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2026-06-15

市になる意味がありません

6月15日朝、文化橋での街頭演説です。

1.市になる理由がない

先週、6月12日、市になることについての住民説明会が開かれました。

そこでも、疑問の声が沢山出され、市制移行大いにけっこうという意見はなかったようです。

第1の問題は、私たち町民にとって、市になる理由がないということです。

4月の特別委員会で、行政サービスの向上はあるのかと問いました。

その答は、「目に見えるものはない」です。

寺尾町長もニュースのインタビューに「住民の方からいえば大きく変わることは、ほとんどない」と答えました。

町から市になっても住民サービスはよくならない。そうはっきり言っているわけです。

じゃあ、目に見えない何かはあるのかと聞くと、これもないんです。

2.「市」はブランドではない

では、何のために市にしたいのか。

寺尾町長は「『市』になれば、イメージアップしブランド力がつく。人・もの・情報をしっかり呼び寄せられる」と言います。

町長がブランド力、ブランド力というものですから、そもそもブランドとは何なのか、日経新聞社から出ている『ブランド戦略の実際』という本を読んでみました。

ブランドのもともとの意味は焼印です。

放牧している牛などに、これは自分のものだぞ、と焼印を押していた。

これがブランドの始まりなんだそうです。

中世になって、ウイスキーの樽にも焼印を押すようになった。間違いなく自分の蒸留所のウイスキーであることを証明し、品質を保証した。これがブランドに第2段階です。

近代になり、交通と商業が発展して広い地域を対象に商売ができるようになると、種々様々な商品の中で、自分の会社でつくったものを知ってもらい、買ってもらうために、工夫を凝らしたラベル、ロゴマークを作り、覚えやすい名前を考え、宣伝した。

これがブランドの第3段階です。

みなさん

大切なのはよそのものと区別すること、区別してもらうことなんです。

では、市になることによって、府中町は他の自治体と区別され、際立つのでしょうか。そんなことはありません。

全国の市区町村は全部で1718あります。そのうち市は792で、町は743あります。

市になることは、町のグループから市のグループに移ることです。市のグループに混じるだけのことですから、よそと区別するというブランドの役割は全く果たさない。

府中町は743ある町のグループにいますが、みなさんよくご存じの通り、町のなかで人口が全国一多い。これはブランドと言っていいでしょう。

しかし、市になれば、792市のなかで人口は512番めです。府中町より人口の多い市は511もあり、府中町より人口が少ない市は280しかありません。

町長がブランド力があるという「市」、府中市と比べてみましょう。2000年に府中市は41,271人、府中町は50,673人だった。

2025年の国勢調査(速報値)では、府中市は33,347人、府中町は51,213人になっています。

府中町は、わずかですが人口が増え、府中市は8千人近くも減らしている。

府中市は2024年に市制施行 70 周年を迎え、市という「ブランド」を70年以上背負ってきた。にもかかわらず、人口は激減している。

本当に「市がブランド」であり、市になりさえすれば住民が移住してくるならこういうことにはならないはずです。

 

3.「2億円前後」「特別交付税がある」?

 

もう一つの問題は、市になるための経費です。

町は今回の住民説明会でも市になる経費は「2億円前後」と言っていますが、2億円前後で済むはずがないのです。

2011年に市になった野々市市は1億4千万円、2012年に市になった白岡市は1億3千万円、2018年に市になった那珂川市は1億9千万円かかっている。10年も経たない間に5千万円、6千万円と増えているんです。

もし、町の計画通り2028年に市制移行するとなれば、最後の那珂川市から10年近く経っており、この間、物価はものすごくあがっている。2億円前後で済むはずがありません。

このことを4月の特別委員会でも指摘すると、物価が上がっていることは認めるのですが、「2億円前後」という数字は訂正せず、5月19日の審議会でも、今回の住民説明会でも「2億円前後」という説明を続けています。

この間の物価高を考えにいれず、10年前にかかったという経費で説明し続けているわけです。

これではかかる経費を安くみせているのではないかと言われても仕方ありません。

「今ならいくらかかるのか」という試算もせず「2億円前後」という説明を続ける。これは不誠実な対応だと思います。

 

 

移行経費についてもう一つ問題があります。町は、移行経費は国からお金がでると言い続けてきました。特別交付税で措置される。町民の皆さんの懐は痛まないと。

5月25日、26日に、特別委員会で、石川県野々市市と埼玉県白岡市に視察に行って参りました。

そこで伺った話は、町の説明と違っていました。

野々市市の担当者は「市制移行に関して国からの財政措置はありません」とはっきり言いましたし、白岡市の担当者は「市制移行に約1億3千万円かかり、その資料を提出したが、実際に措置されたかは分からない」という説明でした。

やはり、そうだったのかと思ったわけですが、視察終了後の27日、超党派有志9人で総務省レクチャーを受けました。

そこでも、特別交付税は移行経費にはないことが明らかになりました。

町は、「他の自治体は、移行経費について国へ特別交付税を要求しており、市制施行年度の特別交付税の額が増える傾向がある」というんですが、特別交付税が移行年度に増えるのは福祉事務所を新たに設置する場合であり、私たちが視察に行った野々市市、白岡市、そして直近の滝沢市、富谷市、那珂川市も市になる前は福祉事務所がなかった。

だから市制移行にあたって特別交付税が移行の年に増えていたのです。

総務省は「中町は福祉事務所を設置済みなので特別交付税が増えることはありません」とはっきり言いました。

府中町は2012年に福祉事務所を設置しています。

どこにそんな事務所があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。

役場の2階にある、子育て支援課、福祉課、高齢介護課が福祉事務所の仕事をしているのです。

みなさん

移行にかかる経費は少なめに言い、しかも国から出るから心配いらないと言う。しかし、それは事実ではないわけです。

市になってみたら予想以上のお金がかかり、しかも国からの補助はない、ということになるでしょう。

行政サービスの向上はないがブランド力がつくなどという中身のない理由のために、必要のないお金を使うことになります。

府中町は府中町のままがいい。

やっぱ府中町じゃね。そう思います。

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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