不交付団体と原発、基地

不交付団体とは
自前の税収などの財源が十分にあるため、国から普通交付税が交付されない地方自治体のことを「不交付団体」といいます。ですから、不交付団体は財政力が充実している、「お金持ちの自治体」ということになっています。
2026年度の算定では、市町村では86団体、全市町村の約5%が不交付団体です。都道府県では東京都だけが不交付団体になっています。
不交付団体が多い都道府県のトップ5は、愛知県18市町村、東京都10市町、神奈川県9市町、千葉県8市町、静岡県5市町です。
全国で最も多い愛知県ですが、豊田市、刈谷市、安城市などの名前を見ると、なるほどと思います。
トヨタをはじめ、自動車関連の大企業や工場が集まる地域だからです。法人住民税や固定資産税などの税収が大きいのでしょう。首都圏の自治体も、同様です。
リストを眺めていて「あれ?」と思いました。泊村、六ヶ所村、東海村、刈羽村、美浜町、高浜町、おおい町、玄海町……。
これは、原子力発電所や原子力施設のある自治体ではないか。そして基地のある自治体も。

交付金より固定資産税
原発や基地のある自治体には、国からさまざまな交付金が入ります。
そのため収入が増えて、不交付団体になるのだろう。そうピンときました。しかし、そうではなかったんです。
原発立地自治体が不交付団体になる要因は、原発そのものなのです。
原発は巨大な固定資産であり、固定資産税が入る。
資源エネルギー庁によると、原発立地市町村の固定資産税は地方税収の60%を占めます。一方、全市町村の平均は41%です。
原発立地自治体が不交付団体になるのは、固定資産税という強い税源があるからなのです。
基地交付金と不交付団体
では、基地はどうなのでしょうか。
基地交付金や調整交付金は、基地があることで生じる財政需要に対応するためのもの。
ただし、普通交付税の計算では、これらの交付金は自治体の「収入」に数えられません。
この交付金が増えても、交付税を計算するときの収入は増えない。
したがって、基地交付金によって不交付団体になることはありません。
総務省は国会で、「基地所在の市町村の普通交付税の交付額への影響はございません」と答えている通りです。
実際、日本で最も多くの米軍基地を抱える沖縄県を見てみると、41市町村すべてが交付団体で、不交付団体は一つもありません。
原発と基地。
どちらも迷惑施設で、交付金が国から支給されます。
そして原発は莫大な固定資産税を生みます。
基地交付金は普通交付税の計算上の収入に入らないので、それによって交付税が減らされることもありません。
国は、基地や原発を抱える自治体にさまざまな名目で金を出し、その負担や反発を和らげ、受け入れを促し、拒否しにくくしているのです。

このシュール(超現実的)なイラストですが、上述の原稿を書きつつ、チャッピー(ChatGPT)に、基地と原発のイラスト作成を願いし、最初に出来たものです。
絶句しました。いやあ、これはいくらなんでも…。基地の隣に原発がある。
二つに分けてもらうようにお願いし、完成したのが一番上のイラストです。
チャッピーとやりとりで
「米軍基地の集中する沖縄には原発が一つもない。原発を攻撃されれば基地もおじゃんだからね」
と私は書きました。
そしたらチャッピーに
「事実と推測を分けた方がいいですね。沖縄県に商業用原発が一基もないのは事実です。ただし、『米軍基地が集中しており、原発が攻撃されれば基地機能も失われるから、沖縄には原発を置かなかった』という因果関係は、確認できる公的資料からは言えません」とたしなめられました。
そりゃそうです。
「基地があるから原発がない」などということを政府がいえば、大問題になります。
政府は、沖縄には地理的・地形的な制約や電力需要の規模、本土の電力系統とつながっていないという事情があり、大規模な原子力発電所の導入は困難だと説明しています。
「基地が集中しているから原発がない」というのは、仮説ですが、沖縄を除く、全国各地につくられてきました。
山口県上関町への原発建設もまだあきらめていません。
沖縄に「ない」のは政府の説明とは違った理由があるはずです。












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