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2026-07-27

町長をへこませた住民説明会

市になることと人口維持は別問題

今朝も、府中町が「市」になるという、寺尾町長が進めている「単独市制」の問題についてお話しいたします。

7月25日、単独市制について町民の皆さん向けの説明会があり、私も参加しました。

これまで町は、「市になる」理由をさまざま説明してきましたが、今回の説明会では「人口の維持」が最大の目的ということになったようです。

私は「単独市制によって人口が維持できるというが、府中市は大きく人口を減らしている。町の主張は事実に合わない」と批判してきました。

2010年以降、町村から市になった自治体は7つありますが、人口が増えたのは長久手市と野々市市の2市だけで、残りの5市は減っています。

日本全体の人口が減少しているのですから、市になったからといって人口が増え続けるわけではないのは、ある意味で当然です。

では、なぜこの7つの自治体は人口を伸ばし、5万人を突破して市になったのでしょうか。それには明確な理由があります。

いずれも大都市の「となり」に位置しているからです。

野々市市は金沢市、長久手市は名古屋市、滝沢市は盛岡市、富谷市は仙台市、那珂川市は福岡市のとなりです。

さらに白岡市(さいたま市隣接)と大網白里市(千葉市隣接)の2市は、政令市のとなりであり、しかも東京都心にも近いという、まさにダブルの好条件を備えています。

いずれも、となりの大きな市、都心へ通勤・通学するベッドタウンとして発展し、人口が5万人を超えました。

つまり、大都市に隣接している都心に近いという地理的条件こそが、これまで人口が増えてきた最大の理由であり、府中町発展の要因と重なります。

母体となる大都市が振るわなくなれば、移住してくる人が減るのも必至です。

ですから、「市になったら人口が維持できる」というのは幻想に過ぎません。何より、市になっても人口が減った5つの市が、そのことを明確に示しています。

説明会 疑問と懸念が噴出

説明会ではたくさんの方が発言されました。

第1に「市制移行」の必要性・メリットへの疑問です。

「市になることで本当に人口が増えるのか」「名前を変えるだけで効果があるとは思えない」という発言があり、今申しましたように、過去に単独市制移行した自治体でも、結局は人口減少が起きているという指摘がありました。

むしろ「日本一人口が多い町」というブランドを生かして町の発展をはかるべきではないかという意見も出されました。

第2に、費用と財政リスクへの不安です。

システム改修などにかかる2億1千万円の移行経費について、「投資効果が見えない中で使うのは大きなリスクだ」という指摘がありました。

また、向洋駅周辺整備など大型事業の借金について、インフレ・金利上昇局面で財政圧迫に拍車がかかるのではないかという心配の声もありました。

町は2億1千万円と言っていますが、物価高騰が続くなかで、これは明らかに少なすぎる見積もりです。

第3に、手続き・プロセスの透明性に対する不信感です。

町長選の公約に直接掲げていなかったのに突然出てきた印象があり、「町長の個人的な手柄づくり・恣意的な誘導ではないか」という疑念が表明されました。

具体的には、アンケートではなく、町民の意思をダイレクトに反映できる「住民投票」で可否を決めるべきであるとか、広報や説明会で「メリットばかりが目立ち、デメリットやリスクの提示が十分になされていない」いという指摘がされました。

実に様々な疑問や懸念が噴出したのです。

令和初、お祭り、イベント

先月、6月27日から30日にかけて町議会が開かれました。

山口議員と川上議員の質問に対して、市にする理由として、新しく「令和初」という言葉を町長は持ち出しました。

「今このタイミングで市になれば、『令和初の市制移行』という、またとないブランドが手に入る。永久に使えるキャッチフレーズになり、唯一無二のブランドになる」と。

私は、翌日が自分の一般質問の番でしたので、過去の歴史を調べてみました。

「昭和最初」は鳥取県米子市、「平成最初」は千葉県袖ケ浦市、「21世紀最初」は沖縄県豊見城(とみぐすく)市でしたが、一般にはほとんど知られていません。

「昭和初」も「平成初」も、誰も覚えていないのですから、「令和初」という名前もすぐに記憶から消え去ります。

町長の言うプロモーション効果などというものは、極めて一時的で、限定的なものだと言わざるを得ません。

私は、このように批判したんですが、それが影響したのかどうか分かりませんが、きっと評判が良くなかったのでしょう。

今回の説明会では「令和初」という言葉は一度も使われませんでした。

町の外向けのイメージ作りに、貴重な税金を投資するのか。

それとも、数年後、数十年後に住民の皆さんから「本当に暮らしやすい町だ」と評価される「足元の現実の暮らし」を充実させるのか。

イメージ戦略を追うのではなく、住民の暮らしの質を充実させることこそが、いま府中町が進むべき道です。私はこのことを議会で強く指摘いたしました。

私が答弁を求めていないにもかかわらず、寺尾町長は発言しましたが、町長の口から出てきた言葉は、「ポジティブ」「お祭り」「イベント」でした。

これにも驚きました。「令和初の単独市制は、お祭りであり、イベントだ」と言うのです。

2億円、あるいは3億円近くもの税金を使って、市になるという「お祭り・イベント」を進めようとしている。

町民の暮らしに直接結びつかないイベントに、それほどの大金を投じるというのです。

町長は「市になることをポジティブに考えろ」と言いますが、町長こそ、府中町が「町」であることの価値をポジティブに考えるべきではないでしょうか。

町民のみなさんは、「人口日本一の町」である現状を積極的に評価しています。

もし市になれば、全国に792ある市の中で、府中町は500番目よりも後ろになります。5万人の市というのは、全国どこにでもある、特に珍しくもない普通の市として792の市のなかに埋もれてしまいます。

市制移行は断念すべき

市になっても住民サービスが良くなるわけではないから、私は市制移行に反対しているのです。

25日の住民説明会の閉会あいさつで寺尾町長は、「みなさんの意見をいろいろ聞くと正直へこみます」と言いました。

賛成の声はなく批判と疑問の声ばかりだったからです。

会場には250人ぐらいの人がいましたが、参加者の中から「賛成の人は手をあげて」という声があり、手を挙げたのは1人。

手を挙げられなかった人もいると思いますが、それでも市制に賛成する人はごくわずかでしょう。

町長は住民の声に耳を傾け、もう市制移行は断念すべきです。

次の町長選挙は、2年後の2028年5月です。寺尾町長が、もしどうしてもこの町を市にしたいというのであれば、次の町長選の公約に堂々と掲げて、町民の皆さんの審判を仰いだらいいのではないでしょうか。

私は、住民にとって何のメリットもない、3億円近くもかける市制移行に反対です。

府中町は、府中町のままがいい。

「やっぱ府中町じゃね」

私はそう思います。

 

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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