「〈真理が大衆をつかむとき歴史は動く〉という言葉を、以前『学習の友』で読んだことがある。正確な言葉を知りたいので教えてほしい」という問い合わせが、先日ありました。
「真理が大衆をつかむとき歴史は動く」という言葉は、労働者教育協会の初代会長だった柳田謙十郎さん(1893―1983)が、よく色紙などに書いていたものです。
『学習の友』にも、たびたび登場してきました。創刊号(1953年11月)の「真理と大衆」には、つぎのようにあります。
「幾千万の日本の労働者から一切の無知と盲目をおいはらうこと、ここに本誌の大きな使命がある。
真理が大衆をつかみ、大衆が真理をつかむ――その時、はじめて新しいわれわれの歴史が回転しはじめる」
「真理が大衆をつかみ、大衆が真理をつかむ」という柳田さんの言葉の土台には、マルクスの言葉があります。
若き日の論文「ヘーゲル法哲学批判序説」で、マルクスはつぎのように述べています。
「理論もそれが大衆をつかむやいなや物質的な力となる。理論が大衆をつかみうるようになるのは、それが人に訴えるように論証をおこなうときであり、理論が人に訴えるように論証するようになるのは、それがラディカルになるときである。ラディカルであるとは、ものごとを根本からつかむことである」(『マルクス・エンゲルス全集』第1巻、422ページ)
理論や真理が「大衆をつかむ」とは、多くの人に学ばれ、その人たちの生きた思想になるということでしょう。
では、そのような力をもつ理論として、どれだけものごとを根本からとらえ、展開できるか。
いま、私たちの力量が試されています。
(2007年)







