消費税率10%を前提に自動車に関わる税金だけ軽減・廃止を求める意見書に反対
議員提出議案「自動車関係諸税の抜本的改革に関する意見書」は賛成多数(反対は共産党2)で採択されました。以下は反対討論です。
議員提出議案「自動車関係諸税の抜本的改革に関する意見書」に反対の立場から討論します。
来年10月から消費税10%の増税が予定されてます。本意見書(案)は消費増税のたびに、自動車の国内販売台数が減っており、10%増税後はさらに減る見込みだと述べています。そうであるならば、消費増税を止めることこそが自動車の販売減を止める道ではないでしょうか。
消費税は所得の少ない人ほど負担が重く、消費を冷やし景気を悪化させる天下の悪税であり、消費税の増税は中止すべきです。
本意見書(案)は、消費税率10%への引き上げを前提にしつつ、自動車に関わる税金についてだけ軽減ないし廃止を求めています。
安倍政権の与党、自民党と公明党は、12月14日、「2019年度の税制改正大綱」を決めました。2019年10月からの消費税の10%への増税を「確実に実施する」前提で、業界やメーカーの要望に応え、売り上げに影響するとされる自動車や住宅への減税を求めています。
自動車と住宅購入にかかわる減税規模は年約1700億円、うち自動車関連が1320億円です。しかし、これらの減税は自動車や住宅を買わない人には関係ありません。
大綱が打ち出した自動車減税は、消費税増税後の自動車購入者に対して自動車税を割引き、取得税も廃止して「環境性能割」の税率も軽減するなどです。新車を買わない限り税金は安くならず、自動車を買わない人にはなんの恩恵はありません。
本意見書(案)は、この税制改正大綱を後押しするものです。
2%の消費税率引き上げで見込まれる税収増は約5兆6000億円ですが、2019年度は消費増税対策に2兆円使うといいます。税収の4割近くを消費税増税に伴う消費の落ち込みへの対策に使う。これほど愚かなことはありません。
非正規雇用が増え、正規労働者の賃金も減るなか、消費税が増える、社会保障が削られ負担が増える。これではいくら自動車に関するものだけを減税にしても自動車も売れません。
また、本意見書(案)は「自動車の保有に関わる車体課税が地方財政にとって重要な安定財源」だといいつつ、その減税を求めています。減税すれば地方税収が下がるのは火を見るより明らかです。
このように、消費増税を前提にした自動車関連諸税の引き下げは、一部の人の負担軽減にしかならず、自動車の売り上げも伸びず、日本経済の回復にもつながりません。地方税収も減ります。
一つもいいことがないといえるでしょう。
以上の理由から本意見書(案)に反対致します。
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