩和など、早期に安定的な供給量が確保できるよう要件の精査を行うこと。
また、一部は民間事業者から買い上げ、医療機関、介護施設や教育施設等に配布されているが、必要数にはまだ達していないのが現状で、地方自治体の窓口等への配布も含め必要とされる私設の状況を把握し、早急に安定的な供給策を講じること。
4 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主には、雇用調整助成金の特例措置により休業手当等の一部が助成されるが、休業により給与が減額された労働者に対しても、安心して休業できるよう労働者に対する所得補償制度を検討すること。
5 緊急経済対策等により生活に不安や困難を生じた国民に対する助成制度や支援制度の実施にあたっては、その申請手続きに要する提出書類等をできるだけ簡素化するなど、手続きを煩雑なものとせず、また、申請から給付までを短期間で行えるよう努力すること。
6 学校の休業が続くことで、児童生徒の学習進行に遅れが生じることが懸念される。休業が終了したときに、再開した授業の進め方が子どもたちに過度な負担とならないよう学習指導方法には十分に配慮するよう、国において明確な指導方針を各都道府県教育委員会に示ずこと。
また、教職員への負担も増えることとなるため、その配慮も十分に行うこと。
7 緊急事態宣言による外出自粛や休業が続くことへの生活不安やストレスで、家庭内暴力や児童虐待被害が増加する恐れがあるため、国の責任において相談体制の拡充などに努めること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和2年5月12日
広島県府中町議会
内閣総理大臣 安倍晋三様
財務大臣 麻生太郎様
総務大臣 高市早苗様
法務大臣 森まさこ様
文部科学大臣 萩生田光一様
厚生労働大臣 加藤勝信様
経済産業大臣 梶山弘志様
内閣官房長官 菅義偉様
経済再生担当 大臣西村康稔様