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2018-03-16

職員の退職金引き下げに反対!

第12号議案「府中町職員の退職手当に関する条例等の一部改正について」の退職金の引き下げに関する部分について反対いたします。

(1)減額の根拠があやしい

第1に退職金減額の根拠についてです。

今回の減額提案は、昨年4月人事院が「退職一時金と企業年金(使用者拠出分)を合わせた退職給付額での官民比較」し、民間が2459万6千円なのに対して公務は2537万7千円であり、78万1千円(3.08%)公務が上回るという調査結果に基づくものです。

この調査は、「企業規模50人以上の民間企業41,963社から層化無作為抽出法によって抽出した7,355社に対しての調査で4,493社を集計したとされてます。

人事院のつくった概要には次のように書かれています。

勤続20年以上の事務・技術関係職種の常勤従業員(公務は行政職俸給表(一)適用者)で定年又は会社都合(公務は応募認定)で退職した者(大学卒(大学院修了を含む)及び高校卒)を対象退職事由別(定年・会社都合〈公務は応募認定〉)、勤続年数別のラスパイレス比較(民間の一人当たり平均の退職給付額を算出する上で、退職事由別、勤続年数別の公務の人員数ウエイトを使用)

このようにもっともらしく書かれていますが、企業によって多種多様な退職金支給があるなかで比較は難しく、操作もできる余地があります。

ごく最近でも、裁量労働制をめぐって労働時間データが都合よく作られていたことも明らかになりました。 公務員の方が78万円退職金が多いという結果もかなりあやしいのではないかと考えるものであります。

(2)減額の対象となる職員の退職後の生活設計に与える影響

第2に、職員の退職後の生活の問題です。

退職手当は最高裁判例で「賃金」であるとされ、退職手当制度研究会の「公務員の退職手当法詳解」でも、賃金の後払い的な性格を有するとされています。人事院も「勤務条件」であることを見解で表明しています。

要するに、退職金は老後の生活を支える重要な原資であるわけです。公務員の退職金はすでに2012年に15%、400万円の減額をされています。今回の減額を認めれば500万円近い減となり、生活に与える影響はきわめて大きい。

(3)労働者全体と経済への悪影響

第3に労働者全体の暮らしと経済に与える影響です。

私立学校や市立病院、社会福祉法人など公務員に準拠する民間労働者約300万人に直接影響します。国家公務員と地方公務員あわせて約300万人ですから、あわせて約600万人になります。労働者全体の1割以上です。

「緩やかに回復」というような言い方もされていますが、いま日本経済は消費不況のなかにあります。モノとサービスが売れない。賃金も減らされ、退職金も減らされ、社会保障も改悪される。お金が減らされるなかで負担だけ増える。消費が伸びるわけがありません。消費を上向かせるためには、公務員を含めた労働者の処遇改善が求められます。

公務員が下がる、そして民間が下がる、その民間と比較してまた公務員が下がる。こういう悪循環をいつまでも繰り返してはならない。

以上、3点をもって「府中町職員の退職手当に関する条例等の一部改正について」の退職金の引き下げに関する部分について反対の討論といたします。

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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