2019(平成31)年度 予算に賛成しました。
第4号議案「平成31年度府中町一般会計予算」に賛成の立場から討論をおこないます。
●日本経済の現段階と消費税
政府は、景気回復期間が「戦後最長」になると宣伝してきましたが、「統計偽装」問題が発覚し、その根拠がかなり怪しいことが分かってきました。もちろん、多くの庶民にとって景気回復の実感は全くありません。そんななかで1月の「景気動向指数」が、3か月連続で悪化し、内閣府は基調判断を下向きに修正したということが今月7日に伝えられました。
「緩やかな回復傾向」「回復基調」といいながら6年経って結局回復しないまま後退局面に入ったということだと思います。
私たちは反対しておりますが、今年10月から消費税の10%への引き上げが予定されており、計画通り引き上げられれば、少なくても2%分の消費は減るわけです。2014年に消費税が8%となって、実質家計消費は年額25万円も落ち込んでいます。GDPベースでみても、実質家計消費支出は3兆円も落ち込んでいます。家計ベースでみても、GDPベースでみても、日本経済が深刻な消費不況に陥っていることは、明らかです。こうしたなかで、5兆円もの大増税を強行すれば、消費はいよいよ冷え込み、日本経済に破滅的な影響を及ぼすことは明らかです。
このことをまず述べておきたいと思います。
●評価する事業
さて、当町の平成31年度予算ですが、昨年7月に起きた豪雨災害に対してその復旧と災害対策、被災者支援に取り組みつつ、評価すべき事業が予算化されています。
第一に待機児童解消のために認可保育園(120人定員)を2020年に新設することです。平成31年度は『府中子ども・子育て支援事業計画』の最終年であり、つぎの5カ年計画の策定にあたる年だと伺っています。町内には大きなマンション建設も進んでおり、認可保育園をつくったけれどもさらなる待機児童が大量にでることのないよう、今後の見込みを慎重に検討していただきたいと思います。
第二に、府中南小学校のトイレ改修工事、府中北小、府中東小の改修工事設計が決まったことです。学校のトイレは5K(暗い・臭い・汚い・怖い・壊れている)と揶揄され、排便を我慢している子どもたちの存在が指摘されてきました。「トイレがきれいになると子どもたちが落ち着く」という教育効果もあると聞いています。3小学校の工事が一日も早く終わるように期待しております。
第三に、学校において、業務改善支援員、スクールカウンセラー、スクールサポートスタッフの拡充が計れていること。29年度が952万円、30年度が1140万円、31年度が2280万円と年々充実させていることは教員の多忙化軽減と子どもたちに行き届いた教育をするために役立っていると思います。
第四に、コミュニティスクールの予算も29年度26万円、30年60万円、31年度98万円と29年度4倍近く増額となっています。
第五に、緑が丘中学校のクラブハウス建替えが実現すること。
第六に、ネウボラセンター事業です。平成30年度より予算を減らしていますが、それは施設整備が完了したからであって施策としては、より充実させるものになっていることです。
第七に、危険なブロック塀撤去費用への助成が始まったことです。
密集市街地である府中町で安全な街づくり進めていくために必要な施策だと思います。補助件数は5件とのことですので、今後さらに増やすことを望みます。
●制度の拡充を求める
制度の拡充を求めるものの第一は、子どもの医療費助成です。
小学校卒業まで制度を拡充して3年を迎えます。
平成29年度に約1億6000万円の予算で決算はシステム改修費を除くと1億2200万円でした。平成30年度の決算はまだ出ていませんが、予算は1億5300万円で、31年度予算が約1億3000万円となっています。おそらく予定していたほどは必要なかったということなのでしょう。そこで、通院に対する対象年齢を中学卒業まで拡充することをぜひ検討していただきたいと思います。
インフルエンザなど流行性の疾患によって助成額が変動することを心配されていると聞きました。昨年、兵庫県小野市に視察に行きましたが、平成28年から高校生までの医療費を所得制限なしで無料化しています。いただいた資料は福祉保健部長にもお渡ししましたが、年による助成額の変動はわずかでした。
制度拡充の第二は、精神障害者通院医療費助成事業です。
医療費の保険適用後の自己負担分を公費で助成するもので、府中町は自己負担分(1割)の半分を償還払いします。年々予算が減っていますが、その原因は申請率が低いからだと推察されます。せっかくの制度が活用されないのは残念なことです。広島市は自己負担分を全額助成し、窓口での負担をなくしています。こうすれば対象者全員に助成がされます。
先日、中国新聞に県が2020年から助成をするという記事が出ていました。詳細はまだ決まっていないようですので、県と協議のうえ、償還払いでなく窓口負担のないようにしていただきたい。
第三に、森林整備予算です。豪雨災害に対して最も有効なのは山を崩れにくくさせることであり、そのために必要なのは森林整備です。
「治水は治山にあり」「川を治める根本は上流の森林造成にあり」といわれるとおりであります。
昨年の第4回定例会の一般質問でも指摘しましたが、森林整備予算を抜本的に引き上げることが必要です。
しかし、今回も例年並みの280万円しか予算がついていません。交付金の増額を要求しつつ、町単費でも増額すべきだと考えます。
●懸念が二つ
要望といいますか、心配していることが2点ございます。
第一は、扶助費についてです。決算特別委員会でも出されましたが、扶助費が1%約5000万円削減され、47億3300万円となりました。
平成29年度の決算が約46億円でしたので、おそらく不足とならないという見込みでこういう予算となったのだと思います。児童福祉手当や生活保護費など生活に直結する予算ですので、支給に遅れが出ることのないようお願い致します。
第二は、向洋駅周辺区画整理事業とその関連事業についてです。29年度18億円、30年度11億円、そして31年度は4億円と、移転補償と画地整備工事は、完了に向けて順調に進んでいると伺いました。
これから 「広島市東部地区連続立体交差事業」が始まるわけですが、今後、この連立事業の地元負担金などが増えてくるものと思われます。町にとって過大な負担とならないよう十分留意していただきたいと思います。
今回は、冒頭申し上げたように、いくつかの点で評価すべき重要な施策があると判断し、予算に賛成したいと思います。
町民の暮らしに心をよせ、さらに町民の暮らし守るための施策を拡げていただくことを要望し、賛成討論といたします。
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