GIGAスクール構想と府中町の児童生徒の学習保障 2020年6月議会 一般質問
3.全国一斉休校は必要なかった
まず、前提から伺いたいと思います。コロナの2波、3波が来たときにも今回のように長期にわたる休校措置をとることが現実的かどうかということですが、そもそも、今回の休校措置が本当に必要だったのでしょうか。
この休校措置は、2月27日、安倍総理が新型コロナ感染拡大を抑制する目的で要請したものです。しかし、「専門家に聞かずに決断した」と安倍総理自身が国会で答弁(3月2日)したように、なんら科学的、医学的知見に基づいたものではありません。にもかかわらず3か月も子どもたちから学校を奪ったのです。
■日本小児科学会の医学的知見
日本小児科学会は、子どもの新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状を5月20日に発表しています。その結論の一つは、学校や保育施設の閉鎖は流行を防ぐ効果に乏しいということです。
新型コロナは、インフルエンザとは違い、子どもの感染例が少なく重症化もまれです。北九州市の小学校でクラスターが発生し、新たに小中学生6人の感染が判明しましたが、症状が出ていないか出ても軽い。学校や保育現場で子どもが感染源となったクラスターの報告は、国内外を通じてほとんどありません。
新型コロナ流行に学校閉鎖がどの程度有効であるのかについて、いくつかの研究報告がだされていますが、学校閉鎖は、その他の措置と比べて効果は少なく、学校閉鎖によって新型コロナによる死亡者はほとんど減らないのです。
一方、お医者さんや看護師さんなど医療従事者が子どもの世話のために仕事を休まざるを得ないので、医療体制が弱まり新型コロナ死亡数が増え、結果として学校閉鎖は 新型コロナ死亡者をむしろ増やしていると推定されています。
効果が乏しい上に、大きな問題があります。それは、学校などの施設の閉鎖が子どもの心とからだを脅かしているということです。
学校閉鎖は、子どもたちの教育の機会を奪うとともに、屋外活動や社会的交流を減らします。そのことが、子どもたちに様々な問題を引き起こしています。
仕事や外出の制限のために親子とも自宅に引きこもるようになって、ストレスが高まることから家庭内暴力や子ども虐待のリスクが増えています。
そこで質問です。
このように、子どもに関する限り、新型コロナが直接もたらす影響よりも 新型コロナに関連しての健康被害の方がはるかに大きいのです。
①いま紹介した「日本小児科学会の医学的知見の現状(2020年5月20日)」について、どのようにお考えですか?
②今後、第2波、第3波が来ることが予想されます。しかし安易に休校するのではなく、子どもや保護者に及ぼす影響を総合的に検討し、慎重に判断すべきです。また、休校措置は一斉にではなく、感染拡大の状況を踏まえて個別に判断すべきだと考えますが、町としての見解をお聞かせください。
◆教育部長 日本小児学会の見解もありますが、町教育委員会としては、文部科学省から令和2年6月5日付け通知された、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」の臨時休業を実施する場合の考え方に基づき、臨時休業を判断いたします。
このなかで、学校で児童生徒や教職員の感染が確認された場合においては、濃厚接触者が保健所により特定されるまでの間、学校の全部または一部の休業を実施します。
なお、学校の臨時休業を行う際においても、地域の感染状況に応じ、分散登校を行うことにより、感染リスクを可能な限り低減しつつ、学校教育活動を継続することが重要とされており、このことに留意しながら対応するよう考えています。
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