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2026-09-16

2023年度決算についての意見表明

2024/12/17

第58号議案「2023年度府中町歳入歳出決算の認定について」に賛成の立場から討論いたします。

1.歳入

 

住民に寄り添った徴税が不納欠損を減らす

まず、歳入の収納状況ですが、一般会計の町税収納率(現年課税分)は99.5%で、引き続き高い水準です。

一般会計の不納欠損――時効などで徴収する見込みがない未収金、いわば「焦げ付いた」お金のことです。

この不納欠損が2023年度は481万円で、2022年度の643万円より162万円少なくなりました。

過去の不納欠損ですが2014年度には3,249万円あったものが年々減少し、2015年度から1千万円台が続いて、令和5年度と6年度が百万円台になりました。

債権管理課長の説明にもありましたが、これまでの収納率の高さが、不納欠損額を少なくしている。厳しい取り立てでなく、住民に寄り添った丁寧な徴税業務によって不納欠損を減らしている。そのことを高く評価したいと思います。

財政力指数のもつ意味

一般会計決算は、前年度比で町税が2億2千万円増の77億円、普通交付税が2億円増の22億円、国庫支出金が2億6千万円増の46億3千万円、町債が6億円増の18億円となりました。

歳入総額は191億円から18億円増えて209億円です。

2023年度の実質収支*1)は、2020年度:3億1千万円、2021年度:2億9千万円、2022年度3億5千万円から続く2億5千万円で、堅実な財政運営がされていると思います。

財政力指数について、0.81から0.78に下がったことを問題視する意見もあるようですが、財政力指数は、基準財政収入額を基準財政需要額で割った数です。

「財政力指数が高いほど、普通交付税算定上の留保財源が大きい」と総務省も言っていますが、財政力指数が高いと地方交付税が少ないということです。

財政力指数が高い自治体は、国にとって支払う交付税が少ないわけですから、有り難い存在だといえます。

しかし、その自治体に住む住民にとってよいことだとは言えない。

財政力指数の低い神石高原町と比較してみたいと思います。

2023年度は総務省の決算カードはまだ出ていませんので2022年度の数字です。

府中町の財政力指数は0.81で、神石高原町は0.2です。地方交付税は府中町が21億円で神石高原町は53億円。

一般会計予算の歳出総額は府中町が184億円で、神石高原町は123億円。府中町の人口は51,155人で神石高原町は8,250人。

一般会計予算を人口で割ると府中町が36万円で、神石高原町は150万円です。どちらの町が住民に手厚いサービスができるのかは明白ではないでしょうか。

その証拠というわけではありませんが、神石高原町は2021年に役場庁舎を、2022年には町立病院を建替えました。同時並行です。

財政調整基金は、府中町16億円に対して神石高原町53億円です。財政調整基金が多いことが必ずしもいいこととは思いませんが、財政に余裕があるわけです。

このように、財政力指数の高い低いよりも、町民のために使える財源が多いか少ないかが重要です。

私は「地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障する」という地方交付税の意義を認めるものです。

しかし、当町の場合、先ほど神石高原町と比較してみたとおり、あまりにも少なすぎる、バランスを欠いている、と考えます。

以前、当町のように面積が狭くて人口の多い町は基準財政需要額が低く見積もられているのではないか、と問題提起しましたが、地方交付税の算定は、単位費用に測定単位をかけて、さらに補正係数をかけるといった、非常に分かりにくいしくみです。

財政力指数の高低に一喜一憂するのではなく、必要な財源をどう確保するのか、これが肝心です。

*1)歳入決算総額から歳出決算総額を単純に差引いた額(形式収支)から,翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた額。

2.歳出の評価と要望

 歳出の具体的な個々の事業について7点ほど指摘します。

①行政のデジタル化

第1に「新たな働き方推進事業(業務のデジタル化)」ですが、デジタル化そのものは当然のことと思います。

委員から「費用対効果」という話も出ましたが、その点は短期間での成果を焦らず、中長期的な視点で考えるべきだと思います。

「担当者が異動するとデジタル化業務が停滞する」という趣旨の答弁がありました。

目の前の仕事をするだけで手一杯な状況で、デジタル化に対応する時間がなかなか取れないという現実があると思います。

ですから、デジタル化を進めていく上でも人的な手当て、増員が必要です。

民間企業において、古くは機械化から始まり、電算化、ME化、OA化などが次々導入され、今日のデジタル化に至ったわけです。

これらの導入の主な目的は、人の仕事を機械などに置き換える、人減らし「合理化」の手段とされてきました。

公務においては必ずしも民間と同じであったとは思いませんが、役場におけるデジタル化の取り組みが、人減らしではなく、職場にゆとりをもたらす方向で進むことを期待します。 

②学校の校舎 教室の木質化へ

第2に、「小中学校の施設改修」です。令和5年度は東小学校の屋根と外壁が改修され、令和7年度に北小学校が済めば、町内全ての小中学校の、耐震工事、屋根と外壁の改修が終わります。

次は校舎の内装の改修に速やかに移行すべきです。校舎の老朽化に対して本当は木造での建替えを要望したいところですが、建替えでなく長寿命化で対応するとのことですから、内装の改修に、ふんだんに木を使う木質化を進めていただきたい。

文科省は、学校施設における木材利用の意義と効果として「教育的効果の向上」「地球環境への配慮」「地域の風土、文化への調和」を挙げています。

教育的効果としては「柔らかで温かみのある感触や優れた調湿効果により、豊かで快適な学習環境を形成」とあり、「地球環境への配慮」としては「鉄やアルミニウム等に比べて、材料製造時の炭素放出量が少ない省エネ材料であり、炭素を貯蔵するため温暖化抑制に寄与」することなどが挙げられています。

2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」*2)が制定され、広島県は、同年に「建築物等木材利用促進方針」を、当町は2013年に「府中町公共建築物等木材利用促進方針」をそれぞれ策定しておりますので、教室の木質化は当然のことと思われます。

木材利用に活用できる補助制度として、新増築は原則2分の1、改築・大規模改修等は原則3分の1で、内装の改修は後者だと思われますが、3分の1の補助はいいものでしょう。

文科省の資料には、脱炭素社会の実現に資するため、2022年度より学校施設の内装木質化を標準化するとありますので、木をふんだんに使った木質化は文科省が推進する立場にあるわけです。

さらに地域材――地域材とはその地域で育った木材のことですが、府中町のというわけではなく広島県産材でいいようです――地域材を利用して木造施設を整備する場合、補助単価を5.0%加算すると記されています。林野庁の補助金もあります。

これらの補助金を活用して木質化による速やかな教室の改修を求めるものです。

*2)2021年に、対象を広げた「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」となった。

 

岐阜県中津川市福岡小学校(文科省CO-SHA Platformより)

 

③防災体制強化事業

第3に、「防災体制強化事業」ですが、食料など物資の計画的な備蓄が進められているのは大変いいことだと思います。

大きな災害が起きると避難生活が長期化します。能登半島地震では地震によって水道設備が破壊され、生活用水の確保が困難になりました。飲料水は支援物資として届きますが、洗濯したり、身体を洗ったりする生活用水に困る。この生活用水の問題にどう取り組むのかが問われます。

全国で防災井戸の整備が始まっていますが、町内で登録されている防災井戸――当町では災害時協力井戸と呼んでいますが――防災井戸はわずか17しかありません。これではとても5万2千人もいる町民の水は賄えない。

町内は起伏があり、水脈が浅いところ、深いところ、井戸を掘っても水が出ないところなど色々あると思われます。地質調査をし、井戸を掘るのに適している地域を選定し、公園、学校など公共用地、公共施設から井戸を整備することを求めます。

また、災害が長期化した場合、仮設住宅をどこにつくるのか。府中町には仮設住宅を建てることができるような土地はほとんどありません。ならば、近隣市町と早めに相談をして協定を結ぶなりしておくことが必要なのではないでしょうか。

④子どもの医療費助成

第4に、「子どもの医療費助成の拡充」です。

8年前に初当選したときに、「就学前まで」の助成から、「通院・小学校卒業まで、入院・中学校卒業まで」に前進しました。

2024年1月から通院の助成も「中学校卒業まで」広がりました。議員当選以後、予算・決算の討論や一般質問で、「入院だけでなく通院も中学校卒業まで助成すべきだ」と発言してきましたので、大変嬉しく思います。

また、2025年度からではありますが、寺尾町長は所得制限をなくす意向を示されており、これも大変結構なことだと思います。

府中町としてはこのように前進してきたのですが、全国はもちろん県内市町と比べますと、遅れをとっています。

通院への助成は23市町のなかで18市町が「18歳まで」となっています。広島市は来年1月から小学校卒業から中学校卒業までとなり、広島市と福山市、安芸郡の海田町、熊野町、そして府中町の5市町だけが「中学校卒業まで」の助成です。

全国的なスタンダードからみると、「18歳までの助成」と「一部負担金の廃止」が課題です。

県内では「一部負担金」のない市町は神石高原町だけですが、岡山県で「一部負担金」のある市町村は一つもありません。引き続き頑張っていただきたい。

⑤保育園の新設

第5に、「保育所等創設助成事業」です。

今年4月から府中なかよし保育園が開園しました。

私が議員に初当選した2016年に町立南保育所が廃止となりました。

待機児童が社会問題化し、匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」が大きな反響を呼んだ年でしたので大変驚きました。

増え続ける待機児童の解消のために町は、2020年にこんごうさくら保育園(定員120人)、そして今年定員100人の府中なかよし保育園を整備しました。

その努力で、4月1日時点での充足率が100%から96.4%となり、若干の余裕ができたようです。

しかし、11月27日現在の「認可保育所等の空き状況」をみますと、新設された府中なかよし保育園以外はほとんど空きがない状況です。

 「認可保育所を増やすなど支援を拡充した結果、子どもを預けて働こうとする潜在的なニーズが掘り起こされたり、保育を求める世帯を呼び寄せたりして、逆に待機児童が増える自治体もあり、さながらいたちごっこの様相」*3)だと以前から言われており、これで一段落とはいかないだろうと危惧しております。

新規事業ではありませんが、府中町は、職場復帰に向け、保育園に入園できるかどうかの不安を解消し、育児休業を切り上げることなく取得することができるよう、0歳児期の育児休業終了後の《入園予約制》を実施していることも評価したい。

広島市に住む育休中の人は、いつのタイミングで職場復帰するのか悩み、「府中町がうらやましい」と言っていました。

*3)「待機児童解消、道半ば 首都圏ではいたちごっこ」『日経新聞』2014年5月24日)

⑥ふれいあい収集

第6に、「ふれあい収集事業」です。

ゴミステーションにごみを出すことが困難な世帯に対して戸別収集するというもので、2023年度は42世帯でした。高齢化社会の進展で、必要とする世帯は増えてゆくと予想されます。

今は必要ではないという世帯も含め、府中町には「ふれあい収集」という素晴らしい制度があり、必要になったらいつでも申し込んでください、ということを周知徹底してほしいと思います。

⑦低炭素型社会

第7に、「低炭素型社会づくり推進事業」ですが、「府中町住宅用再エネ等設備導入促進補助金事業」が開始され、「住宅に太陽光発電システム、家庭用燃料電池および家庭用蓄電池を設置した町民に対して補助金」を交付しています。これらの設備の導入を促すとともに、断熱、日射遮蔽、気密を重視する必要があります。

資源エネルギー庁は「家庭の省エネルギーを進めるうえで重要な要素である暖冷房エネルギーを少なくするためには、機器の使い方や省エネ性能の高い機器選択と並んで、住宅そのものを省エネ住宅にすることで、大きな効果を得ることができます」*4)とし、省エネ住宅にするには「断熱、日射遮蔽、気密の3つが対策の柱」となると言っています。

町のサイトには「住宅の断熱改修に関連する補助金」のページがありますが、県の補助金の紹介です。ぜひ町として上乗せするなどして拡充することを希望します。

*4)資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」
 
以上の点に留意し、今後の予算編成や行財政執行に生かしていただくことを要望し、賛成討論といたします。

 


2022年度決算についての意見表明

2024年度決算についての意見表明

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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