暮らしを守る積極的な手だてがない予算 3月議会報告

ご町内のみなさん

日本共産党、府中町議の二見伸吾でございます。今日は府中町3月議会について報告させていただきます。

 みなさん

3月議会は府中町の2018年度(平成30年度)の予算を審議いたしました。

私たち、日本共産党は、一般会計予算、国民健康保険税の値上げ、介護保険料の値上げ、職員の退職金の引き下げ、この4つの議案に反対いたしました。

まず、一般会計予算ですが、予算規模は2017年度は182億円でしたが、2018年度は169億円と13億円ほど少なくなります。

学校耐震化事業の終了、第2ひかり保育園耐震化工事(園舎建替)の終了、向洋区画整理事業の大型補償が済んだことによるものです。

今回、新規事業として評価したいのは、新生児聴覚検査の費用助成、「ネウボラふちゅう」として産前産後ケアや相談支援を拡充すること、病児・病後児事業における送迎サービス、救急車3台に病院と繋がる画像伝送装置を配備すること、府中南小学校区放課後児童クラブ(留守家庭子ども会)の新たな施設建設などです。

このように個々の施策に評価すべきものがあります。

しかしながら、今、町民の暮らしが大変なときに、暮らしの実態を見ず、「景気は緩やかな回復傾向」にあるなどといって、暮らしを守る積極的な手だてを打っていない。このことを理由に反対いたしました。

 

町民の暮らしを苦しめる議案が3つありました。

一つは国民健康保険税がこの4月から6割の方が値上がりします。町は、増額世帯の9割が1万円以内の上昇で影響も少ないといいます。しかし、物価も上がり所得も減っている。年間1万円以下だからいいというものではありません。

それに加えて、さらに大きな問題はこの4月からの値上げは、値上げの出発点だということです。6年かけて広島県の示した標準保険税率まで引き上げる。

町の示したモデルケースですが、年収約350万円で世帯主42歳、妻40歳子ども2人ですが、4月からの保険税は8900円の値上げで35万3900円になります。6年後は39万6200円へと実に5万円以上も増税になるんです。協会けんぽなら健康保険料は21万ほどですので、実に国保は健保の2倍になる。

共産党は反対しましたが、賛成多数で認められました。
みなさん

つぎに、介護保険ですがこれも値上げです。

この4月から始まりました第7期の保険料基準額は年73,200円です。第6期は月額5,741円、年68,900円ですので、年額で4,300円の値上げです。介護保険が導入された2000年の基準額は年38,400円でしたので、ほぼ倍加したことになります。

高齢化が進めば、介護を必要とする人が増え、保険給付が増えるのは当然です。増えていく給付費の半分を被保険者が支払うしくみでは、保険料は青天井で上がっていきます。

制度が始まった2000年度介護保険の費用は全国で3兆6千億円でしたが今は10兆円を超し、保険料は倍加しました。団塊の世代が75歳以上となる2025年度には約20兆円になるという試算もあります。ということは、現在のしくみのままであれば10年以内にさらに保険料は2倍になるということです。

しかも、要支援1,2は介護給付から外され、保険あって介護なし、負担ばかりが押しつけられていくことになります。

みなさん

3つめは職員の退職金の引き下げです。

退職金は老後の生活を支える大切なお金です。今回の減らされるのは70万円。5年前、2012年に15%、400万円減らされています。今回の減額を認めれば500万円近い減となり、老後の生活に与える影響はきわめて大きい。

その影響は、町の職員、公務員の方々だけではありません。私立学校や市立病院、社会福祉法人など公務員に準拠する民間労働者約300万人に直接影響します。国家公務員と地方公務員は約300万人ですから、あわせて約600万人になります。労働者全体の1割以上です。

いま日本経済は消費不況のなかにあります。モノとサービスが売れない。賃金も減らされ、退職金も減らされるなか、社会保障が改悪される。負担だけ増える。消費が伸びるわけがありません。消費を上向かせるためには、公務員を含めた労働者の処遇改善が求められます。

公務員が下がる、そして民間が下がる、その民間と比較してまた公務員が下がる。こういう悪循環をいつまでも繰り返してはなりません。

以上のような理由で、一般会計予算、国保の値上げ、介護保険の値上げ、職員の退職金の引き下げの4議案に反対いたしました。

みなさん

一般質問では、府中町における子どもの貧困対策についてとりあげました。

昨年(2017年)7月、府中町は広島県とともに「子どもの生活実態調査」を小学校5年生、中学校2年生とその保護者を対象に実施しました。大変貴重な調査であり、「子どもの生活支援」の出発点をなすものだといえます。広島県の調査にあわせて府中町として共同実施されたことを高く評価したいと思います

「子どもの生活実態調査」報告によると、「生活困難層」は、小学校5年生では79人(18.2%)、中学校2年生では78人(24.6%)にのぼっています。

府中町で就学援助を受けている小学生はほぼ同率(小18.6%、525人/中24.5%、308人)ですから、ほぼ生活困難層と重なっています。そこから考えますと当町の小学生のうち500人程度、中学生のうち300人程度、合わせて800人程度が「生活困難層」であるとみていいでしょう。

府中町には0歳から18歳までの児童、子どもたちが1万人近くいます。そのうち2千人から2千500人がつらさを抱えて生きているのです。

この調査結果に対して町はどのように受けとめるのか問いましたところ、

「子どもの将来がその生まれ育った環境に左右されることなく、健やかに育ち、夢と希望、意欲にあふれた自立した人間へと成長していけるよう、今後、調査結果をふまえ、県とも連携して施策の方向性を検討したい」と答弁しております。

 みなさん

今回議員の提案による議題がいくつかありました。

その一つは議員定数を現在の18人から16人に減らすというものです。

減らすと少数精鋭になってより議会が活性化するというのがその提案理由です。

この間、全国で議員定数が減らされてきましたが、それで議会が活性化したとい議会は一つもありません。府中町も十数年前に20人から18人に減らしたけれども、減らした分だけ活性化したという事実もありません。

定数を2人減らしても削減される経費は945万円、一般会計のわずか0.056%にすぎませんので財政効果もありません。この提案は賛成少数で否決されました。

今回の議会で、核兵器禁止条約の批准を求める意見書を議員全員で提案し、全会一致で採択を致しました。広島市とともに多くの犠牲者をだした府中町の総意をあらわす採択であったと思います。

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