アルデバラン――あとに続くもの

アルデバランとギリシャ神話
今朝、NHK「あさイチ」に歌手のAIさんが出演し、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の主題歌「アルデバラン」を歌いました。
『カムカム』を観ていたとき、「アルデバランって何だろう」と思って調べると、次のような説明がありました。
アルデバランという名前は、アラビア語の「後に続くもの」に由来し、夜空ですばるの後を追うように昇ることから、そう名づけられた。
なかなかいい言葉です。
今朝、改めて検索すると、アルデバランはギリシャ神話に登場するとGoogle AIは言います。
どんな素敵な物語なのか期待しました。
プレアデス星団、つまり「すばる」は、ギリシャ神話ではアトラスの7人の娘たち。巨人の狩人オリオンに追いかけ回され、同情したゼウスによって星に変えられた。
そして夜空には、逃げるプレアデス、その後を追うアルデバラン、さらに追いかけるオリオンが並んでいる――。
自らが愛するものを追いかけるのならまだしも、娘たちを追い回すオリオンの先導役です。そこに主体性はありません。
「あとに続くもの」を、歴史を継ぐもの、先人の歩いた跡をたどるものというイメージで捉えていたので、がっかりしました。
しかし、Google AIの回答には間違いが多い。
創作ではないのかと疑い、アダムス編集長(ChatGPT)にこのギリシャ神話の真偽を問いました。
やはり、予想通り。
ギリシャ神話にはプレアデスの7人姉妹をオリオンが追うという話はあるのですが、この物語にアルデバランは登場しません。
Google AIは、「すばるの後を追うアルデバラン」というアラビア語名の由来と、「すばるを追うオリオン」というギリシャ神話を合体させ、一続きの物語をつくってしまったようです。
先人の光を見つめ、歩く
地球から見ると、両者は同じおうし座にあり、近くに並んでいるように見えます。しかし、アルデバランは地球から約65光年、すばるは約445光年の彼方にあります。
両者の間には、約380光年もの隔たりがあるのです。
すぐ後ろを歩いているわけではない。
それでも地上から見れば、すばるが先に昇り、その後からアルデバランが昇ってきます。
歴史を継ぐことも、同じなのかもしれません。
先人と同じ時代を生きることはできません。置かれた社会も、直面する問題も違います。
直接言葉を交わすこともできません。あるのは遺された言葉だけです。
その言葉の中に光を見いだし、その輝きに向かって歩み続けること。
それがアルデバランなのでしょう。












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