「都市再生」と府中町の未来 (上) 「都市再生」篇
もくじ
以下の原稿は、府中町議会の公式記録ではありません。また、年号については西暦に統一しています。
はじめに
先月(2026年5月)発表された2025年国勢調査(速報値)によると、広島県の人口は5年前の調査に比べ、12万人減少し268万人。県の人口が270万人を下回るのは1975年以来、50年ぶりです。増減率もマイナス4.2%で過去最大となりました。
広島県ばかりではありません。千葉県と埼玉県は1920年の調査開始以来初めて減少し、神奈川県と愛知県は戦後初のマイナス。都道府県で増えたのは東京と沖縄の2つだけです。
政令市にも異変が起きています。20ある政令指定都市のうち13市が減っています。広島市は117万人で、増減率はマイナス2.4%。1947年以来、78年ぶりの人口減少です。
日本の総人口は1億2,305万人。5年前の2020年から310万人減りました。減少幅も拡大しており、人口減少に歯止めがかかっていません。
戦後、日本の総人口は増え続け、1967年に1億人を超えましたが、2008年の1億2,808万人がピークで、そこから減少に転じ、その勢いは増すばかりです。
広島市のベッドタウンとして発展し、これまで人口を維持してきた府中町にとって、広島市の求心力低下は決して他人事ではありません。
また、当町の面積は10平方キロメートルで、山林など自然的土地利用が49%、住宅、商業施設、工場、道路などの都市的土地利用が51%です。
現在でも盛んに住宅が建設されていますが、未利用地が少なく、これ以上の開発が難しいなど、他市町とは異なる状況があり、府中町にふさわしい、まちのあり方、再生の方法を独自に見つけ出さなければなりません。
以上のことを前提に、都市再生について一般質問いたします。
1.都市再生の取り組み
都市再生の背景と目的
さて、都市再生ですが、この言葉が最初に登場したのは1999年、「経済戦略会議」の答申においてです。
都市再生には2つのねらいがありました。
1つは、バブル経済崩壊後の不動産・不良債権問題の処理を進めること、いわば「敗戦処理」です。もう一つはバブル経済の破綻を逆手にとって、土地の流動化と都市機能の高度化をはかり、新たな成長基盤をつくること、「経済再生」です
この2つのねらいを実現するため、2002年に都市再生特別措置法が制定されます。
都市再生特別措置法は、急速な情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に都市が十分対応できていないという認識のもと、都市機能の高度化や、居住環境・防災機能の向上を図ることを目的としています(第1条)。
この目的を達成するための具体的な手法として、
①民間都市再生事業計画の認定、
②建物の高さや容積率の規制緩和、
③市町村が作った街づくり計画(都市再生整備計画)に対する交付金、
④「コンパクトシティ」の形成を促す立地適正化計画、
などが用意されています。
2つの都市再生アプローチ
国の都市再生政策(施策)は、大都市向けのものと、その他の中小都市向けのものとの二本立てになっています。
バブル崩壊による影響が大きかった大都市に対して特別な手立てを打ち、国際競争力を強化することが施策全体に貫かれています。
大都市向けの施策は、当然ながら当町のまちづくりに活用することができませんし、役立つものでもありません。したがって、ここでは主として、当町が活用できる施策に焦点を当てて検討します。
一般の都市における都市再生は、市町村がつくる都市再生整備計画に基づく都市再生施策と立地適正化計画によるコンパクトシティ推進の二本立てですが、立地適正化計画については2021年6月議会で一般質問しましたので今回は割愛します。
2.都市再生に関わる具体的施策
(1)都市再整備計画(2004年制度化)
まず、「都市再生整備計画」に基づく都市再生施策からみていきたいと思います。国交省の資料には次のように書かれています。
〔都市再生整備計画は、〕都市再生特別措置法に基づき、都市の再生に必要な公共公益施設の整備等を重点的に実施すべき土地の区域を対象として、市町村が作成することができる。
都市再生整備計画には、まちづくりの目標を達成するために必要な事業、計画期間、区域、面積等を記載する。
都市再生整備計画により、市町村の取組を交付金等により支援するとともに、計画への位置付けをきっかけとして、民間の取組を促進する。
都市構造再編集中支援事業および社会資本整備総合交付金などによって、道路や公園、広場等のハード事業、各種調査や社会実験等のソフト事業など、まちづくりを財政的に支援するものですが、この財政支援は立地適正化計画を策定していることが条件となっています。
このように財政的支援を受け、都市再生整備を進めていく上では「都市再生整備計画」をつくる必要があります。
そこで伺います。
①当町では、「都市再生整備計画」をつくりましたか。作成済みであればその概要を教えて下さい。
〔建設部長〕 現在の社会情勢は、人口減少、少子高齢化が急速に進行しており、インフラサービスや商業・医療・福祉など、住民の生活水準の低下が懸念されるなか、2014年に都市再生特別措置法が改正され、持続可能でコンパクトなまちづくりを進めるため、「立地適正化計画制度」が創設されました。
当町においても、2024年3月に「府中町立地適正化計画」を策定し、現状の市街化区域を基準に土砂災害特別警戒区域等の災害ハザードエリアを考慮した「居住誘導区域」と、その中に医療、子育て、商業、行政の窓口などの都市機能を誘導する「都市機能誘導区域」として、「府中町役場周辺区域(中心拠点)」と「JR向洋駅周辺区域(地域拠点)」の2つの区域を設定しています。
「都市再生整備計画」に関してですが、本計画は都市再生特別措置法第46条に規定された計画であり、都市の再生に必要な公共公益施設の整備等を重点的に実施すべき土地の区域において、当該公共公益施設の整備等に関する計画を市町村が作成することができるものです。
現在、町では、第5次総合計画や都市計画マスタープラン、立地適正化計画に基づく、当町の持続可能でコンパクトなまちづくりを推進し、みんなの「暮らしたい」がかなうまちの実現に向けて、都市再生整備計画基本構想に位置付けられるアクションプランとして、「都市再生整備計画」を策定し、2027年度からの事業実施に向けて国と協議を行っております。
なお、本計画の計画期間は、2027年度から2031年度までの5か年で、都市再生整備計画区域を2地区設定しており、府中町役場周辺地区は、中心拠点としての都市機能誘導区域110haを含む面積350haで、JR向洋駅周辺地区は、地域拠点としての都市機能誘導区域20haを含む面積179haを位置付けています。
当町が、都市再生整備計画に位置付ける主な事業としては、北部(府中町役場周辺地区)は、歴史民俗資料館跡地を活用した施設整備、南部は府中南公民館の整備を中心とした計画としており、計画を達成するための国の補助事業としましては、都市構造再編集中支援事業(補助率は、都市機能誘導区域内で50%、区域外で45%)を活用する予定です。
(2)民間都市再生整備事業計画(2005年制度化)
〔二見議員〕 都市再生施策の2番目は、都市再生事業への民間企業の参画です。
「都市再生は、民間に存在する資金やノウハウなどの民間の力を引き出し、それを都市に振り向け、さらに新たな需要を喚起する」(都市再生基本方針。2002年)ことが期待されています。
市町村が定めた「都市再生整備計画の区域」、あるいは国が指定する大都市圏の「都市再生緊急整備地域」において、民間事業者が個別の開発事業を実施する際、国土交通大臣の認定を経て金融支援や税制上の優遇措置を受けるしくみが、「民間都市再生整備事業計画」や「民間都市再生事業計画」の認定制度です。
①特定都市再生緊急整備地域
これらの認定制度を使い、事業を進めていく上で重要な役割を果たすのが、①「特定都市再生緊急整備地域」、②「都市再生緊急整備地域」、③市町村が策定する「都市再生整備計画区域」というエリア指定です。どのエリアなのかによって国からの支援に違いがあります。
1つめの「特定都市再生緊急整備地域」は、最も手厚い支援を受けることができます。都市計画の決定が迅速化されるほか、容積率や日影規制も大幅に緩和されます。また、税制と金融の両面において手厚い支援があります。
「都市の国際競争力の強化を図る上で特に重要な地域」として国が指定するものですが、大都市に限られ、広島市の駅前や中心部も「広島都心地域」として2020年9月に指定を受けています(2025年4月1日現在、全国で15地域が指定)。
この「広島都心地域」における「民間都市再生事業」の国の大臣認定案件には、以下のようなものがあります。
・広島銀行新本店ビル(紙屋町・2021年竣工)
・広島JPビルディング(広島駅南口・2022年竣工)
・新JR広島駅ビル「ミナモア」(広島駅・2025年竣工)
・KAMIHACHI X〔カミハチクロス〕(基町・2027年竣工予定)
こうしたビッグプロジェクトが、国の認定事業として次々と進められ、広島市は戦後最大とも言われる再開発ブームを迎えています。

広島銀行新本店ビル

広島JPビルディング

新JR広島駅ビル「ミナモア」
KAMIHACHI X〔カミハチクロス〕完成予想図
②都市再生緊急整備地域
次に「都市再生緊急整備地域」です。「都市再生緊急整備地域」は、税制優遇、一般社団法人都市再生推進法人などから金融支援(債務保証等)を受けることができます。
2025年4月1日現在、全国で54地域が指定されており、広島県内においては、広島市と福山市の2地域がこの指定を受けています。

③都市再生整備計画区域
3つめは「都市再生整備計画区域」です。
「民間都市再生整備事業」の認定により、都市計画提案制度の活用、MINTO機構(民間都市再生推進機構)による債務保証や資金拠出などの資金サポートが受けられます。
「民間都市再生整備事業」は、2025年4月1日現在、全国で54の個別事業が認定されており、広島県内では、
府中市:「恋しき保存再生計画」
広島市東区:若草町地区第一種市街地再開発事業
福山市:東桜町地区第一種市街地再開発事業
尾道市瀬戸田町:(仮称)瀬戸田ホテル建設計画
以上の4事業が認定を受けています。

府中市:老舗料亭旅館「恋しき」を観光施設に

広島市:若草町地区第一種市街地再開発事業

福山市:東桜町地区第一種市街地再開発事業

尾道市:2021年3月に広島県尾道市の生口島・瀬戸田地区に開業した高級旅館「Azumi Setoda」 (仮称)瀬戸田ホテル建設計画
(3)都市再生整備推進法人の指定制度(2007年創設)
都市再生推進法人とは
都市再生施策の3番目は、都市再生推進法人の指定制度です。
この制度は、2007年の都市再生特別措置法改正により「都市再生整備推進法人」として創設されました。
その後、2011年の法改正で官民連携(PPP/PFI)が強化され、従来の非営利法人に加え、株式会社(まちづくり会社)も指定対象となりました。
現在は、コンパクトシティの推進や公共空間の利活用、所有者不明土地問題への対応など、その業務範囲は段階的に拡大しています。
国交省の定義によると、都市再生推進法人とは、十分なノウハウと運営体制を備えた、優良なまちづくり団体(NPO、株式会社、一般社団法人等)の中から、市町村長が指定した法人です。
指定を受けた法人は、都市再生の計画提案やまちづくり施設の管理などを担う一方、エリアマネジメントの活動資金となる国の無利子融資、土地譲渡時の税制優遇、官民連携事業への補助金といった支援措置を活用することができます。
これまで都市再生推進法人として150団体が指定されましたが、10団体が指定解除となり、現在活動している団体数は全国で140にとどまっています(2025年10月末時点)。全国の市区町村は1,741あるわけですから、ない方が多いわけです。
広島県内では、福山市の株式会社築切家守舎(つっきりやもりしゃ)と福Lab株式会社(フクラボ)、呉市の一般社団法人KURE-PERS(クレパス)の3団体が指定され、それぞれ地域に根ざした活動を展開しています。なお、呉市で指定されていた「NPO法人SYL」は、2024年に指定が取り消されています。
つまり、現在では都市再生推進法人は、広島県内に福山・呉という2市にあるだけで、他の多くの自治体にはありません。
都市再生特別措置法は、まちづくりの担い手として「都市再生推進法人」を想定していますが、実際にはないわけです。

まちづくりの担い手の育成
必ずしも「都市再生推進法人」という形にこだわるつもりはありませんが、当町の持続可能なまちづくりを進めていくうえで、その担い手――町とともに町づくりを考え、行動する人たちの集団をつくり、育てていくことが必要だと考えます。
そこで質問です。
②当町に「都市再生推進法人」がないことをどう考えるのか、また、まちづくりの担い手をどうつくってゆくのか、について町の考えを伺います。
〔建設部長〕 都市再生推進法人は、都市再生特別措置法第118条に基づき、地域のまちづくりの中核を担う法人として市町村が指定する団体です。
他の自治体で指定している都市再生推進法人の活動では、中心市街地で増加している空き店舗や空き家など、いわゆる遊休不動産の利活用や、賑わい施設の整備といった規模の大きなものから、歩道にベンチや花壇を設置し滞留時間を増加させるといったものまで、幅広い活動があります。
本制度は、地方公共団体に不足するまちづくりのノウハウに対して行政の補完的な役割を果たし、「官民連携のまちづくり」を進めるうえで、有効な手段の一つであると考えますが、まちづくりに関する豊富な知識や経験を有する人材の確保やその育成のほか、継続可能な組織体制の確保などの課題もあり、本制度については、国の動向や他自治体の事例等を調査研究して参りたいと考えております。
あわせて、まちづくりの担い手につきましては、この度の都市再生によるまちづくりのほか、様々な活動のなかで、行政と地域、事業者が一体となり取り組むことで、大切な人材も作っていければと考えています。
(4)都市再生歩行者経路協定(2009年創設)
〔二見議員〕 都市再生施策の4番目は「都市再生歩行者経路協定」です。
この協定は、都市再生特別措置法に基づく制度であり、「歩行者ネットワーク協定」とも呼ばれています。
複数の土地所有者やビルオーナーが協力し、誰もが安全・快適に通れる通路を維持管理していくためのしくみです。
具体的には、JR広島駅の南北にあるようなペデストリアンデッキ(Pedestrian Deck、歩行者デッキ)、ビルを繋ぐ地下通路、敷地内を通り抜けられる歩行者専用通路、エレベーターなどの整備に活用されます。
2003年、広島駅北口が「都市再生緊急整備地域(広島駅周辺地域)」に指定され、大規模再開発がスタート。2010年にシェラトングランドホテル広島の入るアクティブインターシティ広島が完成しました。駅に直結する最初のデッキがここに整備されます。2016年には駅前広場をまたぐ3本の通路を含むデッキが完成しました。
駅南口も、昨年(2025年)3月に広島JPビルディング方面とエキシティヒロシマへのデッキが開通し、今年(2026年)3月にエールエールA館(福屋)へのデッキも供用を開始しています。さらにビッグフロントひろしまへのデッキは2029年春に完成する予定です。
デッキは駅と再開発ビルを結び、ビル側には自由通路があります。
権利者が混在する再開発ビルにおいて、通常の民間契約だけでは、将来的な都合による「通路の閉鎖」や「管理費負担の拒否」といったリスクが生じます。しかし、この「都市再生歩行者経路協定」を結ぶことによって、将来ビルの所有者が変わったとしても開放の義務が新たな所有者に引き継がれ、誰もがいつまでも安心して通れる歩行者空間を維持できる。これが「都市再生歩行者経路協定」です。
先ほど紹介した広島駅南口・北口のデッキとつながっている再開発ビルはいずれもこの協定を結んでいます。
なお、駅舎のなかを通る「南北自由通路」は広島市が主体となって実施した公共事業であり、本協定の対象外です。
「都市再生歩行者経路協定」を活用すること自体は、中小都市でもできますが、デッキを必要とするような大型開発がないと実際には難しいという状況です。
広島駅南口ペデストリアンデッキ
(5)賑わい創出等法制度(2011年規制緩和)
都市再生施策の5番目は「賑わい創出等法制度」です。これは単一の法律があるわけではなく、道路・河川・都市再生に関係する複数の法制度やガイドラインが、2011年に一斉に改正・緩和され、これらを総称してそう呼んでいるものです。
2011年に実施された主な規制緩和の内容ならびに制度のポイントはつぎの3点です。
第1に、道路法・都市再生特別措置法の改正による道路空間の特例です。
従来、道路は「通行するためのもの」という原則が厳しく、民間営利活動のために長期間占用することは困難でした。しかし、2011年の法改正により、市町村が策定する「都市再生整備計画」に位置づけられた道路は、地域の賑わいを目的としたオープンカフェやキオスク、ベンチなどの設置が柔軟に認められるようになりました。
第2に、河川敷地占用許可準則の改正による河川空間の特例です。
河川の水辺においても商業利用が原則禁じられていましたが、これも2011年に解禁されました。広島市は2000年代半ばから、京橋川河川敷にオープンカフェを設置する社会実験を重ねており、そのことが法改正につながったと言われています。
京橋川オープンカフェ
第3に、PFI法の改正による公共施設等運営権の創設です。
公共施設(公園、道路、空港など)の所有権を自治体に残したまま、運営権だけを民間に売却・付与するコンセッション方式が導入されました。
道路、河川、公園という公共空間において私的な営利を追求することを可能にするしくみが、これらの法改正によって整ったといえます。広島市は、こうした一連の規制緩和や、その後に拡充されたPark-PFIなどの制度を活用し、京橋川のオープンカフェ、中央公園(スタジアムパーク)の整備などをいち早く進めています。
そこで質問です。
③当町において、道路、河川、公園という公共空間における賑わい創出についてどのような考えをもっていますか。具体的な計画があれば教えて下さい。
〔建設部長〕 当町は既にコンパクトな市街地が形成されており、道路や公園といった都市施設の整備も概成していますが、地域拠点として位置付けているJR向洋駅周辺地区では、土地区画整理事業に合わせて、JR向洋駅南口前に、街区公園、青崎南公園(面積約2,000㎡)を整備する計画です。
青崎南公園整備の方針については、前期実施計画期間中に基本構想を策定する予定で、策定にあたっては、地元企業や地域の方と一緒に、公園のデザインや活用について話し合い整備することで、町の南の玄関口として、賑わい創出につなげていきたいと考えています。
その他、町内の限られた公共空間の有効活用として、2024年度に、府中大川沿いの町営鶴江住宅を解体した跡地での広場整備を実施しました。
また、榎川河川敷の歴史民俗資料館を解体した土地の有効活用として、先ほど一つ目のご質問で答弁いたしました「都市再生整備計画」に位置づけており、施設整備を2027年度に予定しています。
(6)「居心地が良く歩きたくなるまちなか」づくり(2020年法改正)
空間づくりの3つのポイント
都市再生施策の6番目は、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」づくり、ウォーカブルなまちなか形成とも呼ばれています。これまでの自動車中心の社会から「人中心」の空間に変え、歩くこと自体が楽しく、自然と人が集まる賑わいのあるエリアを創出するための政策です。
高度経済成長期に広がった郊外化やクルマ社会を見直し、街の中心部(まちなか)の魅力を高めるため、2020年に都市再生特別措置法が改正されました。
この政策における、空間づくりのポイントはつぎの3点です。
第1に「居心地の良い歩行者空間の創出」です。単に歩きやすくするだけでなく、歩道の拡幅、街路樹の整備、ベンチやオープンカフェの設置などを進めます。これにより、歩行者が主役となり、足を止めて長居したくなる快適な空間を創り出そうとするものです。
第2に「オープンスペース化」です。これまでのクルマ中心の道路構造を見直し、車線を減らすなどして空間を再編します。空いたスペースに緑化を施したり、駐車スペースを憩いの場に転換し、街の中にゆとりある「余白」を生み出そうとするものです。
第3に「多様なアクティビティ(活動)の誘発」です。目的がなくても街に出かけたくなるしかけをつくる。定期的なマルシェ(市場)の開催、地域のイベント誘致、キッチンカーの出店などを通じて、日常的な賑わいと人びとの交流を自然に発生させようとするものです。

ウォーカブル推進税制の活用と課題
これらの施策を進めるためにつくられたのがウォーカブル推進税制です。自治体が指定した区域において、自分の土地の一部を壁などで囲わず、敷地の境界を下げて、広場や通路として一般に開放する「民地のオープンスペース化」や建物の1階部分などをガラス張りにしたり、壁を後ろに下げてオープンテラスにしたりして、外を歩く人とつながるような開放的なデザインに改修する「建物低層部のオープン化」を実施すると、5年間、固定資産税と都市計画税の課税標準額が軽減される、というものです。
そこで質問です。
④当町でも、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」づくりを進めるべきだと考えますが、道路も狭く、実現は難しいのではないかとも思います。町としてどのように考えますか。
〔建設部長〕 議員ご指摘のとおり、現在、人口減少や少子高齢化が進み商店街のシャッター街化などによる地域の活力の低下が懸念されるなか、都市の魅力を向上させ、まちなかに賑わいを創出することを目的として、国は、2020年に「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」を施行し、市町村が、まちなかにおける交流・滞在空間の創出に向けた官民の取組みをまちづくり計画に位置づけることができるようになりました。
国の「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくり支援制度には、車中心から人中心の空間に転換するまちなかの歩ける範囲の区域において、街路の広場化や公共空間の芝生化、沿道施設1階部分の開放など、既存ストックの修復や利活用に関する取り組みを支援する「まちなかウォーカブル推進事業」があります。
当町は、議員ご指摘のとおり、道路も狭あいであり、街路の広場化などは難しいかと思いますが、公共空地の賑わいの創出などにおいて、本事業を含めた国の支援制度の活用について、広域的な視点により検討を行い、魅力的な都市づくりを継続して進めたいと考えています。
最後に、当町における今後の都市再生の方針については、第5次総合計画をはじめ、立地適正化計画や来年度から事業開始を予定している都市再生整備計画に基づく各事業を計画的に進めていくことで、まちの賑わいを創出し、また、誰もが歩きたくなるまちなかとなるように、まちづくりを進めてまいります。















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