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2026-08-10

町長は住民の声に耳を傾け、市制移行は断念を

Illustration: Chappy

 

みなさん

今朝も、府中町が「市」になるという、寺尾町長が進めている「単独市制」の問題についてお話しいたします。

7月29日、府中町が市になることを検討する審議会が開かれました。この審議会は、学識経験者や町内のさまざまな団体や企業に所属する人たち18人で構成されています。
傍聴しましたけれども、市になることに賛成する人はわずかで、町の提案に疑問を呈す人が多いように感じられました。

いくつか紹介しますと

「前回の審議会で、私たちが述べた意見が今回の説明に反映されていない。これはマイナスポイントだ。若い人に意見を聞くと『分からない』という人が多い」
「話題になって知名度をあげ人口の維持・増加、府中町出身者にもどってきてもらおうというが、話題になるのは一時ではないか」
「私たちの暮らしがよくなるかどうかがカギで、そのことが十分に説明されないのでは、賛成・反対の判断ができない」
「町民の関心が低く、盛り上がりに欠ける」

市になることに賛成の委員からは「住民説明会で反対の意見を述べる人は、まるで議員のようで、反対のプロに違いない」という発言が飛び出し、「広島市と合併しないためには市にならないとダメだ」という根拠のない理由を挙げる人もいました。

市になることについて審議会委員のみなさんの理解が得られたとはとても思えません。

みなさん

7月25日には、住民説明会があり、私も参加しました。

これまで町は、「市になる」理由をさまざま説明してきましたが、今回の説明会では「人口の維持」が最大の目的ということになったようです。

私は「単独市制によって人口が維持できるというが、府中市は大きく人口を減らしている。町の主張は事実に合わない」とこれまで批判してきました。

2010年以降、町村から市になった自治体は7つありますが、2020年から2025年に人口が明らかに増えたのは長久手市と野々市市の2つ。富谷市は増えるには増えましたが78人、ほぼ横ばい。残る4市では人口が減少しました。

市制施行が2018年だった那珂川市は、2025年の国勢調査によると、2020年からの5年間で2,339人、4.7%も減っています。

この7つの自治体は人口を伸ばし、5万人を突破して市になったのには、はっきりとした理由があります。それは、どの自治体も大都市の「となり」に位置していることです。

となりの大きな市、都心へ通勤・通学するベッドタウンとして発展し、人口が5万人を超えました。

そういう地理的条件こそが、人口が増えてきた最大の理由なのです。これは、府中町も同じです。

ですから、「市になったら人口が維持できる」というのは幻想に過ぎません。

みなさん

私だけではありません。住民説明会では、参加者のみなさんから市制移行について疑問は批判の声があいつぎました。

大きくいって、3つの意見があったと思います。

第1に「市制移行」の必要性・メリットへの疑問です。

「市になることで本当に人口が増えるのか」「名前を変えるだけで効果があるとは思えない」という発言があり、今申しましたように、過去に単独で市に移行した自治体でも、結局は人口減少が起きているという指摘がありました。

むしろ「日本一人口が多い町」というブランドを生かして町の発展をはかるべきではないかという意見も出されました。

第2に、費用と財政リスクへの不安です。

システム改修などにかかる2億1千万円の移行経費について、「投資効果が見えない中で使うのは大きなリスクだ」と述べる始末です。

また、向洋駅周辺整備など大型事業の借金について、インフレ・金利上昇局面で財政圧迫に拍車がかかるのではないかという心配の声もありました。

町は2億1千万円と言っていますが、物価高騰が続くなかで、さらに膨らむ可能性があります。

第3に、手続き・プロセスに対する意見です。

町長選の公約に掲げていなかったのにもかかわらず、なぜ突然市制移行を提案したのか。

「町長の個人的な手柄づくり・恣意的な誘導ではないか」という厳しい意見も出されました。

アンケートではなく、「住民投票」をすべきではないか、広報や説明会で「メリットばかりが目立ち、デメリットやリスクの提示が十分になされていない」という指摘がされました。

みなさん

町の外向けのイメージづくりに、貴重な税金を使うのか。

それとも、数年後、数十年後に住民の皆さんから「本当に暮らしやすい町になった」と評価されるように「足元の現実の暮らし」を充実させるのか。これが問われています。

イメージ戦略を追うのではなく、住民の暮らしの質を充実させることこそが、いま府中町が進むべき道だと私は考えます。

2億円以上の税金を使って、市になるという「お祭り・イベント」、市の対外的な宣伝を進めようとしている。町民の暮らしに直接結びつかないことに、大金を投じるというのです。

みなさん

町民のみなさんは、「人口日本一の町」である現状を積極的に評価しています。

もし市になれば、全国に792ある市の中で、府中町は500番目前後になります。5万人の市というのは、特に珍しくもない普通の市であり、792ある市のなかに埋もれてしまいます。

市になっても住民サービスが良くなるわけではない。

だから、私は市制移行に私は反対しています。

先月25日の住民説明会の閉会あいさつで寺尾町長は、「みなさんの意見をいろいろ聞くと正直へこみます」と言いました。

賛成の声はなく批判と疑問の声ばかりだったからです。

会場には150人ぐらいの人がいました。参加者から「賛成の人は手を挙げて」という声があり、その場で手を挙げたのは1人でした。

もちろん、これは正式な賛否調査ではありません。賛成でも手を挙げなかった人もいるでしょう。

それでも、少なくとも会場で積極的に賛成の意思を示す人は、多くはなかったと思います。

町長は住民の声に耳を傾け、市制移行は断念すべきです。

次の町長選挙は、2年後の2028年5月です。

寺尾町長が、もしどうしてもこの町を市にしたいというのであれば、次の町長選の公約に堂々と掲げて、町民の皆さんの審判を仰いだらいいのではないでしょうか。

私は、住民にとって何のメリットもないことに2億円以上もかける市制移行に反対です。

府中町は、府中町のままがいい。

「やっぱ府中町じゃね」

私はそう思います。

ふたみ伸吾 ほっとらいん

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