放課後児童クラブの現状と課題について 

2019年6月議会 一般質問

《印刷用PDF》

 

はじめに

 
放課後児童クラブは、保護者が就労などによって昼間家庭にいない小学生を対象にして、学校課業日の放課後と、土曜日や春・夏・冬休み等の学校長期休業日の子どもの生活を保障する事業です。

児童福祉法にはつぎのように定められています。

「この法律で、放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学している児童であつて、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう」(児童福祉法第6条3第2項)。

また、厚労省の作った「放課後児童クラブ運営指針」には、「放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進することに努めなければならない」とあります。

昨年(2018年)の調査では全国で121万人を超す小学生が「放課後児童クラブ(学童保育)に入所しています。10年前の2008年は78万9千人でしたので、この10年間で1.5倍となっており、今後さらに増え続けていくことが予想されています。

府中町でも町内5つの小学校あわせて700人近い児童が利用しています。児童数は約3000人ですのでその2割強、学年別にみますと1,2年生の4割、3年生の3割、4年生の2割が利用しています。5,6年生の利用は少ないようですが全国的な傾向としては高学年もここ数年増えているようです。。

他の自治体では学童保育に入れない、いわゆる待機児童がいるところもありますが、当町は希望者を全て受け入れていると伺っています。このたび府中南小学校には施設が増設されました。運営も公立公営で、保護者の負担もおやつ代などの「活動費」月2000円だけであり、利用料もありません。このように当町の「放課後児童クラブ」は、「子育てしやすい町」という評価を受ける一因となっていると思います。

子育てへの不安、配慮や支援が必要な児童が増え、「子どもの貧困」に象徴される暮らしの困難を抱える家庭が増えているなかで、安全で安心して過ごすことのできる放課後の生活を子どもたちに保障し、そのことを通じて働きながらの子育てを支えていく役割が放課後児童クラブには今後さらに期待されます。

 

放課後児童クラブとは

放課後児童クラブ、いわゆる学童保育は託児、子どもを預かっているだけだと思っている人も多いようです。しかし、子どもたちや保護者にとって大変重要な役割があります。

厚労省がつくりました「放課後児童クラブ運営指針」には、「放課後児童クラブにおける育成支援は、①子どもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整え、②安全面に配慮しながら子どもが自ら危険を回避できるようにしていくとともに、③子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるように、④自主性、社会性及び創造性の向上、⑤基本的な生活習慣の確立等により、子どもの健全な育成を図ることを目的とするとあります。

放課後児童支援員の役割については次のように書かれています。

「放課後児童支援員等の役割放課後児童支援員は、①豊かな人間性と倫理観を備え、②常に自己研鑽に励みながら必要な知識及び技能をもって育成支援に当たる役割を担うとともに、③関係機関と連携して子どもにとって適切な養育環境が得られるよう支援する役割を担う必要がある。また、放課後児童支援員が行う育成支援について補助する補助員も、放課後児童支援員と共に同様の役割を担うよう努めることが求められる」。

豊かな人間性と倫理観をもち、常に研鑽に励んで、子どもに適切な養育環境が得られるように支援するという役割が期待されている。

具体的にはどういったことが指導員に求められるのか。「運営指針」は大きな項目で9つあげています。

① 子どもが自ら進んで放課後児童クラブに通い続けられるように援助する。
② 子どもの出欠席と心身の状態を把握して、適切に援助する。
③ 子ども自身が見通しを持って主体的に過ごせるようにする。
④ 放課後児童クラブでの生活を通して、日常生活に必要となる基本的な生活習慣を習得できるようにする。
⑤ 子どもが発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができるようにする。
⑥ 子どもが自分の気持ちや意見を表現することができるように援助し、放課後児童クラブの生活に主体的に関わることができるようにする。
⑦ 子どもにとって放課後の時間帯に栄養面や活力面から必要とされるおやつを適切に提供する。
⑧ 子どもが安全に安心して過ごすことができるように環境を整備するとともに、緊急時に適切な対応ができるようにする。
⑨ 放課後児童クラブでの子どもの様子を日常的に保護者に伝え、家庭と連携して育成支援を行う。

これは項目だけをあげたのです。この項目の下にさらに2~8の小項目があって、たとえば③の「子どもが主体的に過ごせるようにする」には3つ、

・子どもが放課後児童クラブでの過ごし方について理解できるようにし、主体的に生活できるように援助する。
・放課後児童支援員等は、子ども全体に共通する生活時間の区切りをつくり、柔軟に活用して子どもが放課後の時間を自己管理できるように援助する。
・放課後児童クラブにおける過ごし方や生活時間の区切り等は、保護者にも伝えて理解を得ておく。

という、さらに具体的な課題といいますか、やるべきことが書かれています。

これだけではありません、これらのことに加えて、「障害のある子どもへの対応」、「特に配慮を必要とする子どもへの対応」、「保護者との連携」といったことも求められるのが放課後児童クラブの指導員なのです。これだけ高い専門性を求められながら、その処遇は正規職員ではなく、嘱託職員と臨時職員だということに大変問題を感じています。

今年度予算でいいますと、嘱託指導員22人の賃金合計は4,179万円、臨時職員の賃金合計は1350万円。嘱託指導員の月給は有資格者で156,800円、無資格の場合は151,500円に過ぎません。年収で188万円ほどです。臨時職員の場合は勤務時間も短いのでさらに低くなる。

このような処遇をそのままにしておいて、豊かな人間性と倫理観をもち、常に研鑽に励んで、子どもに適切な養育環境が得られるように支援することを指導員に求めるのは非常に理不尽だと思います。基本的には国の制度設計――補助単価が極めて低く抑えられていること――に問題がある。このことを指摘しておきたいと思います。

 

 

職員配置基準の緩和ではなく増員を

さて、第9次地方分権一括法が5月31日、参院本会議で可決、成立し、1クラス2人以上という職員配置基準は、拘束力のない「参酌基準」となりました。市町村の判断で無資格者1人での運営もできるということです。

政府は拘束力のない「参酌基準」としたことについて「これまでの配置基準では運営に支障をきたす自治体が多い」と答弁し、放課後児童クラブ指導員の確保が困難であることを理由にあげています。しかし、配置基準を引き下げれば、職員の業務は過重になり、職員の確保がさらに困難になることは明らかです。専門性のある学童指導員の確保策を検討することなく、安易に基準を引き下げることは、子どもの命と安全を守るという国と自治体の責任を放棄するに等しいものです。

「従うべき基準」を「参酌化」すれば、自治体の財政事情などによって基準を引き下げることが可能となり、全国一律の最低基準という意義が失われ、児童福祉法のいう「適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」ことが極めて不安定な状況に置かれることになるでしょう。

府中町は現在、児童40人に対して2人配置(嘱託指導員2人又は嘱託指導員1人と臨時指導員1人)という児童福祉法の基準を満たしていますが、土曜日や学校休業日には1クラスに1人の嘱託職員しかいない場合も多く、現状でも子どもたちに「適切な遊び及び生活の場」を提供しているのかという点で問題があるといわざるを得ません。

このような状況を変え、「放課後児童クラブ運営指針」にそって指導員の方々に頑張ってもらうためにも、処遇の改善と指導員の増員こそが求められていると思います。

そこでお尋ねします。

①嘱託指導員を減らすどころか増やすべきだと思いますが、町はどのように考えていますか。

教育部長 今回の児童福祉法の改正により、支援員の人員確保の難しさなどから、放課後児童支援員の基準について「従うべき基準」から「参酌すべき基準」へ改正され、地域の実情を踏まえた条例を定めることができるようになりました。

町では、これまで、国の基準に基づき条例を制定し人材確保に努め職員配置しております。今後、放課後児童クラブの児童数が増加し、人材確保が困難となった場合においても、子どもを見守る児童福祉施設として、現時点においては事業の質を担保するため指導員の配置については、現行体制維持が望ましいと考えております。

 

多額の現金管理をなくすべき

ふたみ議員 つぎに指導員の扱う現金の問題についてお尋ねしたいと思います。現在、おやつ代や工作材料などにあてる放課後児童クラブの「活動費」は月2000円で2カ月ごとに徴収されています。それぞれの児童クラブの指導員は数十万円のお金を現金で管理しており、不安の声が寄せられています。

府中小は最も利用者数が多く、180人の児童がおりますので、月36万円、夏休みの時は2カ月分の72万円を預かることになるわけです。このような多額の現金を指導員が管理するというのは、事故のもとになります。できるだけ扱う現金が少なくなるようにすべきであります。

そこでお尋ねします。

②先般も中学校で現金の紛失事故がありましたが、児童クラブの現金の扱いについてどのような対応をされるでしょうか。

教育部長 放課後児童クラブでは、おやつや工作等をする際の材料代、スポーツ安全保険代金など実費費用として、7月及び8月の長期休業中は2月分まとめて、その他の月は毎月2千円の活動費を、集金しています。

その集金方法は、集金袋により児童に持参させ、指導員が保管し現金を出納しています。現在の活動費の現金の集金方法や保管については、紛失などの恐れもあり見直す必要があると考えております。今後は、他市町の状況も参考にし、口座引き落としを含めた安全な現金の取り扱い方法について検討し、なるべく早く改善してまいりたいと考えております。

トイレの増設を

ふたみ議員 第三に、放課後児童クラブの施設について質問いたします。

中央小学校ですけれども2つの建物と学校の教室を使って運営されています。子ども50人に対して和式のトイレが一つしかありません。洋式トイレしか使ったことのない子どもは、校舎内のトイレを使うことになるわけですが、遠いので間に合わないことがあるそうです。高学年の利用も増えており、初潮を迎えた子どもへの配慮も必要です。職員用のトイレもありません。
今年度、南小のトイレの改修が行われ、北小、東小も設計をすると伺っています。そこでお尋ねしますが

③トイレの少ない児童クラブ施設には増設が必要だと考えますが、町としての見解と対応はどのようなものでしょうか。

教育部長 学校によっては、人数に対しトイレが少ないという状況があるということですが、運用として現在は、隣接する放課後児童クラブ、校舎を利用していただいております。
今後、見込まれる放課後児童クラブの利用実態の推移や利用状況を踏まえ、検討してまいりたいと考えます。

 

「放課後子供教室」との一体化の問題点

ふたみ議員 各市町村において、教育委員会が主導して福祉部局と連携を図り、文部科学省の「放課後子供教室」と厚生労働省の「放課後児童クラブ」を一体的あるいは連携して実施する総合的な放課後対策(放課後子どもプラン)が進められています。

「放課後子供教室」は、「すべての子供を対象として,安全・安心な子供の活動拠点(居場所)を設け,地域の方々の参画を得て,学習やスポーツ・文化芸術活動,地域住民との交流活動等の機会を提供する取組を推進する」(文科省「放課後子供教室等について」2014年8月11日)ものです。
この事業は、全ての子どもたちの安全、安心な居場所を確保するとともに、地域の実情に応じた多様な学習や体験活動を通じて、次代を担う子供たちの健やかな育成を図る役割を担うとされています。

私は「放課後子供教室」そのものには反対ではありません。おおいにやったらいいと思います。大変、気になっていますのは「一体型」と言われるものです。「放課後子供教室」と「放課後児童クラブ」を一体的に行う。文科省・政府はこれを大いに進めたい。

昨年(2018年)9月に策定されました「新。放課後子ども総合プラン」をみますと「小学校内で両事業を行う《一体型》の実施は、増加傾向にあるものの目標への到達を果たしていない」「全ての小学校区で、両事業を一体的に又は連携して実施し、うち小学校内で一体型として1万箇所以上で実施することを目指す」とあります。全国の小学校は約2万ですので、その半分を「一体型」にしようという計画です。

なぜ、文科省・政府は「一体型」に熱心なのでしょうか。

放課後児童クラブと放課後子供教室の一番大きな違いは、放課後児童クラブは専任の指導員がいるのに対して、放課後子供教室の方は「地域の協力者」「地域の人材活用」となっていることです。要するにボランティアなんですね。先ほども申しましたように、放課後児童クラブの処遇は、だいたいどこでも年収200万円以下ですが、さらに安上がりにしようという意図が透けて見えるわけです。将来的には「放課後児童クラブ」を縮小、廃止して「放課後子供教室」に置き換えようとしている。

しかし、そんなに都合よくボランティアが集まるのでしょうか。いま、「老後の資金が2000万円足りない」という金融庁の報告書が大問題になっています。そして今後ますます不足額が増えていくという。だから「定年後」も働かないといけない。そういう人たちがこのままでは増えていくばかりです。現在でもボランティアの確保は大変なようです。

放課後児童クラブは、生活の場であり、発達保障の場であり、遊びの場であり、ほっと一息つける居場所としての役割がある。しかし放課後児童教室は、教室ですのでプログラムがあり学校の延長、放課後の「授業」ということになる。そうすると「ほっと一息つく」ということにならない。時々そういう企画があるということならいいんですが、毎日それではこどもたちはかなわないわけです。おそらくそういう批判があることが分かっているので、「新・放課後子ども総合プラン」でも「一体型として実施する場合でも、放課後児童クラブの児童の生活の場としての機能を十分に担保することが重要」と書かざるをえなかったんだと思います。

連携はあっていいと思いますが、性質のことなる「放課後子供教室」と「放課後児童クラブ」を一体的に進めることにはさまざまな問題ががあり、すべきではないと思います。
そこでお尋ねします。

④「放課後子供教室」と「放課後児童クラブ」一体的運営について町はどのようにお考えでしょうか。

教育部長 当町においては、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図ることを目的に、放課後児童クラブを設置しております。

また、それとは別に、地域の方々の参画を得て、子どもたちともに勉強やスポーツ・文化活動などの取組を実施する放課後子ども教室を設けております。この放課後子ども教室は町内各小学校において、それぞれ定員20名で、毎週水曜日に実施しています。

また、放課後児童クラブは、児童数が少ない学校でも80名程度、多い学校になると170名を越える児童が在籍しており、放課後子ども教室の一体的な運営においては、ボランティア指導者の確保という課題もあり、一体的な運営は難しいと考えております。

しかしながら、一部の児童ではございますが、放課後児童クラブの児童が放課後子ども教室へ参加している実態もあります。

 

民間委託はすべきでない

ふたみ議員 全国各地の自治体において、臨時・非常勤職員が担っていた業務を民間企業等に包括的に委託し、当該業務に従事していた臨時・非常勤職員を解雇あるいは雇い止めにする動きが現れています。

こうした包括的民間委託の動きは、来年度(2020年度)から始まる会計年度任用職員制度への移行に乗じて加速しており、導入に伴う財政負担増や人事管理の煩雑さを避けることを口実に進められようしています。

企業経営による問題
安倍総理 は2013年、「成長戦略第3弾スピーチ」(6月5日)で次のように言いました。

「《官業》の世界を、大胆に開放していくこと。そして、日本人や日本企業が持つ、創造力や突破力を信じ、その活力を自由に解き放つこと」が、「安倍内閣の仕事」であり、「《民間の活力》こそが、アベノミクスの《エンジン》です」。

「アベノミクス」の三本の矢の一つ「成長戦略」の一つが官業=公務の民営化であり、「放課後児童クラブ」の民営化もその流れのなかにあります。この間、「放課後児童クラブ」の利用者は急速に増えており、それをビジネスチャンスと捉える企業もまた増えている。

民間企業の方が安上がりで効率的だというような荒っぽい見解もあるようですが果たしてそうでしょうか。「放課後児童クラブ」への企業参入には大きな問題があります。

まず第1に、企業の目的は営利であり収益を上げることです。

「放課後児童クラブ」にかかる経費は施設を除けば圧倒的に人件費です。当町の今年度予算でも、放課後児童クラブ全体の予算は6443万円で、人件費(嘱託員の賃金と社会保険料、臨時指導員の賃金、費用弁償)の占める割合は96%。利益を出そうと思えば人件費を削る以外にありません。ある市では運営企業に保護者会が収支決算書の開示を要求したところ、運営費の3分の1、1000万円が会社の経費や利益に回されていたことが明らかになりました。人件費や活動費を削って利益を出す、それが営利としての「放課後児童クラブ」なのです。

指導員が続かない 専門性の蓄積も困難に
「放課後児童クラブ」を民間委託する理由の一つとして指導員の確保が難しいということが言われています。しかし、指導員の確保が難しいことの最大の原因は、指導員を正規雇用せず、年収200万円以下という処遇、労働条件の悪さにあります。民間委託してますます賃金水準が下がれば、本当になり手がいなくなります。
多くの業者は他産業からの参入ですので、「放課後児童クラブ」に対しての理解が浅い。職員はマニュアル通りの対応が求められ、創意工夫しながら子どもたちの生活にかかわっていくことが難しくなります。
低い処遇に加え、やりがいもない。民営化された施設では辞める職員がたくさん出ています。現在でも官民あわせて全国で3年で半数が退職しているそうです。これがもっと増えるになるでしょう。

行政責任の低下
民間委託を進めた自治体の多くが「民間委託とはいえ、市(町・区)が管理し責任を持つ」「保育水準は変わらない。今まで通り」と説明しますが、実際には民間運営が始まると、ほぼ全て事業者任せという実態があります。行政に問題点を指摘し要望を届けても「運営は事業者にお願いしている」と言われ、堂々めぐりになっているというのです。
現在は、放課後児童クラブで起きるさまざまな問題は指導員と教育委員会で話し合いながら解決していると思います。しかし、民間企業への委託となった場合、請負契約となり、その場合は結果が全てで仕事の手順ほか具体的なことは問わない、問われないというものなのです。

「偽装請負」
「いや、うちではちゃんと指導員に指示をだします。指導員の話をよく聞いてやりますから大丈夫です」と言うかもしれません。しかし、これは労働者派遣法や職業安定法に抵触する「偽装請負」という違法行為、脱法行為となります。
「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区別に関する基準」(昭和61年4月17日労働者告示第37号、いわゆる「37号告示」)は、①「自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること」と②「請け負った業務を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること」を、労働者派遣ではなく請負であると認められるための要件としています。「独立して処理する」とは指図を受けないということです。
ですから、民間委託が「偽装請負」とならないためには、自治体職員が指導員(請負労働者)に業務上の指示をしたり、指導員(請負労働者)の管理・監督してはならないことはもちろん、民間事業者ないしその管理責任者への発注行為も、発注権限を有する職員から行われなければならない。発注権限のない一般の自治体職員からの発注行為の実態は、請負労働者に対する業務に関する指示・管理であり、偽装請負となるのです。
このように「放課後児童クラブ」の民間委託には多くの問題があります。民間委託はすべきではありません。
そこで伺います。

⑤当町では放課後児童クラブを民間委託する計画があるのか、お伺いします。

教育部長 共働きが増え、保護者の働き方改革や放課後児童クラブの児童数の増加が見込まれる中、放課後児童クラブの運営のあり方についても、検討することも必要と考えます。近隣の海田町をはじめ民間委託へ移行されている実態もあります。

そのため、当町においても一つの手段として民間委託のメリットやデメリットについて、調査研究していきたいと考えています。

 

 

《2回目の質問》

1点目の嘱託員指導員の増員について、参酌基準になっても現状職員配置基準を守るという答弁したので、減らすことはないという点で安心するとともに、増やすということも考えられていないという点では大変残念な思いです。

増員には予算が伴いますのでなかなか腰が重くなるとは思いますが、児童福祉法のいう「適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」うえで増員は欠かせません。そこでお伺いします。

①町としてぜひ国や県に対して増員の助成措置を求めてほしいと思います。町としてそのような要望をするつもりはございますでしょうか。

2点目の現金の取り扱いについてですが、口座引き落としを含めた安全な現金の取り扱い方法について検討し、なるべく早く改善したいということでした。一日も早くこの問題をなくすようお願いします。

3点目の放課後児童クラブ施設のトイレの増設について、「検討する」という答弁でした。それほど広くない施設のなかでトイレだけを改修するのはなかなか難しい面をもっていると思います。しかし、トイレは日々のことですので、子どもたちがトイレに困らないよう、増設と洋式化をしていただきたいと思います。手洗い場も不足しているようですので合わせて要望しておきたいと思います。

4点目の放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体的運営についてですが、「放課後子ども教室のー体的な運営においては、ボランティア指導者の確保という課題もあり、一体的な運営は難しい」との答弁でしたので、今のところ一体的運営は考えていないということが分かりました。現状では相当無理があるということですね。

5点目の放課後児童クラブの民間委託についてですが、今後、「一つの手段として民間委託のメリットやデメリットについて、調査研究していきたい」という答弁で、今すぐには考えていないけれど今後は分からないということだと理解しました。

総務省が先日、「会計年度任用職員制度の導入に関わる事務処理マニュアル(Q&A)」の内容を追加し、通知しました。

「臨時・非常勤職員について、経費削減の観点から会計年度任用職員には移行せず、これまで臨時・非常勤職員が担っていた業務について、民間委託を行うこととしてよいか」という問いに対して、

「臨時・非常勤職員について、それぞれの職の必要性を十分に検討した上で、民間委託によって現状よりも効果的・効率的な行政サービスの提供が可能になると判断できる場合は、その結果として職の整理(廃止)を行うことはあり得る」とする一方で、

「しかしながら、それぞれの職の必要性を十分に検討することなく、単に勤務条件の確保等に伴う財政上の制約を理由として、会計年度任用職員制度への必要な移行について抑制を図ることは、適正な任用・勤務条件の確保という改正法の趣旨に沿わないものである」というものです。

国会でも、衆議院総務委員会で、総務省自治行政局公務員部長の大村慎一政府参考人が「単に勤務条件の確保等に伴う財政上の制約を理由として、会計年度任用職員制度への移行について抑制を図る、こうしたことは、適正な任用、勤務条件の確保という改正法の趣旨には沿わないものであると考えております」(2019年2月21日)と答弁しています。

私としては民営化に反対ですが、検討するなとは言いません。しかし、今まで述べてきましたように「効果的・効率的な行政サービスの提供」にはほど遠い結果になるでしょう。ぜひ慎重に検討していただきたいと思います。

開設時間の延長について
放課後児童クラブに預ける保護者にとって、もう少し時間を延長して欲しいという要望は、保護者の労働時間が長くなっているなか、もっともだと思います。全国では「18時半を超えて開所しているクラブが全体の55%を占めており、増加傾向にあ」ります(第4回社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会 参考資料2、2018年1月29日)。
しかし、時間延長にともなう問題が発生します。

嘱託指導員は、1日5時間で週6日勤務しています(平日は13:15~18:15、土曜日や学校休業日は8:30~13:30または13:15~18:15)。
土曜日や学校休業日の開所時間は、8:30~18:15の9時間45分です。1日5時間勤務の指導員が早出勤務(8:30~13:30)と遅出勤務(13:15~18:15)をし、15分の勤務の重なりがあってぎりぎり引継ぎができるといった状態です。

時間を延長するならば、子どもの安全確保のために指導員の勤務時間を延長するか、指導員の増員が必要です。臨時指導員は指導員の補助という位置づけですので臨時指導員しかいない時間を増やすことは避けるべきでしょう。

開所時間を延長するためには、1日5時間勤務から6時間勤務にするか、指導員を増員することが必要です。②開所時間延長に伴う勤務時間の延長、増員についてどのようにお考えですか。

教育部長 1問目の国や県に対して嘱託指導員の増員するための助成措置を求めてほしいという質問ですが、放課後児童支援員の職員配置は、国の基準に基づき条例を制定し、この基準により職員を配置しております。

また、児童クラブへの職員配置に際しては、職場の実態に基づいて、必要となる人員を配置しております。

これらの人件費は、現行制度の補助基準内で対応できており、現時点において国や県へ対し特別な措置を求めることは考えておりません。

2問目の開所時間延長に伴う勤務時間の延長、増員についてですが、開設時間の時間延長については、まずは利用者の需要を把握するため、ニーズ調査を実施するよう考えております。

その結果、時間延長を実施する場合においては、条例の配置基準を遵守し、事業の質を担保しつつ、適正な職員配置とします。

また、実施に際しては、配置人数とあわせ、勤務時間や勤務日数などの勤務形態の労働条件について検討するようになると考えております。

 

《3回目の発言》

ふたみ議員 1問目の指導員の増員に対して国の基準と職場の実態に基づいて指導員を配置しているという答弁でした。

国の基準は確かに満たしていますが、職場の実態に基づいていると言えるのでしょうか。指導員さんからは「現状の職員数では全ての子どもたちに目が行き届かない」という声が聞こえてきます。東小や北小では土曜日や夏休みなど学校休業日、午前か午後は臨時指導員しかいないという状態になっています。これでいいんでしょうか。

子どもというのは、予想外想定外のことを起こすものです。だからこそ、そうであることを私たちは想定しないといけない。全国で、そして町内でも起きた不幸な事故からそのことを私たちは学ぶべきです。事件は現場で起こるのです。現場の声にもっと耳を傾けることが必要ではないでしょうか。

現場の声は、本来であれば児童40人に対して2人の職員配置をすべて嘱託指導員にしてほしいけれども、最低でも中央小を除く町内4小学校に嘱託指導員を一人ずつ増やして欲しいというものです。22人から26人へ、わずか4人です。嘱託指導員1人にかかる年間経費は社会保険料を含んでも216万円で町が単費で増やしても4人で864万円にすぎません。国や県の補助があれば町の負担は3分の1になり、288万円となります。

このことと合わせて、嘱託指導員の人たちが苦労しているのは、臨時指導員を見つけることです。そもそも嘱託指導員が臨時指導員を探さなければならないこと自体がおかしい。臨時の人の手当がつかなければ嘱託職員が超過勤務をしてカバーしている。ますますおかしい。

そして、人員増についての要望すらしない。不幸な事故が起きる前にぜひ手を打って欲しい。

職員増についてもっと真剣に考えていただきたいと思います。そのことを述べまして私の質問を終わります。

 

 

2019-06-24 | Posted in 府中町議会No Comments » 

関連記事

Comment





Comment