府中町はマツダからの巨額の税収で潤っているのか?
もくじ
巨額の税収は都市伝説
府中町はマツダから巨額の税収があるとネットなどで言われていますが、都市伝説すぎません。
グラフを見れば一目瞭然。個人の町民税は約30億円なのに対して、法人町民税はふだん3~5億円ほどです。マツダから時々しか入ってないのです(均等割300万円は毎年支払われている)。

府中町の、ふだんの法人住民税は3~5億円です。
2008年度~2024年度の17年間で、それなりの額だったのは2008年(11.1億円)、15年(10億円)、16年(18.6億円)、24年度(18.6億円)の4回に過ぎません。
マツダがまとまった法人住民税を払ったのはおそらくこの4回でしょう。
府中町の法人住民税収は巨額か
県内自治体の法人住民税収をグラフにしてみました。
2023年と2024年を選んだのは「決算カード」で直近であることと、23年度は通常の法人住民税収入(3億円)があった年度、24年度はまとまった税収(18.6億円)があった年度だからです。
23年度は約3億円で県内10位、24年度は19億で5位(広島県は23市町)。
輸出大企業マツダがある府中町だが、平年なら、三次、海田、大竹などとさほど変わりません。
巨額の税収などどこにもないのです。
法人町民税ゼロのカラクリ
どうしてそういうことになるのでしょうか。
法人住民税は、法人税額を基礎として見積りされ、法人税は「結果」に法人税率を乗じて計算されます。
2014年、トヨタ自動車の豊田章男社長が「一番嬉しいのは納税できること。社長になってから国内では税金を進めていなかった」と決算発表で発言し、驚かされました。
株主には1兆円を上回る配当をし、内部留保も増やしているにもかかわらず、2009年から2013年までの5年間、法人税(法人住民税、法人事業税も)を払っていなかったのです。
そのカラクリの一つは、2009年度につくられた、海外子会社からの配当を課税所得から除く制度です。実際には儲かっていても、子会社からの配当が課税ベースに入らないので税金を払わなくていい。
トヨタ自動車に限らず、日本の大企業のほとんどが、有能な税理士を雇い「節税」に務めている。課税所得をできるだけ少なくし、「受取配当金益金不算入制度」、研究開発税制やエネルギー環境負荷低減推進設備を取得した場合などの「租税特別措置法による優遇税制」等々を駆使して法人税をゼロ、ないしゼロに近づけることができるのです。
こういうカラクリで、多くの人が「ある」と思っている法人税や法人住民税は「節税」されているのです。
まとまった税収があった翌年は大変!
2008年度~2024年度の17年間で、それなりの法人住民税収入があったのは4回だったと書きました。
大きな税収が入るのは時々でも良いことだと普通は思います。しかし、これが結構やっかいなのです。
表は、法人住民税が18.6億円となった2016年度とその翌年の府中町の歳入を比較したものです。

歳入の合計はどちらも194億円で変わりません。
しかし、その構成は著しく違います。
赤字にしてあるところを見てください。
①地方税は85.4億円から75.8億円になり9.6億円の減少。
②地方交付税は11.5億円から4億円になり7.5億円の減少。
国からの交付税は前年の税収が多ければ減らされます。
17年度は税収が減った上に交付税も減額となり、前年比で17.1億円減りました。
そこでどうするか。
③繰入金が4千万円から4.8億円になり4.4億円の増加。
財政調整基金という町の「貯金」を取り崩して、会計に繰り入れました。
④地方債が26.4億円から37.1億円と10.7億円の増加。
歳入減を「貯金」の取り崩しと「借金」で乗り切るわけです。
大きな税収があり、その翌年が普段の税収に戻るときは、毎回こういう手当が必要になるのです。
府中町はマツダから巨額の税収で潤っているのか?
そんなことはないということをご理解いただけたでしょうか。












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