コンピュータより人的配置の充実を

ご町内のみなさん

日本共産党、府中町議の二見伸吾でございます。
 
府中町の3月議会についてお話しさせていただきます。議会は6日から16日まで開かれ、「令和2年度府中町一般会計予算」について審議いたしました。

第1に、評価すべき事業として①保育所の新設事業と②府中東小、府中北小のトイレ改修事業、③揚倉山運動公園上段、多目的広場を天然芝から人工芝に改修の3点です。

第2に、問題のある事業は「子どもの予防的支援構築事業」です。これは、AI(人工知能)を活用して虐待などのリスクを予測するシステムを構築することに予算のほとんどが充てられており、昨年度は予算総額1800万円でシステムのために1200万円、今年は総額5600万円でシステム5000万円となっています。

中国新聞によりますと「AIがビッグデータを解析し、子どもを取り巻く貧困や家庭環境の急変などを分析。社会的孤立や虐待が発生するリスクが高い家庭を予測」するのだそうです。

みなさん

「AIがビッグデータを解析」というとものすごく確からしい感じがしますが、コンピューターは計算機にすぎません。

入力されたデータが間違っていれば答えも間違う。そもそもビッグデータとは数十億とか数百億のデータをさし、そのなかから「確からしい」ものをAIが拾い出すわけですが、虐待やネグレクトにそんな単位のデータなどあるはずもないのです。

国立情報学研究所教授、新井紀子さんの『AI vs.教科書が読めない子どもたち』という本がいま話題になっていますが、AIは英語の単語や世界史の年表を憶えたり正確に計算したりすることは、得意だが、教科書に書いてあることの意味を理解するのは苦手だと言います。

みなさん

コンピューターに出来るのは統計と確率で、読解力――ものごとを読み解く力はないんです。

AI、やコンピューターにお金をつぎ込むよりも、生活保護や児童扶養手当の担当者、ネウボラ、学校の先生たちが緊密に連携することこそが、虐待や育児放棄を防ぐ手立てになると、私は思います。それぞれの部署に人を増やして連携する。問題発生の予兆を掴み、解決のために必要なのは人とゆとりです。

みなさん

第3に制度の拡充を求めるものは、子どもの医療費助成と森林整備予算です。

小学校卒業まで制度を拡充して平成30年度で3年となりました。この3年間で事業にかかわる費用は約1億3千万円でほぼ変わりません。
全国では中学校卒業まで一部負担金なし、所得制限なしが標準です。

広島県内でも「通院」の無料が「18歳まで」となっているのが6市町(三次市、安芸高田市、安芸太田町、北広島町、世羅町、神石高原町)、中3までが7市町(三原市、尾道市、福山市、府中市、庄原市、大竹市、大崎上島町)であり、県内市町の半数以上が「18歳まで」あるいは「中3まで」となっています。通院、中3まで無料化は「子育てしやすい町」の必須条件だと思います。

森林整備予算についてですが、当面は災害復旧が優先されると思いますが、「治水は治山にあり」と言われるように豪雨災害に対して最も有効なのは森林整備です。県、国の財源だけでなく町からもお金を出して基金をさらに充実させて、豪雨に強い森づくりをすべきだと考えます。
 
以上のような注文をつけつつ、予算ついては、いくつかの点で評価すべき施策があると判断し、賛成いたしました。

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