国旗掲揚をめぐる府中町議会での論議の経過 2005-2007

(日の丸(国旗)のない議場)

以下は、町議会の議事録から抜粋した論議の経過です。

(敬称略)

1984(昭和59)年、現在の庁舎ができ、議場に国旗を掲示するかどうか論議があったが賛否両論あってまとまらなかった。

2005(平成17)年

6月議会 定例会 議長からの協議事項として議運に付託。

6月23日 議会運営委員会 国旗・町旗の掲揚について協議。全員協議会等で意見を聞きながら結論をだすということに。

7月19日 議会運営委員会 掲揚することに賛成6人、反対2人

・賛成 国家国旗法(1999〈平成11〉年制定) 社会の認識の変化、多くの自治体が掲揚 議会も掲揚すべき
・反対 戦争という過去の経緯を踏まえるべき なぜ掲揚するのかから論議

※採決できめるべしという意見もあったが、全員協議会、全員一致でことを運ぶのがよいという結論に。

7月25日 全員協議会

「国旗・町旗を掲げるのは自然」「国旗が戦争と結びつくというイメージはない」「自分としては何の抵抗もないが、掲揚によって不快な思いをする人がいるのなら無理にやる必要はない」「掲揚に反対ではないが、議会運営上、長い間、国旗・町旗がないままで支障はなかった。嫌だと思っている立場の人をおもんばかることが必要」「どうしても議場に端をださないといけないということはない。時期尚早」「全会一致になるように」「国旗を見たら胸が痛む人がいるなかであえて無理に国旗をだす必要はない」

「これだけ重要な案件がこの短い時間に固まるわけはない。全会一致でやるべきで賛成多数で決めるようなものではない。もう少し論議をする必要もある」(加島久行)

議長(久保博)の締めくくりの発言

「掲揚の有無によって議会審議が滞るような案件ではない。この件の実施によって議会運営に混乱を来すような事態は避けたい。時間をかけて論議をしたい」

2006(平成18)年

6月22日 6月定例会 本会議

「府中町議会本会議場に国旗及び町旗掲揚に関する決議について」が提案される

提案理由 国旗の掲揚によって「議員、行政執行部が日本国民、町民の一員としての自覚と誇りを堅持し、町民福祉の向上と未来に向けての諸施策を慎重に審議し、さらなる町政発展のために邁進することは多くの町民の望むところ」

「全会一致ではなく多数決で決めるべき」

加島議員から慎重審議すべきとの動議が出され、この動議に対して全会一致で賛成。議運に付託して閉会中の継続審査となる。

7月27日 議会運営委員会

全員協議会を開催することを要求

8月8日 全員協議会

賛否両論出るが、「国旗を議場に掲示しないできたことは、先人の議員たちがよくよく議論を交わした結果であり、そこには並々ならぬ理由があったのではないか。国旗が掲示されていないがためになにか議会運営に支障があったのか。掲示することによって議会運営に多大なメリットがもたらされるのか」(中村勤)、

「今後の議会の運営について議会の運営を対決をしてやっていくという形の議会運営のあり方は好ましくない」(岡邦憲)、

自分は掲示に反対ではないが「反対の意見も尊重したい」(上原貢)、

「掲示に反対する意見を持つ人を封じ込めるような形で強行するのは反対」(中井元信)、

「現状を十分見て慎重にこの問題を取り扱う必要がある。今後の議会運営に支障があってはならない」(加島)

という慎重意見が流れを作る。

2007(平成19)年 3月定例会 本会議

加島議会運営委員会委員長による報告

平成18年第2回定例会において付託された案件は、慎重審査した結果、次のとおり決定したので、府中町議会会議規則第66条の規定により報告します。

議員提出第10号議案、府中町議会本会議場に国旗及び町旗掲揚に関する決議について。否決。

なお、私の方から否決になりました意見として口頭で述べさせていただきます。

ご案内のように、全員協議会でも多くの議員から全会一致が望ましく、いいのではないか、また申し合わせ等による方法で対応すべき問題であると、全員の理解のもとに実施すべきものとの意見がありました。よって、決議という手段、多数決で決めることには問題が少々あるんではないんかと、また決して国旗を否定するものではない、慎重的意見が大半を占める中、この件で議会運営に支障が生じることがあってはならない、現状維持が望ましい、そしてもう一点は、町民の中にも日の丸に賛成しかねる人もおられる、強引に議会が掲揚すべきではないと思う、そういったいろんなご意見があったことを報告をさせていただきます。

原案に賛成  掲示に賛成だが 「満場一致でいい形できめるのがいいのではないか」(上原貢)

原案に反対 「国旗の掲揚を強制的に扱うことのないようにしていくべき。議案が可決すれば強制力がともなう。提出された議案は、議場という空間に掲げることを強制するための議決を求める議案であり、このままではだれかが反対して国旗を議場に掲げることができないから議決をもって掲げようとする思い上がりが込められていると思う」(久保宏隆)

議員提出第10号議案「府中町議会本会議場に国旗及び町旗掲揚に関する決議」は賛成少数で否決。


「非国民」は失礼に当たらないと西議員

実録 「国旗掲揚」慎重審議を求める動議をめぐるやりとり 

「国旗」に反対するものは「非国民」だと副議長

 

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