府中町の特別支援教育の現状と課題について 2020年12月議会 一般質問

2.特別支援学級の特徴

二見議員 つぎに特別支援学級について伺います。

特別支援学級に通っている児童生徒のうち、知的障害のお子さんが約47%(12万1千人)、自閉症ならびに情緒障害のお子さんがやはり約47%(12万3千人)で、知的障害、自閉症、情緒障害をもつお子さんが多い。その他は約5%です〔2018(平成30)年度〕。

(1)まず、知的障害ですが、知的障害のあるお子さんで特別支援学級の対象となるのは、「その年齢段階に標準的に要求される機能に比較して、他人との日常生活に使われる言葉を活用しての会話はほぼ可能であるが、抽象的な概念を使った会話などになると、その理解が困難な程度のもの」とされています。
 文科省の「教育支援資料」*1はさらに次のように説明しています。

 例えば、日常会話の中で、晴れや雨などの天気の状態について分かるようになっても、「明日の天気」などのように時間の概念が入ると理解できなかったりすることや、比較的短い文章であっても、全体的な内容を理解し短くまとめて話すことなどが困難であったりすることである。

*1)文科省初等中等教育局特別支援教育課『教育支援資料 ~障害のある子供の就学手続きと早期からの一貫した支援の充実』(平成25年10月)

(2)つぎに自閉症ですが、「自閉症とは、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害」です。

(3)第三に情緒障害ですが、情緒障害とは、状況に合わない感情・気分が持続し、不適切な行動が引き起こされ、それらを自分の意思ではコントロールできないことが持続し、学校生活や社会生活に適応できなくなる状態を言います。

自閉症・情緒障害をもつお子さんは、①他人とかかわって遊ぶ、自分から他人に働きかける、集団に適応して活動する、友達関係をつくり協力して活動する、決まりを守って行動する、他人とかかわりながら生活を送ることなどが難しい。②言語が全くなかったり、言葉の発達の遅れや特異な使用が見られたりする、などの特徴があります。

そこで質問です。

②当町において特別支援学級はどのようになっているでしょうか。

教育部長 特別支援学級は、障害種別ごとに学級を設置しており、児童生徒の障害の状態等に応じて、個々に具体的な目標と内容を設定し、授業を実施しております。

例えば、知的障害の特別支援学級においては、教科の学習で日常生活と関連付け、学習と体験を関連付けた指導を取り入れております。

具体的には、野菜を育て、収穫した作物を使って調理を行う際に、材料の分量を計算したり、栄養教諭に調理の方法でわからないことを質問したりする学習の中に、伝えやすく話をするための文章を考え、伝える学習を仕組んだり、計算や語彙の力を高めたりするなどの学習を体験的な活動の中に積極的に取り入れております。

特別支援学級は児童生徒数1学級あたり上限8名となっており、障害種別ごとに8名を超えると学級数が増えます。

令和2(2020)年度は、知的障害、自閉症情緒障害、肢体不自由、病弱などの特別支援学級を町内小中学校全体で21設置しております。

また、特別支援学級には、教員以外に町単独費で教育支援員を配置し、障害の状態に応じた丁寧な指導ができるよう、町として取り組みを進めております。

 

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