涙を呑んで「賛成」 国民健康保険関連2議案
●第16号議案 府中町国民健康保険条例の一部改正について
本条例改正は、精神・結核医療付加金を廃止するものです。
精神医療については、「府中町精神障害者通院医療費助成事業」へ統合され、引き続き自立支援医療(通院)の自己負担10%の半額が助成されます。
一方、結核医療については、入院については全額公費負担であり、通院にかかる自己負担は5%。その半額である2.5%を町が助成する当町のみの制度です。
過去10年間、給付実績はないそうですが、結核は「古くて新しい病気」と言われ、現在(2018年)の、日本の結核罹患率は人口十万人あたり12人(約8,000人に1人)で、他の先進諸国の数倍の高さ、アメリカの1980年ごろの水準にあることから、日本は「結核中進国」と位置づけられています*。
過去10年、該当者がないからといって、今後もないとは限りません。せっかくの当町のみの助成制度をなくしてしまわなければならないのはまことに残念です。
本来であれば反対するところですが、2024年度には国保制度は県単位化され、町独自の制度を県に持ち込むことはできません。遺憾の意を表明しつつ、賛成の討論といたします。
●第17号議案 府中町国民健康保険税条例等の一部改正について
本条例改正も第16号議案と同じく、国民健康保険の県単位化に向けてのものです。2024年には保険税(料)が県で統一したものになります。
当町においては、保険税の算定は、所得割・均等割・平等割・資産割の4方式ですが、県単位化によって資産割はなくなります。資産割廃止による保険税不足分を補うためは他を引き上げることになります。
今回の提案では2022年度に保険税が増える世帯が54.4%、減る世帯が42.1%、増減なしが3.4%です。
私はこれまで一般質問や全員協議会で、国保の県単位化、それに伴う算定方式の変更は、国費の大幅な投入がなければ被保険者の負担増をもたらすことになり、反対してきました。
しかし、残念ながら、保険料率の準統一まであと3年というところまで来ています。
2024年度には現時点での試算で、所得割は現在の10.4%から10.96%へ、均等割は45,900円から48,793円にしなければならない*1)。ゴールは決まっているわけです。
残念ながら、現時点となっては、私たちができるのは、ゴールまで何段階で登るかという判断だけです。
2年先送りして、一気に登るか、2年かけて2段階か、今回の提案のように3段で登るのか。今回の「改正」を見送っても、その分、次年度以降の上げ幅が増えることになります。
残念ではありますが、賛成せざるをえません。
隣の岡山県では、県単位化をすすめつつ、保険料率や減免制度は市町村ごとに引き続き行うそうです。広島県でもそういう選択ができたわけですが、市町村合併と同じく国の方針に忠実に県単位化を進めています。そういう点でも遺憾の意を表明します。
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