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2026-06-14

ブランドってなに?

市はブランド?

市制移行について府中町は、市になることがブランド力を高めると言っています。

「課題の解決に向けては、地域に《人》《モノ》《情報》《仕事》を呼び込んでくることが必要不可欠です。そのためには、地域の魅力やブランド力を高め、外に向けて発信していくことが重要になります」

「「市制施行」により、地域のブランド力や、住民の誇り・愛着を更に高めるとともに、情報発信・収集力の強化につなげたいと考えます」

「都市としてのブランド力の向上」「自治体としての存在感が高まる」

そもそもブランドとは何なのでしょうか。

ルイヴィトンやエルメスは「最高峰のブランド」と言われていますよね。

ブランド それは焼印

日本の5大ブランド牛は、松阪牛、神戸ビーフ、近江牛、米沢牛、飛騨牛です。

この牛さんが、実はブランドの起源なのです。

ブランド(brand)のもともとの意味は焼印です。

ヨーロッパでは大昔(紀元前5000年~3000年)から、広大な放牧地で複数の農民が一緒に放牧していました。自分の牛と他人の牛を区別するために、それぞれ違うデザインの焼印を牛のお尻のあたりに押したのです。

古代エジプト(起源前2700年ぐらい)牛に焼印を押している壁画があるという記事がありましたが、残念ながら壁画を見つけることはできませんでした。

ここで大切なのは「区別する」ために使われたのが「焼印」、すなわちブランドだったということです。

品質を保証するため

 

ぐっと時代を下り、中世ヨーロッパ。商業ギルド(同職組合)が、品質を保証するために、紋章やマークを使用しました。これが現在の商標(Trade Mark)の原型です。

ウイスキーの蒸留業者は、樽のフタに焼印を押して、流通段階でのすり替えを防ごうとしました。粗悪品を排除し、組合全体や業者の「ブランド力」を維持するためです。

消費者に製造業者が誰であるかを証明し、品質を保証しようとしたわけです。

これが第2段階です。

印象づけ、選んでもらう

18世紀になり、鉄道が発達し、市場が拡がります。近くでしか売れなかったもの、買えなかったものが、遠くで売買される。

買い手としては選択肢が増えるわけです。

売り手としては、競合他社があるなかで自分のところの商品を印象づけ、選んでもらう必要がある。

そのために、自社商品に意匠を凝らしたラベル、ロゴマークを作り、覚えやすい名前を考え、宣伝したのです。

これが現在に続く第3段階ですが、ブランドは「区別する」こと、他のものとの差異を明らかにすることに重要な役割がにあります。。

人口全国1位の町から512番目の市へ

さて、「市になる」ことはブランド力向上に貢献するでしょうか。

全国の市区町村は全部で1718あります。そのうち市は792です。

市のグループに入るということは792のなかに混ざってしまうことです。

府中町は現在743ある町のグループですが、そのなかで人口が全国一多いというブランドがあります。

しかし、市になれば792市のなかで人口512位(2020年国勢調査)という存在となります。

他の市と区別できるようなものは特にありません。

町から市になった瞬間は話題になるかもしれませんが、よくある普通の市になるわけです。

おたくは安芸何市?

 

市になるとしたら「安芸府中市」というのが有力候補のようです。

しかし、「安芸」のつく自治体は、安芸高田市、安芸太田町、広島市安芸区、高知県安芸市と4つもあります。

町外の人に区別はつくでしょうか。

「安芸府中市?市長が議会と問題を起こして都知事選に立候補した、あそこですか?」

なんてことになりかねません。

紛らわしいのはブランドではありません。

だから、府中町は市になることによって、かえってブランド力を落とすことになるのです。


参考文献:小川孔輔『ブランド戦略の実際』(日経文庫)

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ふたみ伸吾 ほっとらいん

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