放課後児童クラブの有料化に反対
もくじ

府中町はこれまで放課後児童クラブ(学童保育)の利用料がありませんでした。
府中町には良い点がいろいろありますが、みんなが知っているものとして、
①小中学校とも学校給食が自校方式
②ゴミの分別がゆるやかで、大型ゴミの収集も無料
そして、
③放課後児童クラブが無料
の3点があげられます。
そのうちの一つ、放課後児童クラブの有料化が12月議会できまりました。
以下は反対討論の原稿です。
残念ながら、賛成多数でこの条例は制定されました。
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第67号議案「府中町放課後児童クラブ条例の制定について」反対の立場から討論します。
1.保護者の負担を増やす
反対理由の第1は、放課後児童クラブを利用する保護者の負担を増やすことです。
利用児童1人年間37,000円、2人なら74,000円になります。政府は、地方自治体が行う、地域のニーズに応じたきめ細かい物価高対策を支援するため、重点支援地方交付金を拡充すると言っています。
今回の放課後児童クラブ有料化は、物価高対策どころか、町が率先して保護者の負担を増やそうとしています。
また、「物価高の影響を強く受けている子育て世帯を支援するため、0歳から高校3年生までのこどもたちに1人当たり2万円の物価高対応子育て応援手当(仮称)を支給します」と官邸ホームページに書かれています。
これは月額ではなく、今のところ1回限りです。放課後児童クラブにお子さんを預けているご家庭は、2万円入って37,000円が出ていく。17,000円の負担増です。
物価対策を取らなければならないときに、なぜ負担を増やすのか理解できません。
2.保護者の思いを踏みにじる
反対する理由の第2は、有料化によって保護者の願いは実現しないということです。
先ほど質疑で紹介した、放課後児童クラブの課題、人材確保、質の向上――外遊びやイベント等サービスの充実――これも指導員の増員が必要です。老朽化した施設の改善、4階に放課後児童クラブがあるために車いすや足を骨折したときに松葉杖で階段を昇ることが難しい――これは府中小のことだと思いますが――などの問題がある。
確かにこれらの問題を解消する必要があります。
残念ながら答弁にもあったとおり、今回の有料化はこれらの問題と直接の関わりがありません。
しかし、保護者のなかで少なくない方が、有料化によってこれらの問題が解消できるのではないかと期待しているわけです。
今回の有料化は、そういう保護者の思いを踏みにじるものになるでしょう。
3.際限ない引き上げに道を開く
反対する理由の第3は、ひとたび有料化すれば、保護者の負担が際限なく増えていく道を開くことになるからです。
今回、「放課後児童クラブ運営費の1/2 を利用者負担とする」という厚労省の目安を有料化の根拠にしました。町の試算によれば現在の運営費の1/2は6,500円ですから、国の示す目安に従えば6,500円まで引き上げ可能です。
仮に施策が充実すれば、それは運営費増につながります。そうすれば運営費の1/2が6,500円から7,000円、8,000円と増えていくことになるわけです。
今回は県内市町の多くが3,000円だから3,000円にしているに過ぎません。よそが上がれば、運営費の1/2を目指して上がっていくいことなります。
4.アンケートは保護者の思いを反映しているのか
第4に、今回、実施したアンケートの問題です
アンケートは
「放課後児童クラブ事業については、事業費の2分の1だけを公費で負担し、残りの2分の1は利用者が負担するという国の考え方の下で実施することとされている中で、府中町においては利用料金について無料としています。/しかしながら、利用者の増加や人件費・光熱水費の高騰などにより、児童1人にかかる1か月当たりの事業費が約13,000円必要になっています。/広島県内23市町のうち府中町のみが利用料金を無料としている中で、一部を利用者負担とすることについて、あなたはどのようにお考えですか。あなたのお考えに最も近いものを次の中からお選びください」
と書いた上で、
①サービス水準の維持に必要であれば、ある程度の利用者負担もやむを得ない、
②ある程度の利用者負担を求めてもよいので、サービス向上を図ってほしい、
③利用者負担を求めるくらいなら、サービス向上は不要である。
④仮にサービス水準が低下するとしても、利用者負担は求めるべきではない、
⑤わからない
という選択肢を示しています。
結果は「①サービス水準の維持に必要であれば、ある程度の利用者負担もやむを得ない」が56%、「②ある程度の利用者負担を求めてもよいので、サービス向上を図ってほしい」が28%で、合計84%という結果になっていて「有料化の理解は得られた」かのようにみえます。
選択肢は5つですが、サービス維持向上なら保護者負担やむなし、
利用者負担がないなら、サービス向上はがまんするという事実上の二者択一です。
「負担なしに、サービスを向上してほしい」という選択肢はありません。サービスの向上を願えば「負担増」を受け入れる①か②を選ばざるをえない。
こういうアンケートによって、保護者の理解が得られたとはけっして言えないと思います。
以上、4点をもって反対討論とします。
放課後児童クラブの現状と課題について 一般質問 2019年6月議会












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