GIGAスクール構想と府中町の児童生徒の学習保障 2020年6月議会 一般質問
■少人数学級と教員増を
今求められているのは、機械より人です。
3か月の空白をできるだけ埋めるためには、一人ひとりの児童生徒に丁寧に教えること、学習が遅れた子どもへの個別の手立てをとることです。遅れを取り戻そうとするばかりに、土曜授業、夏休みの短縮、学校行事の大幅削減、7時間事業などによって授業時間を確保するようなやり方では、子どもたちに新たなストレスをもたらし、子どもの成長をゆがめ、学力格差をさらに広げることにもなりかねません。
町内の小中学校のクラス別児童生徒数の一覧を教育委員会からいただきました。小学校では中央小学校の4学年3クラス中、2クラスが40人、もう1クラスは39人。南小の4学年も1クラスが38人、2クラスが37人。ギリギリいっぱい。他の学年・学校はだいたい35人以内に収まっているようです。中学校は府中中、緑ヶ丘中ともに40人近い学級がほとんどです。
子どもへの手厚く柔軟な教育のためにも、感染症対策のためにも、学校の教職員やスタッフを思い切って増やし、20人程度の授業などができるようにすべきです。
政府も第2次補正予算案で教員増を盛り込みましたが、その規模は3100人(高校はなし)とあまりに小さい。3100人では、全国の小中学校の10校に1人しか教員が配置されず、焼け石に水です。府中町は小中あわせて7校ですから1人も増えない可能性が大です。
日本教育学会は、平均1校当たり小学校3人、中学校3人、高校2人の教員を加配する10万人の教員増を提案しています(「9月入学よりも、いま本当に必要な取り組みを―より質の高い教育を目指す改革へ―」5月22日)。
最後の質問です。私はタブレット――機械より先に少人数学級およびそのための教員増こそが求められていると考えます。これまでも2016年12月議会の一般質問「子どもが安心して過ごせる環境づくり」や2019年3月議会での一般質問「教員の長時間労働・多忙化とその是正」において少人数学級の拡大、教員増が必要だと主張してきました。
コロナ災害とも言うべき状況のなかで、3カ月にもわたる休校措置がとられ、学習面での遅れとともに、子どもたちはかつてないストレスと不安をためこんでいます。先生方、学校現場は今まで以上に大変になっています。今こそ少人数学級、教員増を進めるべきときではないでしょうか。
そこで伺います。町は、少人数学級と教員増についてどのような認識をお持ちでしょうか。ご答弁願います。
◆学校教育課長 現在は、県の基準に基づき、小学校1年生、2年生は35人、小学3年生以上は40人で学級編制を行っているところです。少人数学級は、児童生徒一人ひとりの状況をより丁寧に把握することができ、個々のつまずきなとに対する指導がより丁寧に適切に実施できる効果があるものと認識しております。
さらに、この度のコロナウイルス感染症対策で「身体的距離の確保」をする上でも、有効であると考えています。
そのため教育委員会としても、教員を増やしていただきたいという思いは、強く持っておりますが、少人数学級の拡大(県費負担の教員増)については、これまでも申し上げておりますが、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(いわゆる標準法)」にもとづく県の基準による措置なしに実施することは困難であり、国が責任をもって標準法の改正を行い、進めていくべきものであると考えております。
教育委員会としては、小中学校全学年35人以下学級の早期実現を、全国町村教育長会を通じて、文部科学省へ要望しておるところです。また、広島県町村会を通じて、県に対しても、毎年、県予算並びに施策に関する要望として標準法改正による35人学級の導入を要望しており、今年度についても、5月に行っております。
なお、教職員の増とはなりませんが、本定例会で議決していただいた補正では、国の学習保障に必要な人的支援の制度を活用し、学習指導員等として会計年度任用職員(非常勤講師)を約2,880時間程度追加配置できる予算を計上しております。
学習指導員等の予算は、例年より1.6倍(9,896千円→15,893千円)となっており、今後も教育委員会としては、このような国の制度を積極的に活用し、教職員の負担軽減にも努めてまいります。
《第3回目》
国と県に対し、教員増・少人数学級を求める努力を町や教育委員会が努力をされてきたことはよく知っております。しかし、これまで以上に頑張っていただきたい。そのことを強く要望いたします。
今回は、一斉休校および、休校措置を想定したタブレット端末の一斉購入の問題に絞って質問致しました。大元である「GIGAスクール構想」そのものについての検討は改めて行いたいと考えております。
以上で質問を終わります。
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