府中町の特別支援教育の現状と課題について 2020年12月議会 一般質問

《第3回目》
 

二見議員 タブレットなどを使用したいという「要望があった場合には、専門家や関係機関の意見等も聞いた上で、個々の課題に合わせた支援が行えるよう多様な方法の検討」するということでした。決して門前払いでないということですので安心しました。

特別支援教育の充実のためにもっとも必要なことはなんでしょうか。香川県の小学校で特別支援学級の担任をされている先生が次のように書いています。

 特別支援学級に対して「子どもたちは『ゆっくり勉強できる』『2回聞くとわかる』『先生が近くにいるから、困ったときに安心』と話してくれます。また、『音が少ないから集中できる』とも言います。この子たちは、少しの支援があれば、通常学級で学べるかもしれないと思うことがあります」。
 「現在、進められようとしているインクルーシブ教育は、統合型――障害のある子どもが通常学級で学ぶこと――だと思います。統合型でおこなうのであれば、1学級の人数を15人くらいにし、複数担任にするか、構成メンバーに対して必要な支援員の配置が不可欠です。さらに、教室を広くし、クールダウンスペースや個別学習を展開するスペースを設けることも必要です。個々の児童の困り感に合わせて支援をしながら、個々の学びと集団での学びをコラボさせる、そんな環境が実現すれば、統合型も可能かもしれません。そして、学習指導要領の縛りはゆるくする必要があります」。*1

*1)濱田里実「子どもたちの発達に応じた学びの場の補償を」『クレスコ』2020年12月号

この先生が書かれているように、障害のある子どもが通常学級で学ぶことを保障するためにも、クラスの人数を減らし、複数担任とし、教育支援員を増やすことが必要だと思います。

文科省・町村会・府中町議会

文科省は少人数教育のためにずっと努力してきましたが、財務省の壁に阻まれてきました。10月26日、財務大臣の諮問機関である「財政制度審議会」作業部会においても全国一律での少人数学級の導入には否定的な意見が多数派を占めたようです*2。

*2)「毎日新聞」2020年10月27日付

これに対して萩生田文部科学大臣は27日の記者会見で「少人数学級を実施している自治体からの『意味がない』という声はただの一つもない」と反論したといいます。ぜひ、萩生田文科大臣をはじめ文科省には頑張っていただきたいと思います。

11月26日に開かれた全国町村長大会に向けてまとめられた要望書において次のような要望項目が掲げられました。

教員が子どもと向き合う環境を確保し、きめ細やかな指導を行うため、少人数学級や少人数指導、専科指導、生徒指導などの充実に向けて、複式学級の解消も含めた定数の改善を図ること。

通級指導や外国人児童生徒等への教育に係る基礎定数化については、安定的・計画的な配置が可能となるよう、着実に進めること。その際、へき地や対象児童生徒の少ない障害種などに対応する加配定数の削減は行わないこと。

小・中学校の普通学級に在籍する、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など障害のある児童生徒に対する特別の指導(「通級による指導」)の充実や、日常生活上の介助や学習指導上のサポートを行う「特別支援教育支援員」配置の促進に向けた財政措置の拡充、関係機関との連携調整等を担う「特別支援教育コーディネーター」の専任化を推進するための教職員定数の改善、特別支援学級の編成基準の引下げなど、特別支援教育の充実を図ること。

いずれも大賛成です。

全国で200を超す議会が少人数学級を求める意見書を採択しています。

府中町議会も今定例会で「小中学校の全学年で少人数学級の実現を求める意見書」が採択される見通しです。
障害のあるなしにかかわらず、一人ひとりの状況に応じた教育を進めるために少人数学級ならびにそれを保障する教職員定数の改善が求められている。

この点で文科省も、全国町村会も、わが府中町議会も一致しているわけです。ぜひ文科省を励まし、それぞれの力を合わせて少人数学級を実現したい。

このことを最後に表明して私の質問を終わります。

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